神々と人々を繋ぐ巫女
通波視点です。
「フラッシュ!」
「っ、眩しい」
「マイクロレンジ!」
私の放った可視光線で神子都が一瞬怯む。
その隙にアンテナを伸ばして攻撃する。
「退魔結界」
しかし、私の魔法は神子都の足元に現れた魔法陣による結界で防がれる。
「ほんっとに強力ねその技、何でそんなに扱えるのかわかんないよ」
さっきの結界は神子都が己の魔法を魔法発現前の技術をもちいて改良したものらしく、本来の神子都の魔法には結界を生成するなんて効果は無い。だから本来の魔法より扱いにくいはずなのに弱めの悪の組織の必殺技程度なら問題なく防げる性能をしている。
わかってはいたけどこの程度も突破できないか…。
というか毎度思うけど物理攻撃ならともかく何で実体の無い私の電磁波が防げてんの?
「今度はこちらから行くわよ、対魔封印陣!」
「マズいっ!」
急いでその場を離れた瞬間、私が元居た場所に魔法陣が現れ檻を生成していた。
「ちっ、すばしっこいわね」
「ならその魔法やめてください、発動早すぎるんですよその魔法!」
そうして神子都は対魔封印陣を連続発動してくる。
けどこれで確定した、神子都は私を殺すつもりはない。
殺すんだったら拘束技なんて使わないし、何より初手の不意打ちで高火力技使えばそれで私は死んでいた。
それならいくらでもやりようはある。
「そのためには接近しないとだけど…」
「とっとと捕まりなさい!」
なかなか捕まらない私にイラついてきたのか神子都の魔法がより高密度に発動してくる。
隙があるとすれば神子都に精神が乱れた一瞬…今!
「マイクロレンジ!」
「無駄よ、退魔結界!」
一瞬の隙をついて放った魔法は結界によって防がれる。
けどそれはブラフ!
「後ろ!」
「?、ぐっ!」
マイクロレンジを放った隙に後ろへ伸ばしていたアンテナで神子都の体勢を崩す。
これで咄嗟に回避や防御はできない!
「レーザーポインター!」
「あぁぁ!目が!」
収縮させ放った光が神子都の両目に直撃した。
市販のレーザーポインターでも失明する可能性があるのだ。私が放ったレーザーポインターは市販品の五倍程度の光量だが確実に失明したはず。
悪いとは思ってるけどこうでもしないと私に勝ち目はない。
これでさらに時間を稼げ─
「…よくもやってくれたわね」
…今なにが起きた?何かがお腹に当たった感覚がした瞬間、気付いたら壁に横たわってた。
恐らく神子都がやったんだろうけど全く反応できなかった。一瞬も目を離していなかったのに…。
「がはっ!」
ヤバい口から血が出てきた。多分内蔵が損傷してる。
これだけの怪我となると多分手加減してない。まだ意識があるのは視覚が奪われたことで狙いがずれたからかな。
けどこの様子だと…。
「本当はなるべく傷つけたくはなかったけど、四肢の一、二本は覚悟しなさい」
もう、私の命は保証されていない。
「神懸り、武御名方神」
そして、神子都は本来の己の魔法を発動させる。
見た目こそ変化は無いが、纏う雰囲気が変わり体からオーラのようなものが出ているのが見える。
どうであれ私が耐えれるのは持って後数発、もう攻撃を食らわないように─
「は?」
「御柱打法」
神子都が一瞬にして距離を詰めてきて持っていたお祓い棒を野球バットほどの御柱に変化させ私を殴り飛ばす。
両目閉じてるから失明してるかは判断できないが、どちらにせよ視覚に頼らず私の位置を正確に把握して攻撃してきた。
「マイクロレンジ、最大出力!」
残りのアンテナ全て、それに加え私の全身からもマイクロ波を放つ。もう自身が火傷するとか言ってる場合じゃない。
「懸り神変更、加具土命」
このタイミングでの変更?まさか!
「残念だったわね。加具土命は火の神、熱なんて効くわけないでしょ」
…やっぱり炎関連の神様だった。
早く次の攻撃を─
「させるとでも?」
「ぐはっ!」
距離を詰めてきた神子都にお祓い棒でまた殴られる。
「ま、まだ…」
「逃げ足と反撃手段も潰さないとね」
「ああぁぁ!」
お祓い棒により両足を折られ、ツバメも破壊された。
「はぁ…はぁ…」
「もう限界のようね。懸り神変更、アクスレーピオス。神の手術」
神子都が懸かってる神様を変更して、掌で失明した両目を覆う。
「…終了っと。やっぱ欠損部位を一から再生するのは疲れるわね」
掌を外した両目には何事もなかったかのように黒い瞳が存在していた。
「神懸り解除っと。さて、とりあえず侵入者について知ってることを教えてちょうだい」
「誰…が…教え…るか」
「そう、ならとっとと牢へ連れてくわ。これだけのことをしでかしたのだからそれなりの処罰は覚悟しておくことね」
そうして神子都は私を引きずって牢へと向かっていく。
こうなってしまった以上もう脱走は不可能、対策もされるだろうから次のチャンスは来ないよね…。
もう一度、お姉ちゃんの声聞きたかったな…。
「私の妹に、何をしている!!!」




