子竜は事件に巻き込まれる4
少し更新時間がおくれました。
申し訳ございません。
オークション会場は異様な熱気に包まれていた。
うーん、ティナーラさん何処にいるんだろう?
「結愛ちゃん、可愛いよ。」
私の係らしいラリスが言った。
可愛くても売っちゃうんでしょう?
まあ、そしするけどね。
やっぱり、仮面舞踏会みたいな仮面つけてる。
昔見た、幼児番組の悪役みたいだ。
控室は一人仕様だし…結託させない仕組みなのかな?
「ティナーラお姉ちゃんは居ないの?」
私は幼児のふりして聞いた。
「うん、そのうち会わせてあげるよ。」
ラリスが頭を撫でた。
クロお兄ちゃんに撫でられた時みたいに気持ち良くないや…。
むしろ、手がクロお兄ちゃんより柔らかいんだけどな…。
なんでなんだろう?
甘いお菓子とジュースを与えられてフカフカのソファーに座らされている。
拘束とか檻とか全然ないから、よっぽど自信があるんだろうな。
「美味しいから食べてごらん。」
ラリスがやっぱり優しいふりをした。
「うん。」
私は警戒しながら手をだした。
食べ物に眠り薬入れる連中だからな…。
用心に越した事ないよね。
ふんわりとかろやかなその蒸しパンは生チョコレートが入っていた。
うーん、高級な味…眠くないし…大丈夫かな…。
『ラリス、少しはなれて、写りこんでるから。』
どっかから、女性の声がした。
「もう、はじまってるんですか?オリセ。」
ラリスが言った。
『今回の目玉商品だから、ホールに映像ながしてるのよ、奇跡の妖精姫、結愛って。』
オリセって言う人が言った。
うーん、本当に賞品扱いなんだな…。
どんな映像か興味あるけど…妖精族ってそんなに繊細じゃないよね…。
明正和次元ではだけど…。
第一私、時竜なんで、妖精じゃないですよ。
「良いですね…超高額落札の予定ですからね、ファリアード様とヘックゼー様が当然争うでしょうから。」
ラリスが笑った。
『今回は良い商品そろってるのよね、セアヤラゼ公の孫娘で麗しき竜乙女とか。』
オリセが言った。
竜の乙女はこっちですよ…案外ティナーラさんって強いひとなのかもしれない。
「お部屋からでないの?」
でないと計画に支障が…。
「でなくていいんだよ、結愛ちゃんは子供だからね、お迎えがくるまでここで遊んでていいんだよ。」
ラリスが言った。
わーん、それ困るよー。
「お外行きたいの。」
私は小首を傾げた。
『いいわ、そのしぐさ確実に値段アップよー。』
オリセが言った。
「出たいのー!お祭り会場行きたいのー!」
私はだだをこねて見た。
あとで火が噴くほど恥ずかしいんだろうなと思いながら…。
『ラリス、つれてきていいよ、実物は映像に勝るだろうから。』
セファムの声が聞こえた。
というわけで、オークション会場です。
やっぱりラリスがそばにいてソファーに座ってます。
ガラスケースみたいな丸い舞台の下から次の人が上がってきました。
熱気に包まれる会場は意外にも静かでした。
正面の大きいモニターの値段が次々代わって行くところをみると
席に魔法か機械で入札できるしかけがあるようです。
「落札されました。」
司会の男が言った。
この人も仮面付けてるんだよな…。
まあ、大体会場内の人はつけてるけど。
競り落とされた茶色の髪の少女は美しい瞳に涙を盛り上がらせながら再び
舞台のしたの奈落へ降りて行った。
絶対助けるからね。
「次は、今日の目玉の一人セアヤラゼの竜の乙女です。」
舞台にセアヤラゼ公のおじいちゃんとおばあちゃんにちょっと感じのにた
気の強そうな美少女が出てきた。
「では、御入札をお願い致します。」
司会が言った。
うん、今がチャンスだよね、最悪下着はちゃんと竜用のきてるから破れないし…。
私はリボンをとった。
「髪がかゆいの?」
ラリスが優しいふりをした声をだした。
ああ、竜体に開放される…。
「なんだ、あれは。」
会場がざわつくなか…。
私は竜体に変化した。
さあ、がんばるんだ、私!
「ティナーラさんを、皆さんをかえしていただきます。」
私は空間術を会場に放った。
きっと、うまくいくよね。