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消滅の魔女と四英傑 〜天才少女、異世界へ降り立つ〜  作者: ディノ
一章 学園内部抗争
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ニーナ・アインズVS狂鬼

生徒会室は沈黙に沈んでいた。

その理由はリュンに続いてギィナまで敗れたからだ。


「おい、・・・なんか面白い事言ってみろよ」


ゲイズが怒りを押し殺してるのは見て取れた。


「そんなことでいいんですか?私を苦しめたいのでしょう?自慢の配下も残り一人です」

「あぁ、終わったな。俺はコレだけはしたくなかったんだ。奴には魔力増幅剤(ブースター)の原液を渡してるからな」

「まさか!!禁薬『魔力増幅剤(ブースター)』の事ですか!!」

「ああ、今までのは原液の百倍薄められてたからな。原液がどれほどヤバいか・・・分かるよな。ここにいる奴全員死ぬぜ!!アハハハハハハハ」


そのゲイズの笑いには最早狂気じみていた。




クリスは食堂で誰もいない事をいい事に摘み食いをしていた。


「やっぱり、食事はジャンクフードが最強よね」


クリスは食堂の食材でハンバーガーを作って食べていた。


「こんな所で油売ってていいんですか?」


クリスの隣からニーナが声をかけて来る。


「本当にアンタは神出鬼没ね」

「いつも隣にいますけど」

「アンタは私の守護霊か何かなの?」

「アレ?言ってませんでした?幻獣種は仕えるべき主人の為に一生を迎えると」

「聞いてないんだけど」


クリスは初耳だとニーナに話す。


「なかなか、現れないので苦労しました。普通なら生まれてすぐに巡り会う運命にあるらしいのですが」

「それが私ってこと?」

「そうです。私の御主人です。私には昔からの夢があるんです」

「言ってみなさい」

「はい、私は御主人に首輪を着けられ様々な辱めを受けるんです。あんなことやこんなこと数々の陵辱の限りを尽くされるんです」


クリスは冷ややかな視線をニーナに向ける。


「それは残念ね。そんな事は一生ないわ」

「そんなー」


ニーナは耳を垂れ下げガッカリする。




「フシューフシュー」


クリス達の視界に目をかなり血走らせてる鬼人がいた。

その鬼人の目は焦点が合ってなく、口からは涎を垂れ流し、口から湯気を出しているようだった。


「!!」


クリスと視線が合うとそと鬼人は、クリス達に向かって来る。

その瞬間、クリスは脱兎の如く逃げ出した。


「な、何なのよアレは!!あんなヤバいヤク中がいる

なんて聞いてないわよ」


その鬼人は執念深く追って来る。


「見てるんでしょ。ニーナ!!こいつを何とかしなさい」

「報酬は亀甲縛りでどうでしょう」

「縛りはするけど後は放置するわよ」

「放置プレイ!!でしたら玄関でやって下さい。それが一番興奮します!!」


クリスはまさか、ニーナがここまでの変態だとは知らずうんざりしていた。

ニーナは他の者には認識されない為、全裸で校舎を徘徊する時があるらしく、それを何度も繰り返した結果こうなったらしい。


「そういえば、アンタってかなり高度な幻魔法が扱えるって話しよね。それで姿を映さないの?」


クリスがニーナにそういうとニーナはその手があったかと手を打つ。


「つまり、幻で私の痴態を玄関で見せつけろと」

「洒落にならないからやめなさい!!」


クリスはまさか変態の相手がここまで疲れるとは思わなかった。

これならまだ、ライチェスとアシュナの方がまだ楽だった気がしていた。


「冗談に決まってるじゃないですか」

「悪いけどアンタが言うと冗談に聞こえないわ」

「・・・本当ですよ」

「今の間は何よ!!」


クリスはどう見ても本気としか思えなかった。


「とりあえず、今はアレを何とかして」

「約束守って下さいね」


ニーナは顔を赤く染めて言う。


「考えておくわ」


クリスはとりあえずそう答えておいた。




ニーナは幻術で鬼人からクリスの姿を消してクリスを逃す。


「まったく、ここまで近付いても気付かないなんて」


ニーナは鬼人にかなり接近しているが鬼人はまったく気付かない。


「やっぱり、反応がないのはつまらないですね。マグロだと興奮しないという理由が分かる気がします」


ニーナは鬼人と距離を取り両手には鬼人の首に絡めた糸が握られていた。

それを引くと鬼人の首が締まり、その場に倒れ動きが止まる。

彼女にとってそれは作業でしかなかった、それだけの作業に一分もかからなかった。


「つまらないです。もっと、快楽に溺れるような殺しをしてみたいものです」


幻獣種は太古の昔から幼い頃より暗殺術を教えられる。

それは他の誰よりも暗殺の術に長けるからだ。

主君に忠実な暗殺者として育てあげられるのだ。




「あ、ああ!!クジャァアア!!」


ゲイズはニーナに瞬殺された鬼人の名を叫ぶ。

ゲイズはクジャに何が起きたのか分からなかった。

見たときには首が落ちてたのだ。


『まさか、今のが特別生でいるかいないか分からないとされてる幻獣種、ニーナ・アインズの力!!』


エリックはそうとしか思えなかった。

恐らく、特別生の中で最強は彼女なのではないかとさえ思っている。


『守護者である嵐龍と守護獣である幻獣、断魔銃の使い手と『剣帝』そして、それを取り巻く『消滅の魔女』今年は本当に化物揃いですね』

