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ある魔術師の物語 四話 第五章

テストの点を確認したら思いの他上手く行ってたので今日は多めに書いてみました(笑)

ファロのすぐちかくにある森。

そこにセリアは住んでいる。


しかし森に行き着くには問題が一つ。


ファロが厳戒体制の為に、門にも衛兵が集合している。

気づかれずに突破するのはまず不可能だ


「さてと、どうしたもんかね…」


とりあえず近くの建物の脇に隠れた男は、周囲を見渡す。

両手が使えるならまだ方法はあったのだろうが…


「はぁ…」

「はぁ…」


…?なんか重なった


「よう、あんちゃん、あんたも外に出たいのかい?そんな荷物持って」


振り向くと、そこには吊り目の、如何にも軽薄そうな青年が立っていた。


「…そうだけど、あんたは?」


警戒態勢を取る。

この男からは、全く気配を感じ無かった

正直、背後にたたれた事にすら気づかなかったのだ。

あと、俺が左手に抱えてるのは人である。

端からみたら完全に人攫いだ。

だが


「はっは!実は俺も外に出たいんだけどね、今厳戒体制が敷かれてるっしょ?だから出れないんだよねぇ」


青年はカラカラと軽薄に笑う


「…そうかい、それは大変だな」


「いやいや、君も実に大変そうじゃないか?大きな荷物を抱えてさぁ?」


ニヤニヤと俺の左側を見る。


「一つ言っとくが俺は別に人攫いとかじゃないぞ」


誰も信じないな。こんな状態じゃ


「はっは!その話を一体誰が信じてくれるのかなぁ」


やっぱりな!


「なんだ?衛兵でも呼ぶ気か?」


「おいおい、そんな事したら俺まで怪しまれるじゃないか?今は別にそんな事はしないよ」


今は、ね。と呟いた

ニヤニヤと、左側を見ながら。


「お前、一体何が目的だよ?さっさと話せ」


じれったい。

さっさと話せと思う

右手とか色々時間ないっての


でもまあ、要件は大体察しがついてるが


「はっは!そうこなくちゃ!実はさ、門を突破する作戦を手伝って欲しいんだけどさ?」


やっぱりか


「別に構わいがな。俺達もさっさと外に出たいから。だが、お前が俺達を捨て駒にしないかが心配なんだがな」


心配、というか、俺達にちゃんとメリットがあるかが分かるまでは動きたくない。


今の俺は交渉出来る立場じゃあないなぁと思いつつも聞いてみる

すると軽薄そうな青年は


「はっは!それは絶対に心配ないよ。これは実に単純な作戦だしね。それに、協力者を裏切るのは嫌なんだよねぇ」


「…100%は信じられないが、分かった。手伝おう」


こんな状態じゃ、信じてみる方が利口だろうしな。


「はっは!じゃあ、協力関係成立だね。握手握手!って手が塞がってんだったね!」


「んな事はどうでもいいから作戦を話せよ…」


なんかこいつ相手は凄い疲れる。


「ふむ、じゃ、話すね。作戦てのはね…あの門を吹っ飛ばして欲しいんだ。」


……………


「じゃあ、元気でやれよ?」


ひらひらと手を振って背を向けた。


「ちょっと待った!話は最後まで聞こうよ!!」


もの凄い速度で肩を掴まれた


「あんたが馬鹿だという事は分かった。だから手を離せ、他を当たれ」


門を吹き飛ばしたりしたらまず国家の敵である

ていうか今の俺にそんな力は残ってないし、あの門は国を守る門である。

各国の正門は、全て固有の強力な魔術対策が施されている

これは、先の大戦時に出来たシステムだ。

ファロの場合は、確か門に魔術を撃った途端に、防衛システムが発動し、術者が一瞬で燃え上がるのでは無かったか?


…なんかもう、疲れたよパト○ッシュ


「ちょっま!ええい!

えいへいさー!」


バキィ!


「ぐおっ!」


この野郎、本気で衛兵呼ぼうとしやがった。

ていうか、びっくりして本気で蹴っちまった


…黙祷!


「いやいや、死んでないから。全く酷いな、話は最後まで聞いてったら」


なんかしょんぼりしながら立ち上がる。

…わりかしクリーンヒットだった筈なんだがな


「…で、本当の作戦は?」


「だから門を吹っ飛ば」


よし、死ぬまで蹴るか


「ちょ!無言で足を上げないで!門といっても魔力門だってば!」


「魔力門だと?」


魔力門

各国の正門を守護する守護魔術を常に確立する為、大量の魔力を常に門に溜める。

そして溜まりきってしまって溢れ出した魔力を抜く為の道の事である。

魔力門は、正門と違って魔力門を構成している魔術を紐解けば魔力門は簡単に崩れ去る


なぜかといえば、形のない魔力には、防衛魔術を施せないからだ


「…つまり、門の魔力の流出を多くする訳か」


そうすれば一大事として衛兵はまず魔力門へ向かう

そして正門は手薄になる


「そういう訳か」


「そうだよ?いや、察しがいいね。びっくした!」


なんか万歳して本気で驚いてる。

なんかイラっとくるわ


「…作戦自体は理解した、だが問題は2つだ。まず俺は魔力門の場所をしらない、第二に、魔力門を構成する術式は高度な物だ、なんで俺にその仕事を任せる?」


そう、魔力門は国家によって秘匿されている。場所が分からねば破壊しようがない。

第二に、気になっていた事だが、俺は魔力門を破壊する事は出来る。

術式を解く事は出来る。

だが、これは高度な技術を求められる。

普通の術者が魔力門を破壊しようとすれば、術者の頭がパンクするだろう。


しかし、なぜ俺に、この役目を頼んだのか。

…あの気配の消し方からも相当な腕前だと分かるが俺に会ったのは偶然じゃ勿論あるまい。


つまり、最初から俺が魔術師、しかも自分で言うのはあれだが、かなりの技術を持った術者だという事を知っていた。という事か。


「…まあね。深くは話せないけど、俺は君の事を知ってるよ。

黒い月の…ゼロだよな」


ニヤニヤしていた男は、酷薄な笑みをその顔に讃えた


「…お前、この人を殺しに来たのか?さっきのジークとかいう奴みたいに」


「殺す?いやいや、君も、その人も無事外に出す手伝いをすることが俺の仕事だよ、流石に依頼人までは言えないけどねぇ」



酷薄な笑みを一瞬でニヤニヤとした笑みに変えると、服のポケットから石のような物を取り出した。


「それは…!」


「そう、治癒石だよ。

今一番大きな国家、ホリアスすら持っている数が少ない貴重品さ

君の腕とその人、応急措置させて貰うよ。」


ヒョヒョイッと俺の右手と、抱えた人物に投げつけると、右手の感覚が戻り、また動くようになり、抱えた人物の呼吸音も、少し良くなった気がする。


治癒石とは、魔力の高濃度の凝縮体。

人体の治癒力を劇的に高め、ある程度の病気や怪我なら、たちまち治してしまう、ある種の奇跡

しかし、先の大戦時、大量数が使用され、現存している治癒石は少ないとされる


「…こんな物を持ってる、てことは、そこそこ信用できる組織の人間て事か」


「はっは!信じてくれて無かったんだねぇ、まあ、いいや。少しの間だけど、共闘よろしく」


男はニヤニヤとした笑みを浮かべ、今度こそ、握手を求めてきた

楽しんでいただけましたでしょうか?

出来ればまた次回、お会いいたしましょうm(_ _)m

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