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竜王様は今日は思い悩む

結愛がいないと寂しい。

本当に大丈夫なのだろうか?


「結愛…。」

オレは近くの高い建物から結愛がいるはずの

高級ホテル(らしい)サリース・アジャを見た。


人の出入りが激しいな。


「地竜王様、うちの竜王様が話したいそうです。」

ゼストリーア殿が携帯遠通機を差し出した。

『クロルリード、話は聞きました、子竜が関わってるそうですね。』

水竜王スーラシスが顔を出した。


相変わらず、麗しいな

かつて雌竜より綺麗だと口説いた

風竜王トルードを撃退したのは見たが…。


まあ、あいつは自由過ぎだしな…。


「すまん、結愛がどうしても人身売買の犯人を捕まえると聞かなくてな。」

オレはため息をついた。


まったく、あの子竜は…。

正義感有りすぎだろう。


『…ずいぶんしっかりした子竜ですね。』

スーラシスが考え深そうに言った。


そうだな…結愛は並みの子竜と違うな。

普通、インファントドラゴン(雛竜)やドラゴンパピー(幼児竜)はあんなにしっかりしてない。

食べて寝る本能の方が強い…。


「もしかしたら…もっと大きい?」

オレたちはあの小ささに惑わされてたかもしれん。


結愛自身は自分の事を幼児だと言ったことは

一度もない…。


『クロルリード、どうかしましたか?』

スーラシスの声が耳を通り抜けた。


「もしかして…結愛は…ドラゴネット(少女竜)かヤングドラゴン(若い大人竜)なのか?」

それならずいぶん悪い事をしていたことになるが…。


インファントドラゴンかドラゴンパピーあつかいして育児袋に入れまくり。

メシを多量に食えと強要し…。

はては添い寝までしたぞ…。


『なにか、ショックなことでもあったのですか?』

スーラシスが心配そうな顔をした。

「…オレは女の子を…年頃の雌竜を傷つけたかもしれん。」

雌竜はデリケートなのに…。


しかも人型変化できないと決めつけて、幼児化させるアイテムまで…。

抱き上げまくったしな…。


『…あなたは…そう言う事は苦手でしょう。』

スーラシスが額を押さえて言った。

「ああ、だが、ある意味喜びも感じる。」

オレは笑った。


結愛が幼児じゃないと言う事は…。

オレが伴侶になってほしいといってもいい歳だということだ。


つまり、変態じゃないということか…。

本能は自分の別格、伴侶を見つけていたということか。


だから、他の雄竜に結愛を触らせたくなかったのか…。


ああ、そういえば…無理やり風呂も入れたな…一人でやると言う結愛の

身体を洗って、一緒に抱きしめて風呂桶にも…。


「結愛、責任とってやるからな…。」

オレはうっとりと笑ったらしい。

『クロルリード、不気味です。』

スーラシスが顔をひきつらせた。


何が、不気味なんだ?


「まあ、ともかく、お前の里の騏麟は借りるぞ、うちの里の騏麟は、ツレノトニャー大陸のアシレマ軍州国とティエンイ帝国の様子を見に行っててな。」

まあ、すぐに帰ってこれるだろうが…。

今は動かしたくない…。

竜族全体に厄災が振りかかるかも、しれんしな。

『あそこはきなくさいですからね…古ハタヤ王国も暗躍しているようですし…ゼストリーアは好きなように使ってください、いいですね、ゼストリーア。』

スーラシスがそばでホテルの監視をしていたゼストリーア殿に言った。

「はい、竜王様。」

ゼストリーア殿がそう言って携帯を受け取った。


スーラシスに挨拶をして切ったあとゼストリーア殿が振り向いた。


「そう言えば…捜査員さん達も張ってるんですよね。」

ゼストリーア殿がそういってあわててホテルに駆け込んでいくあの

キャスアとか言う気に食わない男を指差した。


「なにがあった?」

オレは7階建ての屋上からとびおりた。

「地竜王様!人化してるの忘れてますよー。」

ゼストリーア殿が叫んだ。


なにをいってる、このくらい人型でも怪我などせん…。


着地してびっくりしている人間の女性をみた。

そうか!人間はこんな高い所からとびおりないか?


「失礼する。」

オレはごまかす事にした。


なにかあったとすれば、結愛の事だ!

キャスア捜査員はあの事件の担当らしいからな。


すぐ、いかないといけない…。

かまってなどいられない。

結愛はオレの大事な別格…伴侶にしたい雌竜なのだから。

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