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有恋歌  作者: 三木こう
女子高は神様が通うような所ではない
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五歌(5)

「風見さん? 後は自由見学でいいのね?」

「わちきにどんとまかしておれ、これから世話になる場所じゃ、色々と回るところもあるでな」

 一通り、編入案内として、高校の生い立ちから施設や部活動、試験や学校規則などのややこしい説明を受けた後、風見は真っ先に自由見学を切り出した。

 田舎から出てきただけあって、色んなものに興味津々なのだろう。神様が故郷でも学校に通っていたかは定かではないが、少なくともこんなハイソでナウい女子高の施設は初体験に違いない。

「気をつけてねー。なんかあったら連絡すんのよ」

 恋歌さんの呼びかけに手の甲をひらひらさせて応えながら、風見はさっさと廊下の角へと消えていった。

「さて、お二人への相談なんですが、事情がありまして、すいませんが私から説明させていただきます」

 高梨さんに招かれ、再び応接室のソファへと腰を下ろす。

「保護者の方、というよりは学校に来られる業者の方として話さないといけませんかね。すいません、なんだか混乱してしまって」

 おどけたように笑いながら、高梨先生は仕切り直し、手元に持っていたクリアファイルからいくつかの資料を取り出した。

「今回の依頼内容ですが……こちらの案件について調査してほしいというところでしょうか」

 渡されたコピー用紙を手に取り確認する。

「七不思議ですか」

「七不思議ですねぇ」

 僕と恋歌さんがそれぞれ間の抜けた言葉でそれを表現した。

 資料の最初の方に白紙のスペースを大量に取りながら、7つの言葉が印字されている。


・トイレの鈴木さん

・動く人体模型

・校長ズラ疑惑

・13階段

・ベートーベンの絵画

・切り裂き女

・保健室の佐藤


「これまたベタなもんが出て来たもんだ」

「さすがに僕もびっくりです。あ、驚いた顔になってます、僕」

 自分でも珍しい表情になってしまった気がしたので、恋歌さんに確認してみたりした。

「校長先生まで話題にされていて……。これを小耳に挟んだ学園長から、私が個人的に相談されていたというわけです」

 苦笑いを浮かべ、高梨先生がおどおどと頭を下げる。

「校長先生のズラは実はホントだったりするんですが。それはいいんです、ただ生徒に実害が出ていて……、ほんとうに心霊的なものなのか人為的なものなのか、すみませんが生徒の安全のために調査をお願いします」

 校長のズラは本物なんですね。

 と声には出さずに突っ込んでみたりする。

「お任せ下さい。個人的にもこういう話は大好きですから」

 恋歌さんは高梨先生の両手を握り、まかせてくださいとばかりに頷いている。

 けれど、その横顔は頬がつり上がった見覚えのあるものだった。僕をいじめる時にもよく見かける、楽しいおもちゃをみつけた、そんな感じの表情なのかもしれない。

約一週間ぶりの更新に

(遅れた的な意味で)くやしいのぅ、くやしいのぅ


とかコネタをはさみつつ。

やはり習慣は大切ですね。ちょっと時間が空いたため、というよりはタイピングなんですがのノリが悪かったような。


日々精進ですね。

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