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死にたくないので自分達だけの第三勢力作りました。  作者: 鬼獣八紅
第七章 アンデッドと魔法の根幹
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正しい魔法

三人称視点です。


「それでは報告会を始める。司会進行は俺が、記録はウルフが行う」


 ライズと召、そして防衛班を回収したレイブン達は本部へ帰還し、そのまま報告会を始めた。

 帰還後、二人は牢へ入れられ赤川と元花が監視している。今この場にいるのは監視役の二人を除いた幹部全員だ。


「先に防衛班について聞くが、何か問題点とかあったか?」

「特に無いな。ロックとビルドの作った防壁越しに雑に投石なんかの遠距離攻撃してるだけで防衛できちまった。たまに来る高火力魔法は俺が弾いて防いだ」

「強いて言うなら全身大火傷したアルさんが落ちてきたときは驚きましたが私がしっかり治しておきました」

「この通り全快だよ!」


 白夜の報告をセイが補足する。アルは元気なことを示すためにその場で軽く跳び跳ねた。


「アル!良かった治ったんだ」

「うん!心配かけてごめんね環」

「いきなり患者投げてすまなかったなセイ。そういえば魔法少女側に白夜と殴りあえるレベルのヤツいなかったか?」

「一二三か?あいつ遠距離範囲攻撃無かったみたいでタイマンの時より対処楽だったぞ。それより水魔法での水没狙いの方が厄介だった」

「そうだっのか。それと警察は…」

「邪魔だったからさっさと解放した」


 優真が防衛班と合流した時警察の姿が見当たらなかったことを不思議がると、白夜がどうしたのかを説明した。


「そうか。それじゃあ探索班の結果報告を行うが、多分気になってるのはあの二人だろ?」

「あぁそうだ。優真、あの二人いったい何だ?」


 白夜が探索班に配属されていなかった幹部の心の声を代弁して発言する。


「骸骨の方は自称異世界出身の魔法使いライズ·オムニシエンス、もう一人はライズによって復活した八世召だ。ライズは価値の高い情報を持ってる、召の方は魔法少女側の戦力を削る役割があるから連れ帰った」

「…すまん、もうちょい詳しく説明してくれ。それじゃあわからん」

「あ、悪い」


 そうして優真は再度説明を開始した。

 大まかな説明内容としては二人の魔法の詳細、ライズの出身が異世界であることと能力と魔法は違いが無いこと、召が魔法少女連盟の探索を担当している天の声こと通波の姉であること、そして召を探し出せば通波が魔法少女連盟に従う義理がなくなると言うことだ。


「取り敢えず共有すべき情報はこんなもんかな」

「…厄ネタ過ぎるだろ」

「それはそう。あ、言い忘れてたがライズまだ情報持ってるからまだ増えるぞ」


 優真の言葉に会議室が静まり返りウルフのタイピングの音が響く。


「次の報告するぞ。今回の戦闘で環の魔法がパワーアップした。環、一段落ついたら灰崎さんのとこでより詳しく調べとけ」

「オッケー。灰崎さんよろしくね」

「任せろ。魔法のデータはいくらあってもいいからな」


 なおどうやってパワーアップしたかは報告しない。死亡から復活してパワーアップしたなんて報告したら菫と元花が牢にいる二人をタコ殴りにしかねないためだ。


「それと魔法関連でもう一つ、俺の能力が空間操作じゃなかった」

「あぁ、兄さんが後で説明するって言ってたやつか」

「は?おい優真、俺に嘘ついたのか?」


 白夜が優真に怒気の含んだ声で問いかける。白夜は鬼故に嘘が嫌いなのだ。


「嘘ついてねぇよ、というか白夜は嘘が分かるだろ。あの時は空間操作だって本気でそう思ってたんだから」

「…ならいい」


 何とか弁明して白夜の怒りを押さえる。


「さて、俺の本当の能力…、いや魔法は【口寄せ魔法】だ。厳密には実際の口寄せとはちょっと違うが、創作物の口寄せと性能が同じだから便宜上そう言うぞ」


 口寄せ、それはシャーマン、祈祷師などが霊魂を招き寄せて自分に憑依させ、自我喪失の形で霊の代わりにその意志などを発することができるとされる呪儀、あるいはそれを行う人のことである。 巫者や巫女、イタコ、笹ハタキ、座下し、梓巫女、信濃巫、ユタなど、地域によって様々に呼ばれている。


