曖昧な関係 「今度はあんたから」
「どこにいる?」
「ん・・・・っ」
「迎えにいくから」
「駅前・・・っ」
「動くなよそこにいろ!」
車を走らせいそぐ
駅前の自販機の横に
座りこんだあなたを見つけた
「もうっあんたは!
なんで帰れなくなるまで呑むの」
「迎えにきてほしいから」
屈託のない笑顔で俺を見る
「わかった帰ろう」
「どっちに?」
「俺んとこ」
「じゃあいくーー」
っていうかそうじゃないと
あんた動かないでしょ
「ったくどんだけ呑んだの」
そういいながら
呑んだ理由も俺を呼ぶのも
知っているんだ
あの日の俺を責めているのか
それとも先に進みたいのか
あんたから言い出さなければ
俺は動かない
この曖昧な関係
俺は結構好きだ
もう寝息をたてている
「しょうがないな」と呟いて
キスでがまんしてやる
そして明日の朝
ソファーで寝てる俺を見て
お約束の様に言う
「ベッドで一緒に寝ればいいのに」
・・・・・・
必ず踏む地雷
本当にあんたは
俺をイライラさせる天才だ
sora