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竜王様は黄昏る

結愛がいない。

結愛がいないとオレはダメだ。


「クロルリード、会議中に意識を飛ばしてるやつがいるか。」

光竜王ダルティースが顔をしかめた。


こいつの真面目さには頭が下がる。


「許してやるがよい、伴侶と望む雌竜が異世界に戻ったのだ、ソナタが新婚のときなど、ベタベタであったであろう。」

闇竜王ファエーヌが言った。


そういえば、ふぬけてたな、人のことはいえないが…。


「結愛ちゃん、今、フリーなのか?オレ会いに行こうかな♪」

風竜王トルードが言った。


界渡りして結愛に会いに行くと?

あの最強の父竜にせっしてみるがいい。

まあ、負けるつもりはないが。


「相変わらず、節操がないですね。」

水竜王スーラシスが不快そうに言った。


まあ、スーラシスは被害にあってるからな。


「クロルリード!情熱こそすべて!愛しい雌竜につかさずアタックだ!」

火竜王ムーラヤールが握った右手を突き上げて言った。


情熱か…私こそ界渡りして結愛をこの腕の中に取り戻したいが…。


今、この間の件とティエンイ帝国とアレシマ軍州国…なんといっても古ハタヤ王国の件を話しているのだった。


「古ハタヤ王国の連中はなにかいってきたか?」

オレはファエーヌに聞いた。

「まだのようだ、わが里の麒麟はあやつらが何度も会合と称して歓楽街でのみ歩いてるのは確認したそうだ、花街とか言うんだったの。」

ファエーヌが答えた。


「人間ってわかんないなー、なんで可愛い子ちゃん侍らすのにワザワザ無理矢理集めて、お金払うんだろう?普通にくどきゃ良いじゃん。」

トルードが言った。


花街とは雌竜が沢山いるところか?

恐ろしいな無理矢理雌竜を集めて無理矢理ことにおよんだら、その雄竜早晩殺されるだろう?

当の雌竜か、親族の雄竜に…。

結婚したくての誘拐と違うよな。


人間は怖いもの知らずだ。


「恐ろしいな…人間の考えはわからない。」

オレは呟いた。


第一、結愛がそんな目にあったら相手はだれでも殺しても殺したりないぞ!


「人間は色々いますからね…うちの里の騏麟の話しによると…シュレイルでの大規模な人身売買事件は…客はショーを見に来ただけで何もしらないと言い張ってるそうですよ…。」

スーラシスが言った。

「わが里の子竜を誘拐しようとした、人間は…主犯に行きつけない…末端組織のようだ…。」

ダルティースが言った。


ああ、里に侵入されたのは…光の里か…ある意味、よかったな…光の竜は冷静対応が得意だからな…。

火か風…一番過激なのは…水の竜あたりに手を出したら…生きてないだろう…。


「子竜って言えば…クロルリード、オレが探してた子、お前の腕の中にいたんだってな、里に確認したらばっちりあの美人さんでびっくりしたよ!」

トルードが言った。


もしや…突然結愛が…最強の父竜に連れ戻されたのは…こいつのせいか?


「エンヤちゃんにありがとうございますって可愛く言われて萌えって思ったよ!あれで人妻、子持ち反則だろう。」

トルードがうっとり言った。


やっぱりこいつの所為か!

奴にうなった。


「お、おい、なんだよ…オレの所為じゃないだろ?あの子はいずれ元の世界に帰る子でさ…求婚するんなら、あの子の里の竜王通して行わないとだろ?」

トルードがたじろいだ。


「わかっていても、お前をうらみがましく思う雄竜心をわかってやれ。」

ダルティースが言った。


ダルティースはいい、可愛い伴侶がいるのだから…。

オレは…オレは…オレはやっぱり結愛しかいないんだ!


「落ち着け、クロルリード!会議場が壊れたら復旧がことだ。」

フェエーヌがとめた。


会議場?そんなもん

オレの結愛を思う雄竜心に比べたら…。

ああ、結愛、このアホをすぐに倒して迎えに行く。


「おい、地竜術使うな!やめろー。」

トルードが叫ぶ。


結愛…やっぱりオレにはお前しか…。


「まったく、まじめすぎるのがはまると怖いですね。」


スーラシスの声とともに何かが後頭部に直撃した

そこで…何も分からなくなった。

結…愛…。

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