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死にたくないので自分達だけの第三勢力作りました。  作者: 鬼獣八紅
第九章 姉妹の絆は神をも穿つ
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不死の召喚士

八世召視点です。


「参ります!」


 第二ラウンドが始まってすぐに私は神子都へと向かっていく。

 本来は通波を保護した時点で脱出する予定でしたが、事前に渡されら転送ボタンがなぜか機能しないのです。レイヴンさんの方も機能していないらしいので不良品を渡された訳ではないのですが、何にせよ戦闘するしかありません。


「焦熱地獄!」


 それに対し神子都は閻魔の権能によって生成された地獄の業火を私とライズさん向けて放ってくる。


「ライズさんさっきと同じようにお願いします!」

「クリエイトホーリーウォーター!」


 ライズさんがこちらに向かってくる地獄の業火を聖水で消火する。

 アンデッドのライズさんが弱点のはずの聖水を生成できるのかはわからないですが、今はそれが有難い。


召喚(サモン)、ナイフ!」

「退魔結界!」


 確実に命中するよう至近距離からナイフを大量召喚しましたが背後にあった人形が生成した結界によって防がれる。


「あんたの魔法は召喚ね、それなら増援を召喚すればいいんじゃないの?」

「それが出来れば既にやっています」


 レイヴンさんたちを召喚しない理由は単純、召喚許可をもらってないからです。

 私の魔法で生命体を召喚する場合本人からの許可が必要なのですがまだ私たちを信頼されていないのか許可をもらえませんでした。

 インカムで許可を貰えればよかったのでが、研究者の灰崎さんという方がライズさんと一緒に私の身体検査などのついでに召喚魔法を調査したところ、肉声での会話でないと許可を貰った判定にはならない仕様のようでそれも出来ません。

 一応許可がなくとも召喚できなくはないですが、大きな隙を晒す上に召喚した後私が使い物にならなくなります。


異異回転処(いいかいてんしょ)!」

「うおぁ!」

 

 神子都が呪文を唱えた瞬間、体に横向きの力がかかり壁に叩きつけられる。


「召!」

「まだまだ!六文札!」


 追撃するように私とライズさんめがけてお札が投擲される。

 というかお札ってことはまさか─


「ああぁぁ!」


 アンデッドになってから久しく感じてなかった痛みが体中を走る。やはりさっきのお札は護符の類、通波の予想通り巫女魔法は私たちに特攻らしい。

 

「アンデッドリペア!」

「ありがとうございますライズさん!」


 護符を防いでいたライズさんに先ほどの攻撃で壊れた体を直してもらい神子都へ再度突撃する。

 ナイフ程度の攻撃は防がれる、それに護符触れたら大ダメージ。それなら─


召喚(サモン)、弾道ミサイル!」


 遠距離からさらに高火力の攻撃を打ち込むだけです。


「追撃だ、ギガントボーンバンカー!」


 ミサイルに続く形でライズさんが放った巨大な骨も神子都へと向かっていく。


「噓でしょ!?、五重退魔結界!」


 神子都は先程より多くの人形を重ね結界を生成することで防ごうとする。


「っ、流石に防げない!懸り神変更、金山彦神(かなやまひこのかみ)!」


 神子都にミサイルが直撃した。

 しかし着弾によって生じた爆風がこちらへと向かってくる。 


「ストーンウォール!」


 その爆風はライズさんが石壁を生成することで防いでくれました。


「ありがとうございますライズさん。爆風は考慮してませんでした」

「別によい、なんとなくそんな気はしてた」

「失礼ですねライズさん。まあ私の落ち度なので強く言えませんけど」


 ともかくこれでダウンしてくれればよいのですが…。


「…あんたら自爆する気?普通あんな攻撃する?」


 やはりあまり効いた感じしませんね、着弾する瞬間に懸り神を変更していたのでそれのせいでしょう。多少怪我はしてますけど転んだときの怪我程度しか見当たりません。

 しかし背後の人形の数が大幅に減っているので効果自体はあったようですね。

 

「ならばもう一発─」

「対魔封印陣!」

「…?、今何かしましたか?」


 神子都が呪文を唱えましたが私とライズさんには何も起こりません。


「召、通波が!」

「え?、通波!」

「…!……!!」


 さっきの魔法は後ろにいる通波を捉えるためのものだったのか!

 しかも防音性が高いのか中の通波の声が聞こえない、これでは召喚で外に出すことも出来ない。


「あんたらの目的は通波の強奪、なら通波を抑えればこっちのもんよ」

「…ですが閉じ込めたところで通波の身柄はこちら側にあります」

「そうね。けど対魔封印陣は閉じ込めると同時に中の対象を守るシェルターでもあるの」

「何が言いたいんですか?」

「この状況なら最大出力を放てるってことよ!懸り神変更、八咫烏!」


 背中から漆黒の翼を生やした神子都が魔法のチャージを開始する。

 

「召!あの魔法はマズい、核だ!」

「核ですって!」

「流石の我も核の威力は防げん!一度下がるぞ!」

「させるとでも?八雲退魔結界!」

「なっ!」


 私たちの後ろに結界が生成され逃げ道を塞がれた!これでは下がっての回避ができない!


