事件の始まり
第二章 そして事件は起こる
「熱くなくても気を付けないと駄目だよ。」
どんなに技術が発達しても、さすがに暑さによる誤作動が起こる事がある。
真理奈は最新式の義手ではなく、初めて作った義手を使っている分、新型のものより性能が悪くなっている。
「分かってるよ、それにしても、今日はバス遅いね。」
「確かに、なんか事故でもあったのかな。」
最近になって、サイバーテロというのが世界中で起こっている。
それはここ日本でも例外ではない、一ヶ月前にもテレビ局でサイバーテロが発生しているし、自動運転式の電車のセキュリティをグチャグチャにしたりと、色々事件が起きている。
まだまだ日本では経済状況を変えるまでのサイバーテロは起きていないが、そうなるという事は他の国を見ていても分かった。
ある国では、サイバーテロによって滅んだと言ってもいいぐらいに経済的危機を迎えている国だってある。
技術が進歩する事はいい事もあるが、その反面その技術を悪用する物が現れるのは当然の事である。その中で、警察がどう対処するかが今は問題点になっている。
「どうしよう・・・学校遅れちゃうよ?」
どんなに余裕を持っていたとしても、そろそろ急がないと授業に遅れてしまう。
「歩こうか、歩けない距離でもないし。」
「そうだね、それに途中で乗れるかもしれないからね。」
真理奈と由愛は停留場から歩き出す。
「こうやって、歩いて学校行くのも久しぶりじゃない?」
「そうだね、最近はバスばっかりだからね。」
「まぁ、学校が近くてよかったよ、私歩くの苦手だからさぁ。」
と、その時だった、二人の横を物凄い速さで通り過ぎる物があった。
「ねぇ、今の何だと思う?」
「わかんないよ、なんか大きかったけど。」
立ち止まっている二人の横を、次にパトカーが通り過ぎていった。
「何だろう、事件かな?」
『そう、これは事件だったんだ・
すべては、私の力を覚醒させる為の事件。』