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子竜は里(家)に帰る1

ああ、やっと帰って来たよ…。

なんか、ずっと抱っこきついよう。


「結愛、待ってたよ。」

地竜の里に帰ると懐かしい顔が待っていた。

「お父さん?」

本当にお父さんだよ、子守エプロンつけてる。


「うん、あなたが、地竜王様ですか?娘がお世話になりました。」

お父さんがニコニコ言った。

クロお兄ちゃんが抱き上げてるにが気に入らないみたいだ。


「竜王様、結愛ちゃんを迎えに来たそうです。」

竜姫様が困惑しているように言った。


「結愛の父上か…オレは…。」

クロお兄ちゃんが言いかけた。

「お世話になりました、お礼はいずれいたしますね、結愛帰りますよ。」

お父さんはそう言うと私をクロお兄ちゃんから分捕った。


「結愛~。」

クロお兄ちゃんが言った。


お父さんは私を育児袋ポケットに収めると言った。


「結愛、お礼をいいなさい。」

お父さんが言った。


私はよっこいしょと育児袋ポケットから顔を出した。


「クロお兄ちゃん、皆さんお世話になりました。」

私、薄情かな?


クロお兄ちゃんがどうしようか悩んでる。

私の親だし…威嚇できないと思ってるのかな?


「結愛行くな…オレの伴侶だ。」

クロお兄ちゃんが言った。

「結愛…そう言う関係なのかい?」

お父さんが育児袋ポケットにしがみつく私に言った。


「まだ、なってないの。」

うん、抱き込み激しいけどなってません。

「そうか…いずれなりそうなのかい?」

お父さんが聞いた。

「分からないの…でも私は時竜の騏麟なの。」

うん、使命ははたさないとね。

「そうか…結愛は責任感が強いね。」

お父さんはそういって私の頭をなでて育児袋ポケットのなかにいれた。


「地竜王様、結愛はまだ、竜体が成長段階にあり、人型も少女です、いずれ大人になってから改めてこのお話は考えさせていただきたい。」

お父さんが言った。

「オレは…結愛しか…。」

クロお兄ちゃんが言った。


…私はクロお兄ちゃんの事まだ、そこまでじゃ…あれ、心がいたんだ。


「結愛は、地竜王様の事が好きかい?」

お父さんが聞いた。

「…多分…好きかな。」

私は言った。


でも、男女の好きかわからないけど…。


「そうか…でも、みんな心配してるし…いったんかえろうね、すぐこれるからね。」

おとうさんが言った。

「え?異世界だもんこれないよ。」

私は困惑した。

「ルーリーナ獣魔国に次元門があってね、行き来自由なんだよ…この紫世界とは…。」

お父さんが言った。


ええ?次元門があるの?


「結愛はかの明正和次元の竜なのか?」

クロお兄ちゃんが明るい顔をした。


「ええ、いつもはいませんが、時竜の里の竜ですのでよろしければ遊びに来てください。」

お父さんはいって歩き出した。


私はよいしょと育児袋ポケットから顔をだしてクロお兄ちゃんを見た。


「結愛、絶対に会いに行くからな。」

クロお兄ちゃんが言った。


なんか今生の別れみたいだ。


私も寂しい…ずっと一緒だったから…。


「クロお兄ちゃん。」

私は呟いた。


もう、会えないなんてことないよね。

うん、分かんないけど…さびしいよ。


「結愛~!」

クロお兄ちゃんの悲壮な声が里に響き渡って

どんな悲しい別れ?ってセリアお姉ちゃんは思ったんだって後で聞いた。


でも、その時なぜか、寂しくて心細くて仕方なかった。

お父さんの育児袋ポケットのなかなのに…。

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