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異動ガチャ  作者: 泉北亭南風
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14 喫茶ガジュマル

 私の日々のルーティンの立ち寄り先に、「喫茶ガジュマル」という小さな喫茶店がある。大通りに面してはいるが入口が狭く、理髪店とルームシェアしているものだから余計にわかりにくい。


 50代半ばのマスターが脱サラして始め15年くらい経つという。席数はカウンターのみで8席ほど。地元の人たちが入れ替わり立ち替わりやってきて、コーヒーを飲んで帰っていく。マスターもどちらかといえば不器用な人のようで、営業スマイルをすることもなければ押しつけがましさも全くない。客ともボソボソっと会話をする程度である。


 狭い空間だが、妙に落ち着く不思議な空気感がある。私はカウンターのお店は苦手だったが、何故だかこのお店にはどっぷりとはまってしまった。


 何度目かの訪問の際、マスターと2人きりになった。働き盛りの男が日中ぶらっとやってきて、お昼を食べて何時間も居座っている・・・マスターも訳ありと思っていたようで、自然と私の現状を伝えることになった。


 「高槻さん。別に慌てなくてもいいんじゃないですか?人生なるようになるもんですよ。私とて会社勤めだったところ、周囲の反対を押し切ってこの小さなカフェを開きました。万が一うまくいかなかった時は長距離トラックにでも乗ろうと、大型自動車免許を取得したりもしました。今とて儲かってるわけではないですけど、楽しく仕事をしています。別にやりたくもない仕事はやらなくてもいいんじゃないですか?」


 マスターはそう私に語りかけてくれた。


 私は一体何にこだわっているのだろう?


 世間体?


 経済的なこと?


 それをきっかけに、訪問する度にマスターといろいろ深い話をした。この小さな喫茶店・・・マスターとの出会いが、その後の私の行く道にさりげなく関与してくる。

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