俺は彼女を救い、国を壊した
こんにちは、初めて戦闘シーンも書いたので慣れていなく、描写が伝わりづらいかなと思いますが、温かい目で見ていただけるとありがたいです。
??「本当にこれで良かったのかな?」
炎が渦巻く城を背景に青年は近くの大木にもたれ掛かり、呆然と空を見ながら、やがて眠りについた。
??「はぁ、、、はぁ、、、やっば」
今私は走っている。背後にはフードを被った男が数人来ていたが、幸い足は速くないようで私はどんどん男との距離を離していた。数分が経ち、私は後ろを振り返った。さっきまで追いかけていた男はもういなかった。私の名前は神羅聖凪。なんで追いかけられていたかと言うと、不審な男がいたから跡をつけていたら見つかって現在に至ります(笑)。
聖凪「はぁ、なんで"跡をつけていただけ"なのになんで追いかけられなきゃ行けないのよ!」私はそう愚痴を溢しながら帰路に着くのだった。
次の日、私は外から聞こえる演説で目覚めた。
聖凪「うーん、、、なんだろう?」演説に耳を傾けた私は耳を疑った。だって演説の内容は、私を差し出せば賞金を出すと言う事だったから。
??「はぁ、はぁ、クソ!」(何で何処にもいないんだよ!聖凪!)
俺は心の中で愚痴を溢しながら聖凪を探した。やがて、街の外れに1人の人影が見えた。
??「聖凪!!」
俺がそう言うと彼女は俺の方に振り返った。
聖凪「白斗くん?白斗くん!!」
聖凪はそう言うや否や俺に駆け寄り抱きついてきた。その顔は不安で押し潰れそうな顔だった。
私は彼を見て思わず抱きついた。彼の名前は神矢白斗。私の幼馴染で、おそらく今現在唯一の私の味方だ。
聖凪「白斗くん…私…何も聞いてないのに…ただ怪しそうな人に着いて行っただけなのに…賞金首になっちゃった。」
いつの間には私の声は震え、目から涙溢れていた。
白斗「分かってる。任せろ、俺が助けるから!!」
彼の言葉は力強かった。そんな言葉を聞いた私は、さっきよりも涙が溢れていた。
白斗「どうかな、悠斗さん?いい情報ない?」
聖凪と別れてから俺は情報屋に来ていた。前にいる彼は村一悠斗。悠斗さんとは昔からの付き合いで良くしてもらっている。
悠斗「うーん、いくら白斗でもなぁ。相手はあの待國王だし、、、」
持國とはこのフォールス国の国王だ。
白斗「どんな情報でもいいんです。少しでも聖凪を救いたいんです!」
俺がそう言うと、悠斗さんは根負けしたように、
悠斗「はぁ、まぁ分かったよ。」
と、ため息混じりに言った。
悠斗「持國王は今から10年前にこの国の王になった。それからと言うものの国自体は平和になってはいたが、黒い噂は絶えなかった。おそらく今回も何かしら絡んでくるんだろうな。そして、聖凪ちゃんがたまたま跡をつけた相手が、その工作員だったんじゃないかなぁ。」
悠斗さんは傍観をしているような話し方だった。
白斗「なるほど、ありがとうございます!これなら、直談判できる材料が揃いました!!」
俺は笑を作り、情報屋を後にしようとした。
白斗「あと、持國王に直談判するのはいいが、彼はプライドが高く、意見を変えるのは難しい。そして戦闘になったらすぐ逃げろ。持國王は"100年に1人の天才"と言われている。その実力は計り知れない。分かったか?」
悠斗さんは俺を心配しているようだった。
白斗「分かった。ありがとう参考にするよ!」
そう言い俺は情報屋を出た。
その後俺は城を目指していた。そのため歩いてい向かっていたのだが、途中渡されたお触れの紙を見て唖然とした。だってそこには、[今日中に聖凪を見つける事ができなかった場合は、明日全軍を率いて街に出る]と書いてあった。俺は急いで城に向かった。もし、このお触れが本当だった場合、最悪この"街がなくなる可能性"があるからだ。
城に到着し、手続きを済ませ、俺は持國王と対面していた。
持國「まぁ良い。表を上げよ」
俺は顔を上げた。
