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こんなにかわいい女子高生なのに、どうして魔王って呼ばれるの?  作者: 牛一/冬星明
第1章『大魔人、現る』
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1.異世界と言えば、レベルアップだよね。

ビバァ、異世界だ。


おぉ、この空に訳の判らない岩が浮いている。

ファンタジーだ!

恐竜ぽぃ生き物も飛んでいる。


『ファイヤーボール』

『ウォーターカッター』

『サンダーボルト』


……………………!

やっぱり、出ないか。


“忍様は何がしたいのでしょうか?”


魔法が使えればと思ったんだけど駄目みたいね!


“人工精霊が使える魔法は『転移』と『モデリング』のみです”


知っている。

でも、魔法の世界に来たんだから、ある日突然に魔法の才能に目覚めて凄い魔法が使えるかもって思わない。


“思いません”


この薄情ものめ!


「えい、『メニュー』オープンなんちゃって!」


わぁ、でちゃった。


名前:佐々木 忍

身長175cm、体重51kg、B80・ W50・ H80

種族:人種

職業:町娘

レベル:1

HP:30

MP:10

SP:10

体力:3

魔力:1

精神力:1

筋力:4

敏捷力:2

耐久力:2

知力:30

魅力:30

幸運:10

経験値:0

貢献値:0

罪科:0

称号:迷い人、精霊士


ぎゃああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!


見ちゃ駄目!

個人情報がダダ漏れじゃない。

何よ、これ!


“忍様、慌てないで下さい”


あっ、1kgも太っている。

クレープ食べ過ぎたのか?

運動しよう。


“忍様、忍様、落ち着いて下さい”


AIちゃん、大変よ。

大変、1kgも太っているの!


“忍様、落ち着いて下さい”


もう、それ所じゃない!

1kgも太っちゃったのよ。

どうしてこんなことに…………!


名前:佐々木 忍

体重51→50kg。


減った!?

AIちゃん、何したの?


“脂肪のみをモデリングを集めて体外が放出しました”


なんと!

AIちゃん、グッジョブ。


“どういたしまして”


一時はどうなるかと思ったわ。

メニューを開示される度に個人情報が見られるのは拙いわね。


“それは問題ありません。メニューは表示・非表示の選択ができ、他者の開示する場合は最低限の情報しか開示されません”


妙に詳しいのね?


メニューを開示したレベル神の精霊と意思の疎通を図ってみました。

精霊同士でそういうこともできるのか。


便利だな!


レベル神とか会えないの?


“現在の所は不可能です。下級精霊は自意識が存在しないので、言われたこと以上の仕事はできません。現在の所、レベル神と連絡を取る手段は存在しません。レベルに関しての情報を入手しましたから開示しましょうか”


長そうだから遠慮する。


必要に応じて開示して頂戴。


“了解しました”


それにしても“迷い人”って何?


転移者とか、異邦人にできないの。

“使用で変更不可能みたいです。転移者は転移陣を潜り、オーラロードを通った者に付けられる名称だそうです”


オーラロード来た!


妖精界や妖精王がでてくるのね。


“妖精と妖精王は存在するそうですが、妖精界はないそうです”


糞ぉ、ニアピンか!


“忍様、不審な物が近づいています”


不審者?


“いいえ、敵対物、魔物へと変更します”


振り向くと、角あり兎、ホーンラビットが襲ってきた。


その動きは草原の端にいたと思うと、すでに目の前まで近づいている。


ヤバぁ!


転移!?


反射の魔法でホーンラビットが私から遠ざかった。


そうだ!


転移魔法の応用で1mに結界と言える転移陣が用意しており、近づく敵を180度逆方向に転移してくれる。


ふふふ、形勢逆転!


ホーンラビットの攻撃は届かないが私の攻撃は届く。


『出でよ! 大金槌』


私の手に大きな金棒が現れる…………ぎゃあああああああぁ!


