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(7)

七、

 倉田と鷺沼に帰宅の許可をもらい、幸太は自宅に帰った。倉田はここでやれと言い張ったが鷺沼が許してくれた。

「慣れた方が……ね、確かにその方がいいかもね……」

 とつぶやくように鷺沼が言っていた。

 自宅に帰ったとき、いつもより早い帰宅に母親が心配をしていた。大丈夫ちゃんと許可をもらって帰ったから、こんなふうに幸太は答えてから自分の部屋に戻った。

 部屋のベットに腰をかけ、ふうと一息ついた。なんか面倒なことに巻き込まれたな、と幸太は考えていた。

「とりあえずやってみるか」

 幸太は声に出し机に向かった。引き出しから鍵を一本取り出す。クローゼットへ向かい鍵を使ってドアを開いた。中にはいろいろなコンピュータが積まれていた。しばらく使っていなかったらしくキーボードにはほこりがたまっていた。その一部のほこりが薄く払われているのを幸太は発見した。

「ふむ、どうやらここも駄目みたいだぞ」

 幸太は見なかったふりをして全体のホコリを軽くはらいコンピュータの電源を入れた。

 今となっては少し古くなったシステムが立ち上がる。このOSは幸太が自分専用にチューンした物だった。幸太はパスワードを入力しログインする。懐かしい画面とともに起動した。

 ネットに接続できるかを確認し一旦クローゼットから出てリビングで熱い珈琲をいれてきた。そういえばいつもこうしてたことを思い出す。昔の作法を幸太は忘れていなかった。心が少しウキウキしてきた。

 幸太のコンピュータは少々古い物だったが、そんな事は幸太にとって関係がなかった。新しいセキュリティは開発されているが、基本的な考え方は同じだった。いつもののように接触し、探りを入れる。ちょっかいを出し引っ込める。少しずつ様子を見ながら一歩一歩進んでいく。例のコンビニのサーバーはなかなかハードな代物だった。

「やや高難度、といった所か……」

 確かに一般企業のコンビニにしては強固だった。標準レベルは優に超えていた。

 しかし幸太は少し物足りなかった。期待していた以上の物ではなかった。こんな物が突破できないものなのかな、と幸太は思った。こんなレベルで手こずるようなら最初か勝負ありだとおもった。自分が泳がされているのか、だまされているのか。幸太は鷺沼の車の設備の事を思い出していた。あれが組めるとしたら……。幸太は監視用プログラムの様子を確認した。やっぱり、ずっと自分のあとをついてくる『ヤツ』がいた。巧妙に足跡を消しながら進んでくるが、幸太には、静かな水面に落とした一個の石ころのように見えていた。波紋を広げながら、自分はここに居ますといいながら進んでくる。まぁいい、放っておこう。幸太は例のコンビニの方に注意を向けた。防壁はあと四枚ぐらいだった。

 珈琲を飲み一息つく。やがて最後の防壁を破り、目的の情報にたどり着いた。例のコンビニはやはり他店舗をやめさせ自分たちのいいようになるように仕掛けを弄していたようだった。


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