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久しぶりの再会

名前:天水 ソラ

Lv:55(MAX) ランク:C

SP:0 職業:シャドウルーラー

STR:120 VIT:120

AGI:124 MAG:0 SEN:105

アビリティ:【成長加速】【上級二刀流術】【弱点看破】【危機察知】【弱体攻撃】+

スキル:【完全ドロップ】【限界突破】【インベントリ】【隠密】【気配察知】【生命吸収(ライフスティール)

装備(効果):ベガルタ、ライフブレイカー、獣皇の胸当て(火炎耐性)、亡者のローブ、蟻甲の小手、オークキングの戦闘靴(加速補正)、疾風の腕輪(AGI+30)、湖水のネックレス(VIT+30)、鬼蜘蛛の憤怒(STR+30)、骸骨兵のイヤーカフ(SEN+30)



 上級覚醒の宝玉を使ったあと、ソラは上位職業だろうシャドウルーラーに転職した。

 これにより、(現在は装着していないが)【毒無効】や【麻痺無効】などのアビリティが増えた。


 中でも有用なものは、【弱体攻撃】だ。

 攻撃すると低確率で、攻撃した対象にデバフを与えるものである。


 このアビリティが出てから試しに使い続けてみたが、【弱体攻撃】では毒や麻痺などのデバフが発動するようだ。

 発動する確率は20パーセント前後と、そこそこの確率だ。


 これが発動すると、相手がボスですら一気に片が付けられる。


【弱体攻撃】と同じく、有用なスキルが出現した。

【生命吸収】だ。

 攻撃する度に少しずつ相手の体力を吸収し、徐々に体力と怪我が回復する。


 ソロ活動が中心のソラにとって、回復は頭の痛い問題だった。

 勿論、回復薬は常備している。だが薬は飲むか傷にかけるかしなければ効果がない。


 戦闘中に、薬で回復する時間的余裕はない。

 せめてもの思いで、戦闘後にしばし【自動回復】をセットするくらいなものだった。


【生命吸収】は、『即座に回復出来ない』というソラ唯一の隙を埋めるスキルだった。


 体力も回復するので、疲れ知らずで戦い続けられる。

 ソラが二週間戦い続けられたのも、このスキルのおかげだ。


「とはいえ、精神的な疲労は回復してくれないんだよな、これ」


 体を動かし続けるためには、体力だけではなく、心の健康も大切なのだ。

 さておき、次はソラのランクアップだ。


「んー。先にランクアップするのが普通なんだろうけど……。カードがまだDランクのままなんだよな……」



 ここまでドロップした武具や魔石を、小刻みに売却してきたおかげで、ソラの預金は8桁に迫っていた。


 以前のように、金欠で鑑定が出来ないわけではない。

 1ヶ月の間にFランクからCランクまで成長した冒険者を、協会がどう思うかが不安要素だ。


「んー。でもBランクのダンジョンに、Dのカードを持った冒険者が入るのも、不自然といっちゃ不自然か」


 買取店に持ち込む武具も、Dランクの冒険者に見合わないものになる。

 現状、Cランクの武具を何度も持ち込んでいるが、いつかはおかしいと思われるだろう。

 実際、いくつかの買取店の店員に、顔を覚えられている節がある。


「どっちに目を付けられるのが良いか、だよな」


 しばし考えたソラは、翌日冒険者協会に足を運ぶことにしたのだった。





          ○





 冒険者協会の本部に着いたソラは、早速ランク測定を行うカウンターに向かった。

 その時、ふと見覚えのある冒険者が、こちらに気付いて手を上げた。


「天水さんじゃないですか! お久しぶりです、俺のこと、覚えてますか?」

「ええと、稔田さんでしたっけ」

「そうです。名前を覚えていてくれて嬉しいです」


 稔田が満面の笑みを浮かべた。


(稔田さんって、こんな口調だったか?)


 以前の彼と比較するが、似ても似つかない。

 それは、おそらく彼が、冒険者でなくなったからだ。


「冒険者、辞めたんですか?」

「はい。一度に沢山仲間を失ってしまいましたから……」


 冒険者は、虚勢を張らなければ舐められる。

 舐められれば、誰の目も届かない――たとえばダンジョンの奥深くで、後ろから襲いかかられる可能性がある。


 だから、冒険者は虚勢を張る。

『攻撃したら、そっちもただじゃすまないぞ』と武力を誇示するのだ。


 その必要がなくなったからこそ、彼は素の状態で接してくれているのだ。

 それに、この口調は今の職業のせいもあるだろう。


「冒険者協会の職員になられたんですね」

「はい! 幸い、強いコネがありまして」

「それは良かったですね」


 彼は冒険者協会の制服を身に纏っていた。

 彼の方が年上に見えるが、ここまで態度が丁寧なのは、職員としてソラに接しているからだ。


 冒険者協会には、冒険者をまとめ上げる組織としての面と、サービス業としての面が存在する。

 彼はどうやら、そのサービス業に属する部門の担当のようだ。


「そういえば、天水さんは本日どのようなご用件で?」

「ランクの測定に来ました」

「ああ、それなら俺の担当部署でもあるので、ご案内しますね!」


 案内されずとも、一人で行ける。

 そうは思ったが、稔田の笑顔を見ると断れない。

 まるで、旅行から帰ってきた飼い主を見た時の、大型犬のような喜びようである。


「天水さん、最近どうですか」

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