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理不尽フットボール~ただボールを蹴っただけなのに  作者: 砂糖水色
7章

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66/71

10笑 予習

早田


後半30分、ゲームとしては2-2だが、リーグ優勝にはまだ2点リードしている。

残りアディショナルタイムを入れても20分。

向こうはベテラン1人が退場している。

うちなら絶対に守り切れる。

 

ハーフタイムに

「前2枚残して全員で守れ」

 そう決意表明のように指示された時は驚いたが、今なら分かる。

それほどまでに今日の町田の攻撃力は高い。

颯馬がいないのにもかかわらず攻撃パターンが豊富で抜け目がない。

まともに打ち合っていたら…

そう考えると恐ろしくなってくる。

それに町田にはアイツがいる。

 佐古剛。

Jリーグに現れた戦術破壊者。

今のところ完封出来ているように思うが、前半のミドル。

エグいコースに速度だった。

あれを止められたのは勘に近い。幸運だった。


後半に入ってパラパラと降り始めた雨が強くなってきた。

 12月の冷たい雨の中、選手達から湯気が立ちのぼる。

 

セブンのミドルシュートはディフェンスに当たりコーナーキックになった。

これで何度目のコーナーだ。

ニアにファー。ショートコーナー、ど真ん中に早く落ちるボール。

多彩なパターンでゴールをこじ開けようとしてくる。

佐古が左手を上げて合図する。

助走を始めると、今日何度も佐古のコーナーを見たからこそ違和感を感じた。

先日の佐古のインタビュー動画が脳裏によぎる。

無回転とかアウトとかめっちゃ楽しいですー

踏み込んだ軸足を見て確信する。

アウトで直接狙ってくる。

ポジションを少し下げる。

俺がファーに行けないように戸田が身体を寄せてくる。

どこまでもいやらしい選手だ。

佐古がアウトサイドで少し高めのボールを蹴った。

落下地点を予測し戸田を押し出す。

キャッチ出来る。そう確信する。

ボールが枠内に落ちてくる瞬間、戸田に押され空中でバランスを崩すが、なんとか手ではじき出す。

「クリアぁ!」

そう叫ぶもボールの落下地点に走り込んだのは紺色のユニフォーム。

鶴田だ。

ウチのディフェンダーが体を投げ出す。

俺も体を起こしシュートに備える。

飛び込んだディフェンダーで俺からはボールが見えなくなった。

世界がゆっくりに感じられる。考える余地はない。

この距離は反応に全てをかけるしかない。

鶴田が足を振る。

…音がしない。

飛び込んだディフェンダーが地面に落ちると、ボールはまだ鶴田の真横にあった。

 

三笘の2段式フェイクボレー!

 

鶴田が再び足を振る。

時間差の分、俺は前に出てボールに詰める。

ほとんどのシュートコースは消す事に成功している。

 鶴田は擦るようにボールを枠の外に転がした。

ミスキックだ。勝った!

 そう確信するも

「うおお!」

枠外に転がるボールへ富士夫が突っ込む。

ギリギリ富士夫が触ったボールがネットを揺らした。

 

後半40分

2-3

あと1点。

スタジアムが奇跡を期待し爆発する。

 

 




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