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第六話

今回は、城東じょうとう拓己たくみ視点です


そう、そんなことが三日前にあった

・・・あれ?

でも、これじゃあ七菜子のこと説明しきれてないよな?

え~~と、確か七菜子は・・・


【二日前】


「ははは・・・もうでもいいや」


俺は、二日にわたって逃げ続けている

まさか、日をまたいでも追いかけてくるとは思いもしなかった

おかげで、俺は昨日学校に泊まった

案外快適だったことはうれしかったなぁ


「見つけた!!」

「よし!!かかった!!」


近くに置いてあるロープを引っ張る

即席のトラップだ

そして、水が入ったバケツが落ちてくるが・・・


「マジックバイス」


―――バッシャーー、カランコロン


水が入ったバケツが落ちた

しかし、落ちてきたのは俺の頭の上

なぜだ!?

確か、扉の方においていたはずなのに


「これも?修行?」


・・・お願いだからついてこないで・・・

こんな言葉が言えたらどんだけ楽なのだろうな

そんな考えをしながらまた逃げるようとするが・・・

逃げ場がない

ここは三階だ

落ちたらシャレでは済まない


「さて・・・今度こそ捕まえた!!」


やばい!!

俺はそう考えながら窓を開け・・・


「I CAN FRY!!!」


そう言いながら・・・窓からとんだ

そう、それはまるで美しい鳥のように俺は空を飛んだ

ああ、人間と飛べるんだ

・・・そんなことはまったくなかった


――――ドスン!!!


「い!!」


足に衝撃が走る

痛いけど、折れてはいない!!

俺はそう思いながら逃げるのを続けようとしたが・・・


「あれ?・・・え?」


人がいた

いや、正確には七菜子がいた

周りには新品の制服に身を包まれている子がいる

多分、友達だろう

そして、俺はその友達と七菜子に三階から飛び降りてきているのを目撃された

さて・・・今度はどんな言い訳をしないといけないのだろう?


「あれ?拓巳じゃないか?」


・・・状況を改めて説明しよう

俺の正面には七菜子とそのお友達がいる

そして、俺の後ろには


「どこ行ってたんだよ。親友の俺をほっといて」


昨日、クラスで自己紹介したクラスメイトの西條さいじょう 龍城たつき

なぜか、俺のこと親友手と呼ぶ変わった奴が俺の後ろにいた

こいつも、魔法は使えるが普段の生活態度が悪いらしいので成績下位者となっている

ついでに、彼女はいるらしい

・・・チクショウ・・・

さて、どうしよう

ここでもたもたしているといずれ吉良きらさんがやってくると思う

その前に、逃げないとやばい

けど、前には混乱している七菜子

後ろには、うっとうしい友達?がいる

前門に涙、後門にうっとうしいやつ・・・


「あれ?考えるまでもないんじゃないか?」

「ん?どうした?親友よ・・・が!!」


後ろに影が見えた

そして、それは龍城に手刀を叩きこんだ

それをくらった龍城は・・・


―――ドサッ


倒れた


「何やってんのよ。龍城」


手刀をブチ込んだ少女がいう

彼女こそが龍城の幼馴染で彼女の山倉やまくら皐月さつき

長身で黒神のポニーテールだ


「ほら、伸びてないで教室行くわよ」


倒れた龍城を軽々と持ち上げて連れて行った

よし、後ろに逃げれば・・・


「あの、拓君?」


・・・忘れてた

七菜子を置いていくと後々面倒なことになるかもしれない

しかし、連れて行くって言う手も無理だ

どうする?


「いた!!」


・・・とりあえず、見つかった


「マジックバイス!!」


また、鋭い水が襲い掛かってくる

・・・避けれない

避けたら七菜子たちに当たる可能性が・・・


「マジックバイス」


相殺された

後ろから来た火の玉が鋭い水に当たり相殺された

・・・まさか?


「大丈夫?拓君?」

「お前、魔法使えるのか?」


驚いた

いや、驚くところじゃないか

この学校はシードがあるのが前提なんだ

ちょっとでも、教われば多分誰でも使えるだろう

・・・シードがあれば


「うん。ちょっとしか習ってないけど火の玉なら一回だけ」


・・・使い切っちゃった!!

しかも、心なしか七菜子が疲れているに見える

やっぱり魔法は体力を使うのか?

・・・そうなると吉良さんはすごいな

ここまで追いかけてきているにも関わらず息ひとつ乱していない


「・・・そう、次はその子を倒せって言うのね?」

「!!? おい!!待て!!」

「マジックバイス!!」


さっきとは違う魔法が襲い掛かってくる

水の球体が来る

スピードは遅そうだが、威力はありそうだ

避けるのは簡単だ

俺だけは・・・

でも、ここにいるほかの子達は多分当たる

しかも、七菜子はもう息を切らしていて立つのもしんどそうだ


「クソ!!」


水の球体に、あたりに行く

多分、一回当たりさえすれば砕け散るはずだ

・・・痛いんだろうな

そう思いながら、右手を振りかぶり球体を殴ったら・・・


――――バシャン


・・・すり抜けた

そして、水の球体は形が崩れてただの水となった


「どうして?爆発ぐらいはするはずなのに・・・」


・・・うわ

さらっと恐いこと言ったよ

爆発がする?

・・・死ぬだろうな俺・・・

まあ、不発になったみたいだからよかったけど


「大丈夫か?七菜子」

「うん。拓君が壁になってくれたおかげで・・・」


・・・もう、立っていられないみたいだ

床に座っている

・・・仕方ないな。こうなったのも俺のせいだし


「よって、失礼するぞ?」

「え・・?ええ!!」


―――ヒョイ


俺は立てなくなったみたいの七菜子をいわゆるお姫様抱っこで持ち上げた

とりあえずはこれで教室まで送ってやろう


「な、何やっているの!!?」

「そうだよ!!拓君」


・・・あれ?

見てわからないのかな?


「いや、お姫様抱っこだけど・・・」

「「きゃああーーー!!」」


・・・・近くにいた友達が奇声を上げた

うるさいな


「なに驚いているんだ?立てなくなった時の対処は男なら肩。女ならお姫様抱っこだろ?」

「常識的に考えなさいよ!!そんなのおかしい・・・」

「うるさい。俺の常識だとこれで正解なんだよ」


ドスのきいた声で言った

しまったな。ちょっとイラついてしまった

自分でも自覚している

『常識的に考えろ』昔から、俺はその言葉になぜかイラついてしまう

・・・なんでだろうな。母親がいなくていじめられた程度でこれが染み付くなんて

悪いことしたな


「あ~。ごめん、ちょっと大人げなかった」

「い、いいのよ。わたしも・・・」

「じゃ、俺は七菜子を送るから」


そう言ってこの場を離れた

・・・その時俺は気づいてなかった

周りにはたくさんの学生と先生がいたことに・・・


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