その参 強制指令離脱不可
申し遅れましたが初めまして、啓至といいます
お読み頂きましてありがとうございます。もう焦ってテスト前なのにパソコンに向かってしまうこんなヘタレですいません(汗)
ちょっとぶっ飛んでるとか思うかもしれませんがちゃんと恋のお話なのデスヨっ!?
あのっ、なんていうか綺麗な感じじゃなくてすいません(?)ラブラブ要素の書き方とかわかんないんですけど、でも力の限り頑張りますので『捻くれ者に恋をした』を是非是非宜しくお願いします。
「それ、こっちに持ってきて」
「はい」
「コレはその下、それはあの左の所」
「はい」
「あと、これは向かいの方に」
「はい」
神楽さんの指示通り、もう茹だるくらいの資料は俺の手によって綺麗に整頓されていく
重い束は誰かの空しい思いが綴ったりとかしてあるのだが、そんなものこの部屋に必要なのか?と思いたくなって、俺はもう何度目か判らない「はい」という言葉をもらしていた
あの後の衝撃的(?)な出会い(??)の後、何故か俺は今こうして此処にいて
どうしてか神楽さんの手伝いをしている
のはなんでかというと、結局の所、怖くなって付いてきてしまったわけだけれど
「君、今暇でしょ」
なんてそんなこと言われたのは、手を差し出されて俺が立ち上がってから何分も、何秒も経ってない俺の臆病な心臓がやっと冷静に落ち着いてきかけたころだった
「・・・・・・・へ?」
何?何この展開は?というかその断定はなんですか?
俺のまぬけな返事も気にせずに、神楽さんの口はフルスピードで動く
「あの後ろにある次の行事予定の資料、僕の部屋まで運んで」
神楽さんの指差す方向をみればあら不思議
いつの間にあんな段ボール二箱分もありそうな衣装やら競技の取り決めの紙束があったのかしら?うふふ、あはは〜、どうしたんだろう、何かお花畑が見えるぞ――――――――――?
「何」
「あっいえ、あの、」
神楽さんの不機嫌そうな声でハッと我に帰ると、淀んだ眼で腕組みをされていた
咄嗟に両手を顔の前でブンブン振って誤摩化す
いかん、いかん、つい現実逃避したくて夢の世界の扉を開きかけてしまった
いけないいけない。平常心平常心。
断れ、断るんだ俺!何現実逃避してんの!?もう中間考査まで一週間無いんだよ!?初めのテストから転けてどうする!!あんな紙束持ってこの人の後ついて行ったら授業に間に合わなくなるどころか俺があの竹刀の餌食にされる!!どうか神様!俺に人生最大の勇気を下さい!!!
「あの、」
人生初、最初で最後の最大限の勇気で振り絞った声は何の躊躇もない溜息混じりの声にかき消された
「付いてきてくれればいいから、ほら行くよ」
そしてまた
「君、今暇でしょ」
とか言いながら俺に早く資料を持て、と言わんばかりの目線を叩き付ける
いやいやいやいや、なんですかその『君、今暇でしょ』って断定の仕方!無茶にもほどってもんがある。俺は時計の針を気にしながら言った
いや、本当は神楽さんを見て話すような余裕が無かったからなんだけど
「ちょっと待って下さい!もう授業始まる――――――――」
始まるんですけど
まで言い終わらないのは明白でして
「何か用でもあるの」
いいえ、ございません
そう、俺は神楽さんの(勝てるわけも無い)気迫に負けてこの糞重たい資料の山を抱え込んできたのだった
そう、校舎のいちばんはじっこにある俺も知らなかったこの校舎まで
「ぜぇ、はぁもう・・・・っいいでっすか・・・神楽せんぱ―――――――ぃ?」
と、俺が言い終わらないうちに神楽さんのむすっとした視線とぶつかった
えと?何、その顔、は――――――――
多少の息切れと鼓動で血圧は上昇、何かもうどうでもよくなる思考を堪えて、俺は神楽さんの方に向き直りながら声をかけた
「どうか、したんですか?」
「・・・・・・・」
聞いても答えてくれない神楽さんに俺は少し躊躇していた
何かまずいことでも言ってしまっただろうか?
それとも入れる場所を間違えた?ハッとしたおれは振り返って棚を見てみる
と、神楽さんの声が後方で響いた
「せんぱいって呼ぶのやめてくれる。嫌、それ」
あっけにとられる、のは多分俺の予想だにしなかった答えが帰ってきたから、だと思いたい
だってそんな答えが帰ってきたもんだから、咄嗟のことで口から言葉がもれてしまった
「どういうことですかそれ」
だって先輩でしょう?、まで言い切ってしまったのがいけなかった
いや、いけなかったというか最悪だ殺される
俺が咄嗟にすいませんと何度も謝ると殺気だっていた神楽さんは「もういいよ」といって深く腰掛けたソファにぐったりと横になってしまっていた
何かちょっと待って、今俺すげぇ嫌な奴みたいじゃん。どうしたんですか、何で今怒らないんですか!?逆に気になるんですけど!!
竹刀でも持ってくれれば謝りがいがあるものを、神楽さんはソファに横になったまま動かない。不意に小さな溜息が聞こえた。自分がいけないことをしてしまったからか、そんな動作でさえも気にかかってしょうがなかった
それどころかどうして俺はここにきたんだっけ?とかいう言葉まで頭の中に蠢きだしてきた
やばい、どうした俺しっかりしろ
なんて言い聞かせてたら、神楽さんは寝っ転がったまま一枚の紙切れをヒラリ、と出して顔の近くでヒラヒラさせる
「これ、持って行って授業でておいで。まだ間に合うから」
「え?」
わたされたのは『拝借致しました 東高等学校中央風紀委員会 神楽佑璃』とだけ書かれてある真っ白な紙切れ一枚だけだった
「え?これ・・・・」
「担任に見せればわかるよ」
「はぁ、」
「はやくいったほうがいいんじゃない?」
「え、あはい。ありがとうございました」
何がありがとうございましたなんだなんてことはこの際つっこまないでほしい。とゆうか寧ろ俺がそれ言われる立場の人間では?
俺がドアに手をかけたその時、思い出したように神楽さんの口が開いた
「あと、次からは神楽でいいから」
その先輩っていうのやめてくれる。って眼が言ってる神楽さんと視線がぶつかりもしない俺は焦って口から出る言葉が縺れる。どうしてこうも肝心な時にこんな簡単な言葉も出てこないのかが自分で意味がわからない。
「神楽・・・せんぱ、いじゃなくて」
えっと、なんて考えてる余裕が無かったので、俺はさっきの滅多刺しにされていた先輩方を思い出した。心の中では何度も呼んだのに、いざってときは出てこない
あぁそういえば
「神楽さん、でいいですか?」
「いいんじゃない」
少し驚いた、というかあんなドアが閉まる間際にあんな顔するなんて反則だ
不覚にも、俺はあんな変な人(っていうか超怖い超人)に一瞬ドキッとしてしまったじゃないか。どうしよう、俺頭変なんだ・・・・。帰りに病院に寄ろう、とか真剣に考えはじめる。
途端今のときめきを責める俺と、五月蝿い心音を止められない俺がぐちゃぐちゃになって余計に心臓の主張は止まらない。
熱くなった顔が見なくても火照ってるのが分かった
俺はそのとき初めて神楽さんが笑う所を見た