余りの重さに持ってゆかれ、私は大金槌と一緒に地面に叩き落とされた。


“忍様、現在の体で300kgを超える大金槌を持つのは不可能と思います”


イダァ、イダダダダダァ、腰が、腰が抜けた。


痛いよって、なくなくなった。


“腰の破損部分をモデリングで補修し、痛みの物質を体外が放出しました”


ちょっと楽になったよ。

そういうことは先に言ってよ。

まだ、ちょっと痛い気がする。


だが、私は負けない。


大金槌が駄目ならマグナムがあるさ!


射撃は十分に練習した。


モデリングで作ったダーティハリーも愛用したマグナム『S&W M29』擬きの威力を見るがいい。


両手で構えてホーンラビットを捉える。


ズキュ~~~~ン!


ぎゃあぁぁぁぁ、肩、肩が抜けた。


“肩の骨に異常なし、筋肉繊維の一部に破損確認します”


恐るべし、マグナム!


撃った私も吹き飛ばれた。


これは駄目だ。


片手撃ちも得意だったのに、この体は脆すぎるよ。


“片手撃ちを実行して場合、骨に亀裂破損の確率が80%を超えます”


とりあえず、仕舞っておこう。


マグナムも駄目だ。


ホーンラビット撃退で経験値2が入った。


“忍様、先ほどの銃声でホーンラビットの群れが接近しております”


刀は駄目だ!


結界の距離を短くすると、何となく私の身が持たない。


飛び散る流血とか、私の趣味じゃないのよ。


槍も駄目だ!


私に槍の技術はない。


どうやっても当たらなかった。


手榴弾も駄目だ。


投げた瞬間に逃げられる。


けけけけけ、ホーンラビットに笑われている気がする。


糞ぉ、下等生物の癖に私を怒らせたな!


『出でよ、大魔人』


ドカンと全長20mの巨大なフィギアが現れる。


ロボットじゃないから動ないよ。


迫力だけで敵を威圧する。


これぞ!


戦国時代で培った『空虚の計』だ。


“ただ、はったり、見かけ倒しともいいます”


そんなことは説明しなくていいのよ。


“忍様、避難してもよろしいでしょうか?”


どうし……………ヤバぃ!


ぐらぁ!?


どどどっどぉぉぉぉぉぉ、ズド~~~~ン!


咄嗟に転移で避難した。


足元が緩かったので倒れてきた。


あっ、経験値が6も入っている。


どうやら逃げ遅れた3匹が下敷きになって死んだみたいだ…………あっ、これだ!


『行け、大魔神転移』


倒れたままの大魔神をホーンラビットの上に転移する。


逃げ戸惑うホーンラビットが蟻のようだ。


わははははぁぁぁ、どうだ、参ったか!


レベルが『3』に上がった。


経験値10で『1』から『2』に上がり、経験値40(50)で『2』から『3』に上がたのか?


何となく法則が判ってきたぞ。


ズド~~~~ン!


“忍様、そろそろ大魔神の強度限界が超えます”


ぐらっと来て、ごろんと大魔人の首と腕が捥げた。


あぁ、ごめんよ。


大魔神、君の犠牲は無駄にはしない。


まぁ、修理しますけどね!


しかも金メッキを施して、黄金の大魔人様にグレードアップ!


ちゃんと土台を作って、ここに飾っておきましょう。


『この草原は大魔人様が頂いた』


ははは、私の領地だ。


AIちゃん、鉄鋼は何キロくらい残っている?


異空間に収納した鉄鋼石は2億トンほどあります。


よっしゃ~!


モデリングでじゃんじゃん武器を作るぞ。


巨大な鋼鉄ブロック、大鉈、串刺し用の杭、まとめて魔物を退治してやるぞ。


ははは、町娘でカンスト目指してやる。


もちろん、この学校が終わってからの放課後の乱取りが様々な事件を起こしているなんて考えもしなかった。


今日もがんばるぞ!



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