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死にたくないので自分達だけの第三勢力作りました。  作者: 鬼獣八紅
第七章 アンデッドと魔法の根幹
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進軍

三人称視点です。


「は~、どんだけ続くんだ?この通路」


 レイヴン達探索班は白夜に地上を任せて地下通路を進んでいた。移動方法はオウルの植物製動く床である。


「どうなんだろ?東西に分かれてる通路を東に向かって四時間ぐらい経ってるからそろそろだと思うけど。それよりお腹空いたよ」


 入り口に突入したのが約朝八時、なので今はちょうど昼頃だ。お腹が空くのも仕方ない。

 さらに言えば、レイヴン達は午前中に終わるだろうと判断し食料を一切持ってきていなかった。単純に通路探索を舐めた結果の判断ミスである。


「じゃあ一旦俺だけ戻って食料とってくるわ、防衛班も腹減って『《small》ドドドドッ《/small》!』!?、総員攻撃準備!」


 レイヴンが一時本部へ戻ろうとした時、通路の奥から何やらこちらへ向かってくる足音が聞こえてきたためレイヴンは攻撃準備を指示した。


「相手は…!、炎系能力は前衛へ移動しろ!」

「兄さん相手何だったの?」

「アンデッドだ!」


 レイヴンがスコープで確認したそれは、こちらへ向かってくる無数のアンデッドだった。


「アンデッドは早い話死体だ、なら火葬に使う炎が有効打のはずだ。総員、攻撃開始!」


 探索班に配属された数名の火炎系能力の怪人が一斉にアンデッドへ向けて攻撃を開始する。

 しかし、アンデッドの数が多く倒せたのは前衛三列程度。後ろにいたアンデッドには届いておらず、前衛の屍を超えて進軍してくる。


「ち、止まらないか」

「俺が止める、ブラッドバインド!」


 止まらないと判断した瞬間、赤川が足場を血液で満たしたのち凝固させ進軍を止める。


「炎組はワープゲートへ攻撃してくれ、俺が撒き散らす!」


 次にレイヴンがワープゲートを操作し炎を撒き散らすことで全体を攻撃する。

 そうすることで、こちらに被害を出さずに対処可能だ。


「取り敢えずこれで大丈夫そうだな」

「私ちょっとアンデッド見てくる。何か情報あるかも知れないし」


 そうしてオウルはアンデッドを漁り始めた。アンデッドとは言え遺体をいじるのは余りよろしくないが敵に対する慈悲をオウルは持ち合わせていない。

 そして魔法少女になってから遺体を見る機会も増えたことで、遺体に対する嫌悪感は無くなっていた。大半はオウル自身で作り出した遺体だが。


「うっ…、何か気分が…」

「オウルどうしたの?」

「何でもないよ、マジックターミナルの時みたいに一瞬気分が悪くなっただけだから。ほんと原因なんだろうね、死体自体は別に嫌悪感ないし。ま、そんなことより漁りますか」


 グチャグチャと肉の潰れる音が歩く度に聞こえてくるがオウルは気にせず戦利品を回収していく。


「剣に指輪、それにブレスレットまであるよ。しかも何か全部小綺麗だし」

「グ、ガ…」

「うわ、まだ生きてる(?)個体もいるの?『グチャ』取り敢えず頭潰せば死ぬわよね。ん?こいつが持ってたの、もしかして杖?」


 オウルが頭を潰したアンデッドが持っていたものは装飾された杖だ。それも魔法少女が持っているような装飾が施されたものだ。


「もしかして…」


 オウルは戦利品を確認する。すると回収したどれもが魔法少女が変身する時のアイテムに酷似していた。


「変身アイテムは魔力が含まれてるからそれでわかるはず…、やっぱり魔力が含まれてた」


 魔力を認識している者はある程度魔力を判別できる。さすがに固有魔法で探知系の魔法を持つ者には劣るがオウルも判別は可能だ。

 そして判別結果は『魔力が含まれている』だった。この世界で魔力が含まれている『物』は魔法少女の変身アイテムか魔法少女が生み出した物体、マジックアイテム社の商品くらいだ。

 しかもマジックアイテム社は剣などの武器は生産していない、生産しているのは魔力探知機などのサポートアイテムだ。

 なのでこの大量の武器は魔法少女が何かしら関わっている事が確定した。

 なお、『者』も含める場合生命体も当てはまる。


「兄さん、アンデッドが持ってた武器全部魔法少女の変身アイテムだと思う」

「それマジで言ってんのか?」

「本当だよ」

「…だとしたらこの先、いったい何があるんだ?」


 これだけ大量の魔法少女のアンデッドが出現した。それだけでこの先にはとんでもないものがあるということが分かる。

 

「そもそも怪人って自然発生しないはずだろ、何でアンデッドというか怪人がいんだよ」

「え、怪人って自然発生しないのか!?」

「いやそんなの当たりま…いや、赤川は関わり始めたの最近だから知らないのも無理ないか」


 レイヴン達もつい最近知ったことだが、怪人は通常自然発生しない。

 ではなぜ赤川が知らなかったのかというと、怪人は自然発生する場合があるという説があるからだ。

 なぜこのような説があるかというと、魔法少女出現前に流行っていた異世界ファンタジーが理由だ。

 異世界ファンタジーの中には、モンスターは魔力溜まりから発生するなどの設定である作品も多くあった。

 それに加え、今でもそうだが異世界ファンタジーのモンスターをモチーフにした怪人が多かったのもあり、自然発生する可能性があるという説が出てきたのだ。

 しかし実際は悪の組織の怪人生成機で作成された怪人がほとんどであるが、悪の組織が姿を見せずに怪人を放つ場合もあるため誰が生成したのか不明の怪人もいる。

 このような怪人が自然発生した怪人と勘違いされる場合もあるため、この説が今でも残っているのだ。

 

「ま、今はそんなこといいよ。兄さん、この遺体しまっといてくれる?魔法の練習にも使いたいからさ」

「わかった、けどなるべく早く使いきってくれよ。腐ったもの異空間倉庫に放置したくないし」


 そうしてレイヴンは遺体を異空間倉庫へと収納する。臭いが未だに充満しているがそこは仕方がない。


「なあ、一旦地上へ戻らないか?ここへはもう来たから俺のワープゲートですぐに戻ってこれるし。何よりここで昼食いたくない」

「賛成、他のみんなは?」


 オウルが怪人たちに聞いたところ全員が賛成した。


「よし、それじゃあ一旦防衛班と合流するぞ。そしたら昼食だ、食欲あるかは知らないが」


 遺体を見た直ぐ後で食欲があるのは、この中ではオウルくらいである。

 そうしてレイヴン達は一旦地上へ戻ることにした。


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