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レベルを上げたい

 ベガルタを倒した直後、ソラは黒い煙に呑み込まれた。

 その煙は、ソラの胸の中に吸い込まれた。

 これによりSPだけでなく使用権も移ったのだとすれば、この短剣が装備出来るのも納得だ。


 獣皇の胸当ても、嬉しい装備と性能だ。

 これでやっと、Eランクから装備し続けている胸当てが更新出来る。


 最後に、上級覚醒の宝玉だ。


「なるほど、強い職業に転職する場合は、それ用の宝玉が必要なのか」


 以前、ソラはレベルが上がってから再び宝玉を使おうと決めていた。

 ステータスが上がったら、上位職業に就けるのではないかと思ったからだ。


 だが、それは半分正解で、半分間違いだった。

 レベルが上がれば上級職に就ける。だが、上級職に転職するためには、それ専用のアイテムが必要だったのだ。


「危うく、普通の宝玉を使うところだった」


 もし覚醒の宝玉を使って職業が変わらなければ、上位職への転職を諦めていたに違いない。

 そんな上位職への転職アイテムが、いま手に入ったのは僥倖である。

 すぐに使用したいが、まずはレベル制限をクリアしなければならない。


「装備もある程度整ったし、ダンジョンに行ってレベルを上げるか」


 いったいどのような職業に就くのか、いまから楽しみだ。


 アイテムの確認を終えると、ソラは装備の精錬を行なった。

 今回手に入れたアイテムと、その他のアイテムを強化する。


名称:ベガルタ ランク:LR

攻撃力:100→140  精錬度:―→4

装備条件:AGI+80→120 ベガルタ


名称:獣皇の胸当て ランク:SR

防御力:50→75  精錬度:―→5

装備条件:VIT+60→100


名称:ライフブレイカー ランク:R

攻撃力:+60→98 精錬度:1→6

装備条件:AGI+60→110


 上昇した装備条件に合わせて、ソラはステータスを割り振った。

 ついでに、変更していたアビリティもレベリング用に付け直す。

 これで、準備は万端。

 明日から、レベリング再開だ。



名前:天水 ソラ

Lv:44 ランク:C

SP:65→0 職業:上級アサシン

STR:85→100 VIT:80→100

AGI:105→120 MAG:0 SEN:79→94

アビリティ:【成長加速】【上級二刀流術】【弱点看破】【危機察知】+

スキル:【完全ドロップ】【限界突破】【インベントリ】【隠密】【気配察知】

装備(効果):ベガルタ、ライフブレイカー、獣皇の胸当て(火炎耐性)、亡者のローブ、ゴブリンキングの小手、漆黒のブーツ、疾風の腕輪(AGI+30)、湖水のネックレス(VIT+30)、鬼蜘蛛の憤怒(STR+30)、骸骨兵のイヤーカフ(SEN+30)




          ○



「うわっ」


 Cランクのダンジョンで魔物を斬り倒したソラが、驚きの声を上げた。

 相手は硬い甲殻を持つ、エリートアントだ。

 以前に攻略した、Dランクのアリよりも二回りほど大きい。


 エリートアントの甲殻は、並の武器では切り裂けないほど硬いと言われている。

 その甲殻を、ベガルタはいとも容易く切り裂いてしまった。


「まったく力を入れてなかったのに……。ああ、ビックリした」


 ソラはベガルタを畏敬の眼差しで眺める。


 ベガルタは、獣皇が持っていたものと同じ赤黒い小剣だった。

 剣身は幅広で、短めのブロードソードのようだ。

 ただし先端に反りがある。ここ切っ先三寸が、とにかくよく斬れる。

 迂闊に人体に向けてはいけないと思えるほどだ。


 斬れ味の良さは、ベガルタだけではない。

 ライフブレイカーもまた、斬れ味が向上して、並の魔物では刃を止めることさえ出来なくなっていた。


 無論、これらの性能は、ソラの身体能力あってのものだ。


「ステータスがかなり上がったから、ずいぶん余裕があるな」


 Cランクの魔物と対峙しても、まるで脅威を感じない。

 それは現在のステータスが、Cランクを遙かに上回っているためである。


 様々な補正を受けた現在のステータスの合計は414P。レベル1あたり、ステータスは5P上昇する。(端数の4Pは、レベル1時点のステータスだ)

 これを加味して計算すると、現在のソラの状態はレベル83と同等となる。

 対して、レベル44の補正なしのステータスの合計が219Pである。


 素の状態のレベル44と比較すると、39レベル分――ステータスにしてなんと195Pも上乗せされている計算だ。


 Cランクの魔物が相手でも、脅威を感じないのも頷ける。


「やっぱり、ベガルタはCじゃなくてBランクくらいだったか」


 ベガルタには、それ程の威圧感があった。

 あれを経験すると、Cランクでは少し物足りなく感じてしまう。

 それはソラにとっての安全ラインが、少し後退したからか。


「気をつけないと、うっかり死線に踏み込みそうだ」


 そうならないよう、自分の状態を自覚して、意識的にブレーキをかける。

 まだ先にいける。先の景色を見たい。

 逸る気持ちを抑えて、ソラはレベリングに徹するのだった。

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