持國「世間話もしたい所だが、生憎我は忙しい。要件と名を手短に話せ」持國王はそう言っているものの、忙しそうには見えなかったが気分を損ねさせる方がダメな気がしたので要件を話す事にした。
白斗「はい、私の名前は神矢白斗と申します。要件ですが、私は神羅聖凪の無実を主張いたします。何故なら、聖凪は国家転覆など考えないお人であり、誰よりもこの国の安寧を願っているからです!」
俺の話を聞いて、持國王は暫く顎に手を置いて考えおり、やがて俺にこう言った。
持國「そうか貴様も反逆者か。」
その言葉と同時に俺の体は動いていた。だってその言葉は俺の前ではなく、背後から聞こえていたからだ。そして轟音と共に、俺の居た所は地面が抉られていた。
白斗(あーこれ、、、逃げれない奴だ)
俺は何となくそう思っていた。
ここまでの実力を持つ相手は久々だった。お互い、攻撃を放つがその殆どがいなされていた。
白斗(まずいなぁー、、、お互い同じ力を待ってるからかあたらねぇ。流石にこれ以上続くと俺が持たないな)
お互い距離を取りこうちゃく状態が続いていた。
持國「流石に強いな。我と対等に戦えるのはそうそういないからな!我の真の力を見せてやろう!」
持國は笑っていた。
白斗「そうかよ。だったら俺も力を解放してやるよ!」
白斗・持國「波動解放(人)!!
彼らが力を解放した事で衝撃波が生じ、辺りにいた持國の配下は皆吹き飛んでいた。
波動解放とは別名⚪︎力の波動と言われている力で、自身の身体能力を強化し、⚪︎力のエネルギー最大値を2倍する効果がある。さらに、各⚪︎力によって追加効果も変わる。これを使えるには相当の努力が必要である。
力を解放し、先に動いたのは持國だった。持國は一瞬で白斗との距離を詰め拳にエネルギーを溜めていた。
持國「アビリティブレイク(人)!」
白斗(やっば!)
俺は即座に後ろに下がり、力を貯めた。
白斗「魔改弾(魔)!!」
俺は球体のエネルギー弾を持國に放った。それを持國は難なくかわし、俺との距離を詰めてきた。
持國「アビリティブレイク(人)!」
白斗(やば、反動でよけれな…」
俺はその攻撃をくらい、地面に叩きつけられた。
白斗「いってー。ん...」
そこで俺は自分に波動恩恵が付与されていない事に気づいた。
持國「気づいたか。悪いな、我のアビリティブレイクには追加効果無効化の力があるんだ。」
俺の表情から読んだのか持國はこの現象を説明してくれた。
白斗「そうかよ。お前程度波動も要らないって思ってたんだ!」
俺は虚勢を張り、立ち上がった。
持國「そうか。舐められたものだな。なら本当の地獄を見せてやる。」
彼がそう言った直後、空間が揺れ始めた。
私は走っていた。さっきから城の方で高い力がぶつかっており、片方は私の知る力だったから。
聖凪(お願い。無事ていて!)
私はそう空に願った。いつの間にか空は茜色になっていた。
ここからの戦いは余りにも一方的だった。俺の攻撃は全てかわされ、持國の攻撃は全て当たった。
白斗(くそ、このままだと何も出来ずにやられる!何か手はないのか、、、)
俺はそう考えながら立ち上がった。体はボロボロで正直、立っているのがやっとの状態だった。
持國「まだ立つか。分からないな。お主をそこまでさせる原動力は何だ?」
持國は本当に分からないと言った表情だった。
白斗「俺は昔、聖凪に救われ、約束をした。次は俺が聖凪を守るって。だからこんな所で倒れるわけにはいかないんだ!!!」
俺のその言葉に持國は感心したような顔をした。
持國「良い心がけだ!我は反逆者であろうと約束を守り抜こうとする者は嫌いじゃない。お主のその気持ちに免じて一発攻撃を受けてやろう!」(笑)
持國はそう言って攻撃を受ける構えをした。
白斗「そうかよ。ならお言葉に甘えて俺のとっておきをやるよ!」(どちらにしろこのチャンスで決めないと俺に勝ち目はない。出し惜しみは無しだ!)
