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その弐拾伍 理由意味後時間殻

 俺とはかけ離れたような 遠くの方で、

 目の前の人がその大きくて切れ目の両目を見開いていた


 遅い、


 と思ったときには、もう止められなかった

 いや、止まらなかったと言った方がいいのかもしれない

 今この瞬間を正確に伝えられる術を俺は知らなかったから、頭の中に出て来る言葉全てが未熟に思えて、上手く言い出せない


 固まったようなその人は、顔色も変えずに そのまま


 俺の声は届いたのかもわからずに

 誰も拾い上げてくれない言葉だけが床に落ちて、バラバラに汚い音を立てた

 


 今まで塞き止めていた何かが抜け落ちた



 一番を決めるのは、酷く簡単なことだった

 呼吸をするのより軽く、走るよりも速く それはとても簡単なことだった


 ただ、それは落ちる速さを感じているから――――――――


 未熟で弱い俺の心は、きっと落ちた衝撃に耐えられない

 高すぎる空には、天井が無い 

 在るのは『そら』だけ

 だから、自分の位置に気が付かない

 俺は高く飛び過ぎた

 大きな声でそう言える


「何、言い出すの 君は………」


 目の前のその人は、そう言って呆れたような声を出した

 まるで絶望感を味わったような顔をして、赤い光を受けていた

 その表情を見た瞬間に 心臓が凍り付いた

 長く続く影が、これが夢じゃないことを俺に教えてくれていた


 切な気に溜息をついた稜真の顔が、一瞬 頭の片隅にチラリと過った






 ***






 声を震わせないようにするのがやっとで、僕は上手く目の前のその人を見ることができなかった


 今までで、こんなに嬉しくて悲しかったことは きっと無い


 何を言い出すの?

 自分がなんて言ってるかわかってる?

 僕を好き?








 笑わせないでよ、久城 繭








 君は幻想でも抱いてるの?それとも何、僕に何か夢でも持ってるわけ?

 

 違うでしょ、 君は

 こんなんじゃない。こういうんじゃないじゃないか

 僕は好きだよ

 君がとても




 ―――――――でも違う




 違うよ、違う

 君はわかってない

 僕が今からどれくらい遠くへ行くか知ってるの?

 会えない時間なんて、考えられないくらいに長いんだよ

 声を聞けない時間のほうが何倍も 

 傍に居ない時間だってずっとずっと

 今じゃ考えられないくらい、きっと君を苦しめる


 僕だって苦しい


 そんなの嫌だ。考えられない

 でも君は、ここでまだあと何年も築いていけるものもある

 その時間を、僕が削っていいわけないじゃないか

 僕にそんな時間をかけるなんて、ただの馬鹿だよ

 大馬鹿だよ、君。そんな考えもなしに好きだとか言わないで

 



 僕の中掻き回さないで




 この君の告白が、嘘じゃないなんてこと考えればわかるよ

 わかるよそんなこと

 その眼を見れば 誰だって。

 でも、僕はそれを受けるわけにはいかないんだ


 僕が好きって言っちゃいけないんだ


 君のこれから続いて行く毎日を、僕がめちゃくちゃにしていいはずがないでしょ?

 それに、君は僕のこと好きな気持ちなんてほんの一瞬だよ


 今のはただ、雰囲気とかそういう類いのものに飲み込まれて出た言葉にしか過ぎないんじゃない?


 明日には変わってるかもしれない


 一週間後は?一ヶ月経ったら?一年後もニ年後も、君が今のままなんてことありえない



 人も、心も皆変わるよ



 だから、そんな期待持たせるような残酷なこと言わないで

 折角諦めがついたのに、今の僕が君に。


 さよなら言うって決めたのに


 だからもう忘れて

 僕のこと全部忘れて

 

 嫌な奴でいいんだ僕は

 君の中で、もう思い出すことの無い存在でいいんだ


 

「その、急にこんなこと言ってすいません、でも 俺――――――――」



 僕の目の前で、久城はただ顔も見れない僕に向かって優しく笑った


 いつもの顔で僕に笑ったくれた


 ほんとうは泣きそうなくせに、やせ我慢してへらへら笑った


 だから、僕も君に最後くらいはちゃんと向き合うよ

 君のこと好きだから


 久城の声を遮るように、僕は口を開いた


「気持ちは、嬉しい。すごく」

 本当にすごく嬉しい

「でも、僕は君に応えてあげられない」


 ごめんねって言った瞬間に、君はそれでも僕に向かって笑った


 どうして?って思うよりも早く、心臓がドクリ、と脈を打った

 息が 止まるかと思った

 堪えた涙が、込み上げそうになるのをなんとか抑える

 心の中はすぐにごめんねって文字で埋めつくされた


「………そうですよね、でも 最後に言っておきたくて」

 

 すいません、とあやまるのは本当は僕なのに

 君は綺麗に僕に笑った




 赤くなっていく部屋の中が、だんだんと光を失って逝く



 

 明後日の方、僕は何も考えられないままただ呆然と立ち尽くしていた

 声を出して泣きたいくせに、逃げたという自分からの事実が突き刺さる

 僕は逃げた、君から 逃げたんだ

 好きなら手を伸ばせばいいのに、そうしなかった

 そうしていたら、今君に無理して笑わせなくたって良かったのに

 君のことが誰より大切だから、君から逃げた

 僕の一番は君だから―――――――


 一番を決めるなんて、初めから決まってるから意味無いのに

 どうしてもって心が叫ぶ

 止まらないよりも、止められないんだ好き過ぎて

 僕の好きは歪んでるから、綺麗に好きでいられない


 だから君は、そのままでいて

 いつもどこかで笑ってて お願いだから


 長く続いた沈黙を破ったのは、久城の微笑みだった

 ようやく目線を合わせても、すぐに剃らしてしまいたい衝動が襲ってくる

 それでも君は 何も言い出せなくなった僕に向かって、あっさりとこう言って、ドアをあけてくれた


「もう時間なんですよね?お時間取らせてしまってすいません」


「あぁ、ううん大丈夫」


「さようなら 神楽さん」


 これで、最後――――――――


 合わせた視線を、僕から外して口を開いた  

 零れ落ちた声に涙が混じりませんように。って何度も祈りながら





「さよなら、」





 ドアが閉まった瞬間に駆け出した理由なんて、僕にはわからない

 ただすぐにそこから離れたかった

 何処かに行きたかった

 誰の顔も見たくなかった


 ごめんと呟く無意味な謝罪を僕はどうして止めることができないんだろう


 何度も呟いた君の名前が、ただ僕の中にあるだけで

 飛行機から眺めた空の色は、真っ黒に僕を染め上げた


 



さて、次回で『捻くれ者に恋をした』第一部の幕引きでございます( つ∀`*)


あの、とりあえず展開的には、繭くんふ●れましたので←←←

その辺はお話の続きにもかかわってきます♪


まぁ、何はともあれ読んでみて下さいな(@`∀´@)w


第二部のほうには、第二部での内容満載でお送りしたいと思っておりますので、

啓至も腕によりをかけて頑張って行きたいと思います!!!!


馬鹿は馬鹿でも

転んだらタダじゃ起きませんので!!!←(ぇ


七転び八起きくらいの精神でいきたいと思います!!


つか、第一部は第二部の序章要素満天ので!

楽しみにして下さいとはあえて言いませんっ


むしろ温かい目で少しでも優しめに啓至の今後を見守って下さい(●・∀・●)b


密やかに応援してくれるとありがてぇです。


ってなわけで、本日はここまでに致します!

次回も読んで下さいなっ!

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