「これで観念しなさい」

「くっ…!」

「安心しなさい、楽にあの世へ行かせてあげ─」




時空弾丸ディメンジョンバレット!」

魂弾(ソウルショット)!」




「がっ!?」


 神子都が突然後ろから飛んできた攻撃により脇腹と左腕が消し飛ぶ。

 それに今の攻撃は─


「召、ライズ、よく耐えてくれた!」

「遅れてごめん!」

「二人とも遅いぞ!」


 レイヴンさんとオウルさんの攻撃です、これでやっと脱出ができます!


「レイヴン…、なるほど。あんたが通波脱走の主犯ね」

「そうだ。悪いが俺たちはお前を相手する気はないぞ、とっとと脱出させてもらう」

「させるか!人形依代代行ひとがたよりしろだいこう、シノロ!ディメンジョンロック!」

「シノロ?…まさか!」


 レイヴンさんが腕を振るっているが何も発生しない。

 というかシノロってライズさんが話していた境界の神だったはず。


「マズい、ワープゲートが少ししか開けねぇ!これじゃ通れないぞ!」

「テレポートは!?」

「ワープゲートがこの状態でテレポートなんてできるわけないだろ!」

「キャットガールでの妨害はできんのか!?」

「ここに来るまでに警備システムで全滅したよ!」


 っ、キャットガールさんもいないとなると神子都を妨害できる人員は─


「はぁ…はぁ…これでチャージ完了までに脱出は無理よ!」

「…レイヴンさん、ワープゲートをそのまま維持しててください」

「指図するな!というか召、お前は?」

「神子都を止めてきます、ライズさんは援護お願いします!」


 神子都の周りは陽炎が発生する程に温度が上昇している。この状態では生身の人間であるレイヴンさんとオウルさんは近づけません。キャットガールさんはいたとしても同様の理由で無理です。

 それなら私が近づいて直接叩くかライズさんが遠距離から魔法を放つしか方法がありません。


「っ、わかったよ!おい、俺にブースト掛けろ!」

「了解、魂制限解除ソウルリミッターアンロック!」

「っ…がはっ!」


 オウルさんがレイヴンさんにブーストを掛けると神子都が吐血した。やはり懸り神の同時使用はかなり負荷がかかってる、これならいける!


召喚(サモン)、ナイフ!」

「ストーンバレット!」


 ナイフと石礫が人形を次々破いていく。

 体が燃えてきてるけどそんなことは些細なことだ。


「いい加減、止めなさい!」

「がっ!」


 私の薙刀が神子都の腹を貫通する。

 それと同時に右腕に限界がきたのか崩れ落ちた。


「よし、もう少しだ!」

「くっ、ならこのままぶっ放す!」

 

 っ、マズい!核なんて放たれたら脱出手段が無くなる!


「やめろ!」

「な、なにすんのよ!」


 片腕で神子都に抱き着いて固定する。これでもう逃げられない!


「ライズさん、私ごとやっちゃって!」

「しかし…わかった。ボーンスピア!」


 ライズさんが放った骨が私ごと神子都を貫く。


「よし開いた!召、あと数秒耐えろ、撤退するぞ!」


 ついにワープゲートが開き切り通波が封印ごとワープゲートを通って月へと送られる。

 それに続いてオウルさん、ライズさんとワープゲートをくぐっていく。


「召も戻ってこい!」


 レイヴンさんが私に戻るよう声をかける。けど、あと数秒で神子都の魔法が発射される。

 もう戻ってる時間は無い。


「レイヴンさん、通波に伝言お願い」

「召?」

「こんなお姉ちゃんでごめんね。私はいつまでも、通波の幸せを願ってるって」


 核が発射されればアンデッドと言えど肉体が消滅してしまう、そうなったらもう復活はできない。

 もう通波には会えない、ならせめて伝言でもいいから最後の言葉を伝えてほしい。

 思えば、通波にはいつも寂しい思いをさせてしまった。けれど、聖魔連合に入ればもう寂しい思いをしなくていいはず。


「…わかった。健闘を祈る」


 そうしてレイヴンさんもワープゲートをくぐり、そのすぐ後にワープゲートが消滅する。


「…別れは終わったかしら?」

「えぇ。それじゃあ、私と一緒にあの世へ行きましょう。召喚(サモン)、弾道ミサイル!」

「あんただけは確実に潰す!サンシャインクラッシュ!」




             通波、さようなら。元気でね。



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