俺はそう言ってエネルギー弾を溜め始めた。
持國「来い!」
白斗「皇忌神霊弾(人)!!」
轟音と共にその攻撃は放たれた。
持國「アビリティガード(人)」
持國は目の前にシールドを展開し、その攻撃を受けていた。
持國「破壊力は凄まじいが、俺のアビリティガードを壊せるほどじゃあないな!」
持國は余裕があった。だがそんな余裕が仇となった。
白斗「魔解の呪文(魔)!発動!魔解流星弾(魔)」
白斗がそう唱えると、頭上から無数の光線が降ってきた。その火力は魔改弾より遥かに上だった。
持國「なっ、、、まさか!」
持國は驚くと同時にその結論に至ったようだった。
白斗(最初の魔改弾をずっと天井付近に残しておいて、機会を窺い続けていた。そして、魔改弾は魔のエネルギーに当たると分裂する特性を持ち、魔解の呪文は魔の火力を上昇させ、規模を拡大させる。そして広い範囲に魔を流す。つまり、多方面からの攻撃をする事が出来る!)
流星のようにその攻撃は落下してきていた。
白斗「頼む。いけー!!」
俺の掛け声と共に魔解流星弾は着弾し、辺りは爆風で支配された。
聖凪「くそ、数が多い!」
私は今持國の配下と戦っていた。一人一人の力は大した事ないが、余りにも人が多すぎた。
聖凪「仕方ない。使うか」
私がそう言った直後だった。何処からか「伏せろ」と声がし、伏せた私の上をエネルギー弾が飛んで持國配下に着弾していた。私が振り返るとそこには、悠斗おじさんがいた。
悠斗「聖凪ちゃん。ここは俺に任せて白斗のとこに行って!」
悠斗おじさんはそう言って次々にエネルギー弾を撃って持國配下を倒していた。
聖凪「分かりました!ありがとうございます!」
私がそう言うと、悠斗おじさんは笑いながら「息子を頼んだ」と言った。
煙が消え、辺りが見えてきて俺は驚愕をしていた。
何故なら、持國は全くダメージを負っていなかったから。そして足元には不思議な魔法陣があった。
持國「はぁ、久々に使ったな。ディセーブルフェノン(現象無効)(権)解」
持國がそう言うと足元の魔法陣が消えた。
持國「アビリティレーザー(人)!」
目の前には光線が音速の速さで近づいてきていた。しかし、俺はさっき攻撃で力を使い果たし、避ける力もなかった。
白斗(あー悠斗さんの言ってた事は本当だったんだなー)
俺はそう思い、覚悟を決めるのだった。
俺はずっとこの力を使うのを躊躇っていた。何故なら、5歳の頃この力が暴走し、街を壊滅させたからだった。暴走が収まっても、誰からも化け物扱いされ俺は病み、生きる事を諦めていた。そんな中俺を救ってくれたのは悠斗さんと聖凪だった。悠斗さんは、俺の里親になってメンタルケアやここまで育ててくれた。聖凪はどんな時でも俺のそばにいて、俺の事を守ってくれた。だから俺は2人に"たとえ世界が敵になっても俺が守る"と約束した。でも、俺は押されている。理由なんて明らかだ。俺がトラウマに打ち勝ててないから。だから俺は自分に言う。
(俺の覚悟はその程度だったのか?甘えるな!トラウマに打ち勝て!諦めるな!俺はこの力を使えばどんな奴よりも強い!!)
