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[私、昂明紗里子っていいます。何者でもない『昂明』紗里子です]

 


  side 紗里子


  私、昂明こうめい紗里子さりこっていいます。

  何者でもない『昂明』紗里子です。



  皆さんご存知のように、私はパパの事がずっと好きでした。

  5歳の時に魔法少女となって以来、ずっと好きだったんです。

  初恋でした。

  というより、最初で最後の恋です。


  まずどうして好きになれたかと言うと、それはパパが私の本当の父親ではないと気付いていたからです。


  本当のお父さんとお母さんが、いつも私の心臓の中にいたから。私はそれを知っていたので。


  パパは、魔法少女の私を気味悪がる事なく、それまで通り普通に接してくれました。


  そこで私は予感したのです。


  「ああ。私は将来この人と『けっこん』するなあ」


  って。


  だから私は、言い続けたんです。大きくなったらパパと結婚する! って。



  パパほど面倒見が良くて心の大きい人はいないと思います。と言っても、それは私限定であって欲しいのです。


  百が来た時は彼女に慣れるのに大変でした。今は友達だけど。

  パパが、私以外の女の子に優しくするのを見ていられなかったので。


  パパもその辺の事は分かってくれてたみたいでして、百とは一線を引いていましたし、結婚もせずに私を育ててくれました。


  「しなかったんじゃなくて出来なかったんだよ」


  なんて言ってた覚えがありますが、パパはカッコいいし頭がいいからモテると思うんです。だからパパが結婚しなかったのは私のせいなんです。


  パパは、そんな私の事を本当はどう思っていたんでしょう。


  面倒くさいと思っていたかな、実の子でもないのに何で俺が、なんて迷惑に思っていないかしら。

  私は不安でした。


  だけど、こうしてパパと一緒の『存在』になれてパパの気持ちも分かった今、迷惑に思われているどころか感謝されていると知ってとっても嬉しいんです。


  一途に想い続けていて良かった!! でも、出来れば『奥さん』として見てほしいんですけど、欲張り過ぎかしらね。


  さて、そろそろ人間界に『もうひと組のルナと私、それにパパ』が戻ります。私達はその『もうひと組の私達』を天上から見守らなければなりません。


  きっと彼ら彼女らには素敵な人生が待っている事でしょう。

  なんたって、『自分達で自分達を護ってる』んだから!!


  こうして私が皆さんに話しかけている事もパパやルナにもお見通しです。


  ちょっと恥ずかしいかな。


  私は昂明紗里子です。

  何者でもない、『神』である前に『昂明』紗里子です。パパから貰った苗字を大事にしていたいのです。


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