『消滅の魔女』とはクリス・スロットのことでクリスが捕まえたゴロツキや盗賊達が呼んでるクリスの通り名である。

『消滅の魔女』は裏社会では既に恐れられてる通り名である。


「なあ、こりゃあどうなってんだ?」


ゲイズは涙を流しながらエリックに説明を求める。


「どうなってんだって言ってんだ!!」


ゲイズは突然怒りだす。

泣いたり怒ったり笑ったりと感情が安定していない。

エリックに使っている『影縫人形(シャドウドール)』を維持する為、何回か『魔力増幅剤(ブースター)』を使ったことにより精神が壊れて来ていた。


「なあ、教えてくれよ」


ゲイズの顔がニタァとしている。

既にゲイズの目は焦点が合ってない時がある。


「アイツらは一体何だ・・・」


ゲイズは敵に回してはいけない相手を相手にしているようだった。


「やっと着いたわ。ヤッホー生きてるー?」


ゲイズが振り返るとそこにはクリスが立っていた。


「う、動くなぁあ!!」


ゲイズはエリックを人質に使おうとする。

しかし、相手はクリスそのような状況で動きを止めるような事はなかった。


「動くなって言ってんだ!!」

「あら、顔では笑いながら、涙を流して声は怒ってるなんて随分と器用なことが出来るわね」


クリスはゲイズの今の表情を写真が撮れるなら本人に見せてやりたかった。


「借り一つよ。絶対に返しなさいよ」


クリスはエリックを縛っていた『影縫人形(シャドウドール)』を消滅させる。


「なぁ!!」

ゲイズはエリックをこんなアッサリと解放されると思っていなかった。


「あ、ありがとうございます」


一般生徒からお金を巻き上がていたクリスにお礼を言うのは複雑な気持ちだった。


「・・・くも、よくも、よくも、俺の仲間を・・・おおお・・・お前だけはお前らだけは・・・」


ゲイズはクリスに憎悪を込めた視線を向ける。


「あらら、こいつもさっきの奴みたいに目がイッてるわね。安心なさいすぐ楽にしてあげる」

「うがぁ!!」


クリスはゲイズの頭を触れるとゲイズはそのまま倒れる。


「さっきの奴よりは楽だったわ」

「さっきのってまさかクジャという鬼人ですか?えっ?アレって死んだんじゃ」

「辛うじて生きてるわよ。あらら、凄いわね。あの子の幻覚ってこういうのにも反映されるのね」


クリスはクジャが倒れてる映像を指さす。


「殺しても良かったんですけどね。それをやるとご褒美がなくなるので演出に全力を注ぎました」


ニーナは幻術で姿を現している。

エリックとゲイズが見ていたクジャがやられる映像は完全にニーナの幻術だった。


「確か認識すら出来ないって聞いてたはずだけど」


エリックはどうしてニーナを認識できるか分かってない。


「私の幻術で見えるようにしてるに過ぎません。本来なら必要はないのですが御主人が不便だからとちなみにこの姿は御主人の好みです」


ニーナは自身の身体を幼くした姿になっており、エリックは冷たい視線をクリスに向ける。


「誤解を招く事を言うのはやめなさい。私にそう言う趣味はないわ」

「それなら、御主人の好みってどんな方ですか?」

「そうねえ」


そう聞かれるとクリスの頭にガレス・クレストの顔が浮かんだ。

クリスは経済力のない子供より経済力のある大人の方が好きだった。


「知らないと思うけどガレスかなぁ」

「・・・それって、まさかガレス・クレスト?」

「知ってるの?」

「むしろ、知らない人はいませんよ。『財の神徒』ですよ」


クリスはニーナに対して何言ってんのこいつという顔をしている。


「いやいや、同性同名の人違いでしょ。そんな有名人がガードも付けずに一人で行商なんてする?」


クリスは同性同名の人違いだと結論付ける。


「私は実際に見た事ありませんが、確かにその通りですね」


ニーナも言われてみればと納得する。


「どういう方なんですか?」

「既婚者のオッサンね」

「まさか、そんな叔父様とドロドロな関係をしたいなんて!!」

「だから、誤解を招く事は言わないで!!」


クリスはニーナがこの手の話が好きだということを理解し、絶対にライチェスとアシュナには見せてはいけないとクリスは思った。

あの二人にはこの女の業はまだ早すぎる。


「いい、ライチェスとアシュナの前では今の話しは弁えなさいよ!!」

「それがいいんじゃないですか、汚れを知らない子供が大人になっていくのを手引きするのも大人の責任ですよ」

「アンタはただ楽しみたいだけでしょうが!!」

「アハッ、でもライチェスさんはいいですね。弄りがいがありそうです」

「やめておきなさい、冗談で吹っかけるにしても相手が悪いわ」

「彼女と戦うのも楽しそうではあるんですけどね。でも、一番はライチェスさんですかね。見たことあります?あの人の憂い顔かなりイケてますよ。アシュナさんが惚れるのも納得です」

「そんなにいいの?」

「幻術でもいいなら見せますが?」

「あんたそんなことで幻術使っていいの?」


クリスは才能の無駄遣いだと思っている。


「見たいんですか?見たくないんですか?」

「み、見たい」


クリスは結局折れた。

ライチェスの憂い顔は確かにイケてるとクリスは思った。

むしろ、誰だよと思ってしまったくらいである。

ライチェスの株が更に上がった。

ミュラーの株が下がった。



「さて、おふざけはこのくらいにして事の経緯を教えてもらおうかしら」


クリスはエリックにこの騒動が起きた経緯を聞き出す。

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