白斗「禁弾(禁)」
俺はエネルギー弾を放った。その弾は目の前の光線を貫き、持國に直撃した。持國はかなりダメージを負ったのか膝を地につけた。その表情には怒りが見えていた。
持國「お前だったのか!13年前に"街を破壊"したのは!!」
持國がそう言って体勢を立て直し、距離を詰めてきた。
持國「アビリティブレイク(人)!」
その拳を振り下ろしたが、俺は難なく避け、力を使い、拳を振るった。
白斗「アビリティブレイク改(禁)」
その攻撃を受けた持國は後方に吹っ飛んだ。
白斗「ふぅ、、、うっ、、、」
俺は吐血をした。余りにも代償がデカかった。おそらく、攻撃を出来てもあと一発が"限界"だろう。
俺が息を整えていると、前方から馬鹿でかい力を感じた。
我は負ける訳にはいかなかった。あいつは"親"の仇でもあり、我の死はこの国、いや"周辺諸国の壊滅"を意味しているからだ。だからこそ、我は最後の力を振り絞って攻撃を放った。
持國「詠唱 アビリティブレイク(人)・ディセーブルフェノン(権)・オーソリティドライブ(権)。奥義 アブソリューライトニング(人・権)!!」
その攻撃は轟音と共に凄まじい速さで白斗に向かっていった。
俺は力を溜めていた。持國の力は凄まじく、押し切れるか分からない。けどやるしかない。俺が聖凪の明日を作るんだ。俺は気持ちを入れ直し、その攻撃を放った。
白斗「詠唱 皇忌神霊弾(人)・魔解流星弾(魔)・禁忌化(禁)・禁断龍波動(禁)。奥義 フォビデンブレイク(人・魔・禁)!!」
両者の力はぶつかり、均衡を保っていたが、少しずつ白斗が押し、持國はエネルギー波に飲まれ大爆発を起こした。
白斗「本当にこれで良かったのかな?」
炎が渦巻く城を背景に青年は近くの大木にもたれ掛かり、呆然と空を見ていた。もう体は動かない。
白斗(終わった。これで聖凪は大丈夫だろう。復興とか大変だろうなー)俺はそう思い目を閉じた。が次の瞬間声が聞こえた。
⁇「白斗!!」
俺はその声で目を開けた。そこにいたのは聖凪だった。
私は白斗を抱きしめた。白斗の体は透明になっており、光が彼を包んでいた。私は泣いた。だって白斗が死ぬのが分かったから。
白斗「ねぇ、聖凪、、、」
彼の声は掠れていた。
聖凪「何?」
私は目から溢れる涙を堪えながらそう言った。
白斗「"約束"…は…果たせた…かな?」
そう言い終わると同時に白斗は光となって天に昇った。
聖凪「果たせたよ。でも…死なないでよ…」
堪えていたはずの涙はいつの間にか溢れ、私の視界を奪い、それと同時にに私の嗚咽があたりに響いた。
それからどれだけの時間がたっただろう。私は白斗のいる空を見た。まだ暗い空は星々が光り輝いていた。
聖凪「白斗…会いたいよぉ…」
私がそう言った瞬間だった。地面が揺れ、後方の方から黒い光が空に上がっていた。
聖凪「何、あれ。」
私が黒い光を見てそう言った時だった。
???「この国の"秘密"だ」
私の横からそんな声がした。私は立ち上がりその女性から距離をとった。彼女は神秘的な力を纏っており、見ただけで格上と思った。そんな彼女は私に構わず黒い光を見て話を続けた。
???「あやつは災いと呼ばれ、この地を暴れ回っていてな、誰も手がつけられなかったのだが、持國から5代遡った祈國によって、封印され、祈國はこの地に王国を築いた。それから代々封印をしていたがだが"持國が死んだこと"により、封印が解かれたのだ。」
そう言い終わると彼女は私を見て言った。
???「これはそなたの責任だ。過去に戻り、未来を変えて見せよ。」
彼女が言い終わった瞬間、私の意識は深い暗闇に落ちるのだった。
???「少々"サービス"をしてしまったな。我は神だからな。人を導くのも我の仕事か。」
そう言い、凄まじい速度で迫ってくる災いを一刀両断した。
ここまで見ていただきありがとうございます!もし、続きが見たい場合はコメントで教えていただけると続きを書くかもしれません。最後までありがとうございました!!