「内容は恐らく死者の魂を憑依して肉体や魔法を再現するものだと思う。人格や記憶はまだ試してないから出来るか分からないがな。ま、環と一緒に後で要検証だな、細かい性能とかも調べたいし」

「ねえ!その魔法でお父さんやお母さんに会えないの?!」


 優真が魔法の説明を終えた瞬間、環が興奮ぎみに質問する。

 しかし…。


「無理だ、これははっきりそう断言できる」


 優真は無慈悲に切り捨てた。


「父さんと母さんが死んだ時から少しの間降霊術や口寄せについて調べてたんだが、術の発動条件が満たせないから調べるの止めたんだよ。調べてわかった術の発動条件は死者の肉体を接種する事。環、父さんと母さんの遺体は少しでも残ったか?」

「それは…」


 二人の両親は魔法少女の魔法に巻き込まれて死亡した。しかし、当時あったことを正確に説明すると、魔法少女の魔法に巻き込まれて塵一つ残らず消滅したと言った方が正しい。

 なので黒榊家の墓に両親の遺骨は埋葬されていない。


「多少俺の魔法は条件が緩和されてるが、その条件も恐らく遺体に触れていることだ。空間操作は元の使用者の血液が俺の体内に入ったことで、外傷転移魔法は使用者の体内にとどまっている鴉の手(レイブン・ハンド)の弾丸が触れている判定になったことで条件をクリアしている」

「それじゃあ…」

「あぁ、どうやったって条件をクリアできない」

「…そっか」


 環の声に元気がない。両親にまた会えるかもしれないと希望が見えたが否定されてしまってはこうもなる。


「お~い、しんみりしてるとこ悪いがまだ話すことあるぞ」

「?、何かあったか白夜。もう殆ど話したはずだが」

「いやまあそうだが…、西方向の通路どうすんだ?一応見つからないように塞いどいたが」

「…あ」

「まさか忘れてたのか?」

「…はい」


 そう、今回探索したのはあくまで東側であり、西側の探索がまだ残っていたのだ。

 しかし東側でライズ達や異世界の情報などの厄ネタが原因で、西側の存在を完全に忘れてしまっていた。


「あ、そうだ。地下にいた地縛霊っぽい魔法少女から聞いたけど今回探索した地下空間は東地下魔道墓地って言うみたい。何か魔法少女連盟でもかばいきれないヤラカシをした魔法少女が入れられるところだって言ってた」

「となると西側にも魔法少女が居ると思っていいな」


 東側はライズ達によって全滅していたが、さすがに西側には魔法少女がまだ居るはずだ。


「で、結局どうすんだ?」

「ライズ達を放置するわけにもいかないし、かといって西側を探索する時間と体力が…あ」


 少しして、優真が何か考えつく。


「アル、お前確か結構な速度で根を伸ばせたよな?」

「伸ばせるけど、何でいきなりそんなことを?」

鴉の手(レイブン·バンド)の弾丸を根にくくりつけて西側へ伸ばし、地下空間へ出たら弾丸を設置してくれ。東と構造があまり変わらなければ道中は大丈夫なはずだ。そして設置できれば弾丸を起点にワープゲートを展開できる」


 優真が考えた作戦は、アルに弾丸を運んで設置してもらうと言うものだ。優真のワープゲートやテレポートは一度行ったことのある場所か写真や肉眼で見たところしか行けない。

 しかし、自身の肉塊である弾丸があればそれを起点に発動可能なのだ。

 アルの根を伸ばす速度は東を探索した時の移動速度に匹敵し、なおかつ半自動で伸ばし続けられる。


「了解!じゃあ早く行こ!」

「そうだな。けと先に報告会を終わらすか。一応聞くが他に報告は…無さそうだな。ではこれにて報告会を終了する。アルによって弾丸が設置された弾丸で直ぐに探索を再開する予定なのでしっかり体を休めるように。以上解散」

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