技
そうこうしているうちに、けものはフォルスの生成を終えたようだ。
ではけもの殿、日の出前のお食事は止めていただきますよ。その果実は現世界の人々の為に夜禅部隊がいただきます。
大丈夫、呼吸は整っている。
それでは、見せましょ魅せましょ、我らが演舞。
「演舞――炎之舞」先陣を切るのは一番隊長だ。
「演舞――風之舞」次に三番。
「演舞――水之舞」次に四番。
「演舞――雷之舞」次に七番。
「演舞――土之舞」そして最後にぼくだ。
土の次は炎、炎の次は風と、本来ひとりでは成すことさえ難しい五属の循環だが、五人で簡単且つ過負荷無く舞えるとなれば長期戦も余裕というもの。
そこでぼくは、この五人で舞うのは初めてではないような感覚を味わっていた。互いの呼吸を把握し、次の舞へ移る時間が皆同じ。そうとなれば、使える。いまなら五属舞を技へと発展させられる。
『演舞――五属舞、五伝五光』
現世界の誰かを守るために、誰かを犠牲にしないために、と、ぼくたちは舞い踊った。
夜禅という仕事では英雄になれない、そして英雄になる必要はない。ぼくたちの仕事は、自己犠牲で生きていくような、退屈で、暗くて、愛のない仕事だ。
夜禅という仕事に愛されているぼくたちは、現世界の諸人の為に生きている。生きて生きて、何としてでも現世界の復興を目指さなければならない。絶対に達成しなくてはならない。
――それが一族の誇りだから。
こうして五属舞の奥義はけものの動きを完封した。
そして、日の出だ。
けものは煙のように消えて、下級から上級までの理想郷生物は活動を再開する。
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