第七話
今回は城東拓己視点です
【天神学園 一年教室】
―――ガラッ
「ふう、疲れた」
「・・・」
足でドアをあけてそう呟いた
そして・・・
「きゃあああーーーー!!!!」
・・・また、女の子が叫びをあげた
どういうことなんだよ!!!!
一瞬服が焦げたかと思って確認しようと思ったけど下半身は七菜子が邪魔で見ることができない
とりあえず・・・
「七菜子、お前の机どこだ?」
「すう、すう・・・」
寝ている
いつの間に!!
そう言えば、階段を上がっているあたりから声がしなくなったな
仕方がないな・・・
「なあ、七菜子・・じゃなかった。皆川の席ってどこだ?」
「あの・・・誰ですか?」
まあ、当然の疑問だろうな
突然、こんなやつが入ってきたら聞きたくなるだろう
「俺の名前は拓巳。とりあえず教えてくれないか?ずっと抱えているのきついんだ」
・・・まあ、ウソだけどこんなことを言っておかないとずっとこのままで話をしているが目に浮かぶから・・・
「え~~と、七菜子ちゃんの机はあっちです」
角の方の机を指差してくれた
とりあえず、俺はその席に七菜子を置いた
っで、立ち去ろうと思ったんだけど・・・
「どういう関係なんですか!?七菜子ちゃんと!!!」
囲まれた
ていうか、今気が付いたけどこのクラス女子しかいない
まあ、男子の比率が悪いのは確かだけどちょっと失敗だったかも
女子はこういう話は基本的に好きって聞いたことがある
・・・本当かどうか怪しいけどまあ、一般的に見たらそうだろ
はは、ずっと男子校にいたからナンパくらいのときしかしゃべらないからな
どうやって言い訳すればいいかわからない
「ねえねえ!!どういう関係なんですか!?」
・・・どうすればいいんだ!!?
誰か、誰か・・・
そう思いながら、周りを見渡す
周りには女子、女子、女子
・・・ああ、前の学校とは大違いだな
前は囲まれたときは確実にケンカになったからこういう状況
でも、浮かれている場合じゃない!!!
逃げないと・・・
一応後ろには窓があるけどここは5階
・・・さすがに死ぬと思うからさすがに飛べない
ていうか、3階でも結構やばいのによく生きていたな俺・・・
そう思いながら、逃げることをあきらめてしゃべろうとしたら
「あ、でも聞くまでもないかも」
ん?
まさか・・・
「七菜子ちゃんと恋人ってことだよね!?」
ぎゃアーーーー!!!
・・・そんなことあるわけないだろ
俺がこいつと付き合うことがあるわけないだろ
確かに、ルックスとかはいいかもしれない
でも・・・なんだか今は恋愛の対象に見れない
・・・そういえば、俺いまだにだれとも付き合ったことないんだよな
ナンパも適当にいたやつと話しかけたとかだから恋愛対象じゃないし
好きになったやつっていないんだよな・・・俺・・・
「ん・・・あれ?」
「お、目が覚めたか。七菜子」
どうやら、目を覚まして重たい眼をこすっている
状況を確認しきれてないみたいだ
「え・・と、なんで教室にいるんだっけ?」
「俺を助けて疲れたんだろ?」
「・・・疲れた?あ!そう言えば拓君」
・・・やば!!
「なんで、魔法使えるのに黙っていたの?」
「・・・は?」
魔法が使える?
黙る・・?
どういうことだ?
「だって、3階くらいから飛べるんだよね?」
・・・いや、あれどっちかと言うと落ちたんだけど
「なんか、魔法みたいなのも聞こえたし」
・・・ああ、「あの私は飛べる!!」って言う意味のやつか
はは、まさかあれがこんな事態にことが発展するとは・・・
「あのなあ、俺は魔法なんかつか・・・」
――――ピーポーパーポーン
「二年一組 城東 拓巳君。至急、校長室まで来てください」
―――ドヤドヤ
・・・ん?
周りの女子が騒ぎ始めたぞ?
普通だろ、こんなこと・・・
いや、待てよ・・・よくよく考えたらチャンスだ!!!
「じゃ!俺は呼ばれたから!!」
――――ビュン!!
即行で逃げた
・・・校長室てどっちだっけ?と思いながら・・・
【校長室】
「遅かったですね」
「言わないでください」
・・・ここに来る最中で一回、教師に見つかった
しかも、それが変態教師だったため思いっきり抱き着かれ・・・まあ、勝ったけど
正直なところ、それのせいで時間がかかりここに来るまで手間取った
「・・・まあ、大変だったことだけはわかりましたけど・・・」
「そう言えば、なんで呼び出されたんですか?今さら、転入手続きにおかしなところが?」
可能性的にはこれが一番あるからなにげなく聞いてみるが・・・
「いえ、まったく違います」
「・・・じゃあ、なんでですか?」
「あなた、3階から飛び降りたって本当ですか?」
・・・へえ、ほんの数十分前のことなのに早いな
さすがは、魔法学校
「その時、多数の生徒と教師に目撃されていましたよ」
「あ、そう言えば結構な人いたっけな」
「・・・しかも、吉良さんと敵対しているみたいだし・・・」
「いや、違います」
校長は頭を抱え込んでいる
・・・?
そこまで深刻になることか?
「はあ、本当にやってくれましたね」
「いや、話が全然見えないのですが・・・」
「そうですね・・・もう、今日は帰ってください」
・・・?
いや、まだ授業が残っているけど・・・
「その代り、明日は学校に6時に来てください」
「はあ、了解しました」
納得はいかないが話しても全然訳が分からなくなってきたからちょっと整理するために俺は家に帰った