表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
65/75

横から失礼

 本部に入って、ソラは一度オーガに襲われた。

 それを難なく退けるも、短剣だと生命力を削りきるのに少々時間がかかってしまった。


「攻撃力が高い長剣あたりをメイン武器にしておくべきだったかな……」


 ソラは軽くため息を吐いた。

 ないものねだりをしても仕方がない。

 今は一分一秒を争う事態だ。


 戦闘は時間がかかるのでなるべく控えたい。

 とはいえ、放置すれば人的被害を抑えられないのが頭痛の種だ。


「出来るだけ火力を上げるか」


 ステータスポイントがない今、火力を上げるにはアビリティを付け替える他ない。

 ソラはステータスボードを取り出した。


名前:天水 ソラ

Lv:55 ランク:C→B

SP:0 職業:シャドウルーラー

STR:120→142 VIT:120

AGI:124→146 MAG:0 SEN:105

アビリティ:【上級二刀流術】【弱点看破】【危機察知】【弱体攻撃】【一撃必殺】【STR強化】【AGI強化】+

スキル:【完全ドロップ】【限界突破】【インベントリ】【隠密】【気配察知】【生命吸収】

装備(効果):ベガルタ、ライフブレイカー、獣皇の胸当て(火炎耐性)、亡者のローブ、蟻甲の小手、オークキングの戦闘靴(加速補正)、疾風の腕輪(AGI+30)、湖水のネックレス(VIT+30)、鬼蜘蛛の憤怒(STR+30)、骸骨兵のイヤーカフ(SEN+30)



「おっ、ランクが上がった」


 ソラのランクが、先ほどの戦闘で上がったようだ。

 このままレベルを上げれば、SPも増えて基礎ステータスを上げられる。


【成長加速】を入れたい。

 だがレベリングしている時間がない。

 ソラは【成長加速】を諦めて、別のアビリティを装着した。


「強化系アビリティの効果がすごいな」


 ステータスが100を超えたため、強化系アビリティで増加するステータスが大幅に上昇した。

 最初に想像した通り、20%アップはかなりのものだ。


 一通りチェックを終えて、ソラは【気配察知】を最大にする。

 魔物の位置、人間の位置が手に取るように把握出来る。


 ほとんどの者が様々な場所に身を隠している。

 中にはオーガに立ち向かっている者が数名いるが、それは討伐というより足止めに近い戦い方だった。


 その他には約一名、恐るべき速度でオーガを討伐している者がいた。

 それは以前、ここを訪れた時にも感じた、強い気配の一人だ。


 彼(あるいは彼女)ならば、一人でも問題なくオーガを倒せるだろう。恐ろしく力強いマナの奔流を感じた。


「あっちは、放っておいても大丈夫だな。隠れてる人も、すぐには見付からなさそうだ。となると、まずは戦ってる方をアシストするか」


 ソラは急ぎ、戦闘中の気配の下へと向かった。



          ○



「なんで冒険者協会で、オーガになんて出くわすんだよッ!!」

「ここは安全じゃないのか!?」

「知らないわよ!」

「頼む、バフくれ!!」


 冒険者協会の中で、突如〝漆黒の牙〟はオーガに襲われた。

 即座に反応したが、相手はBランク上位の魔物だ。簡単に倒せる相手ではない。

 また、準備が万全ではないことが祟り、防戦一方に追い込まれてしまった。


「くそっ、こんな奴、ダンジョンの中ならなんてことねぇのによ!」

「文句言ってないでちゃんと抑え込んでよ。魔法当たらないじゃない!」

「わかってるっての! こいつ、力が強すぎて簡単に抑えこめねぇんだっての!」


 普段なら硬い鎧を使って抑え込むのだが、いまはその鎧がない。

 防具を着けていないことで、盾士(マイラー)の戦い方がかなり制限されてしまっている。


 漆黒の牙は、ほとんどのメンバーがBランクということもあり、戦闘にはかなりの自信があった。

 それを、オーガに打ち砕かれつつあった。


「う、後ろから何か来る!」

「嘘だろ!?」

「対応してくれ!」

「無理だっての。オーガで手一杯だっての!」


 盾士が悲鳴を上げた。

 これは非常にまずい。

 リーダーは全体を把握しながら、どう優先順位を付けるか逡巡した。


 目の前のオーガに全力を注がないと、アッという間に崩れてしまう。

 かといって後ろからの気配を放置出来ない。


(どうする!?)


 リーダーが、判断を迷った。

 その時、


「あっ、やべ――」


 盾士が力任せに殴り飛ばされた。

 陣形が崩れ、パーティの急所が露わになる。


 ――全滅。

 リーダーの脳裡に、その二文字が浮かんだ。


(これは、死んだな……)


 諦めかけた、その刹那。


「横から失礼。助力します」


 突如黒い塊が戦場に飛び込んだ。

 その黒い塊が、短めの赤い剣を一振りした。


「外れか」


 黒い外套を身に纏った男が、そう小さく呟いた。


 外れ?

 言葉の意味が分からず、首を傾げた。次の瞬間だった。


 コトリ。

 オーガの首が落下した。


 オーガの首から血が噴き上がる。

 むっとする程の臭気が一瞬にして廊下に充満した。


「「「――ッ!?」」」


 その光景に、メンバー一同が息を飲んだ。


(いったいいつの間に?)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新作「『√悪役貴族 処刑回避から始まる覇王道』 を宜しくお願いいたします!
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