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魔法使いな人身売買業者はため息をつく。

結愛…あの時なんとかさらってこられれば良かった…。

あの、雄竜さえ邪魔しなければ…。

今頃、僕の…フロリ商会の商品にできてたのに。


「セファムさん、一般のお客様たちはなにも分からず捜査は難航らしいです。」

ラリスが言った。

「そうなんだ、まあ、重要な客は転移させたしね。」

ファリアード様とか、ヘックゼ様とか…。


まあ、ロリコンの上得意様だけど…。


『あの美少女が手に入ったら、連絡しろ。』

とファリアード様は言ってた。


ヘックゼ様は子竜体の方が気になったらしい。

なんにせよ、ヘックゼ様は…とくに結愛指定ではないからね…。


「ねぇ、セファムさん、大分損害なんじゃないの?あの子竜こんど捕まえたら、ファリアード様に高額で売らないと、元が取れないんじゃない?」

オリゼが帳簿を見ながら言った。


うーん、たしかになにかで埋め合わせしないとかな?


シュレイルでは女の子限定だけど、レイリンシア学識国では、高学歴の美少年とか美青年を手に入れられるしね…。


ルーリーナ獣魔国は良い商品揃ってるんだけど…ガードが固いし…。


「だいたい、成長するってなんですかね?美幼女が美少女になるなんて…。」

ラリスがどこかうっとりするように言った。


まあ、将来さぞかし、美しいだろう幼女が、そのまま美少女だからな…絶世の

麗しい商品をいつも扱ってるラリスもさすがにうっとりするだろうな。


「それより、あの空間を被う力が問題よね、竜どもの魔力がどのくらいか分からないし、魔法封じもきかないかもしれないわ。」

オリゼが大型遠通機の画面をみながら言った。


そう言えば…結愛を確保してきた職員が眠り薬も魔法も聞かなかったと言っていた。


竜なのはだてじゃないのか…。


「ハタヤ竜人国に派遣した連中はまだ帰ってきてないし…。」

ラリスが言った。


うん、できれば子竜を捕まえるように言ったけど。


無理してないといいけど…。


「なんにせよ、あの子竜つかまえたら、ファリアード様にふっかけてやってよ。」

オリゼが言った。


…結愛を…あの変態に渡す…。


嫌だ…そんな事できない。


僕は何考えてるんだ?

代々人身売買をメインの商売にしているフロリ商会の男だろ?


古ハタヤ王国の古い貴族の家系の誇りをわすれたのか?


あいては…にくき竜なんだぞ…。

あんな奴…変態に…いやダメだ…。


「どうしたんだよ、僕。」

僕はため息をついた。


あの子竜いや、あの真珠紫の少女が欲しい…。


ぼくは、どうかしている…。

でも、ほしくてたまらないんだ。


「セファムさん、会長様方かた連絡だよ。」

オルゼが言った。


ああ、両親から、連絡か…。

おおかたこの前の失敗あたりが聞きたいんだろう?

こっちもため息だな。


僕はやっぱり…結愛の事…。

やっぱり、欲しいみたいだ…。

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