おいしい王様
意味のない童話
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昔々、ある所に王様とお妃様がいました。
ある日、王様がお妃様に言いました。
「ああ、何て君は美しいのだろう。食べてしまいたいくらいだ」
「どうぞ王様お食べください」
お妃様が言ったので、王様はお妃様をペロリと食べてしまいました。
王様とお妃様の間にはお姫様がいましたが、
それはそれはたいそうお妃様に似て美しいお方でしたので、
王様は言いました。
「ああ、何て君は美しいのだろう。食べてしまいたいくらいだ」
「どうぞ王様お食べください」
お姫様が言ったので、王様はお姫様をペロリと食べてしまいました。
王様には、とても優秀な大臣がいました。
そこで王様は言いました。
「ああ、君は何て優秀なんだ。食べてしまいたいくらいだ」
「どうぞ王様お食べください」
大臣が言ったので、王様は大臣をペロリと食べてしまいました。
そうしてまた一人、また一人と王様はペロリと食べていきます。
とうとう、王様の国には誰もいなくなってしまいました。
そんなある日、ロバを連れた小さな可愛らしい少年がやってきました。
王様は言いました。
「ああ、君は何て小さくて可愛らしいんだ。食べてしまいたいくらいだ」
少年は笑って答えました。
「狂ってる」
めでたしめでたし
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思いつくままに書いた産物でした。
読んでくれてありがとう!