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死にたくないので自分達だけの第三勢力作りました。  作者: 鬼獣八紅
第六章 化け猫少女と吸血少年
58/163

時間

前半オウル視点、後半レイヴン視点です。


「灰崎さん急いで怪人生成機の起動準備して!」

「オウルいきなりどうし…」

「いいから早く!」


 兄さんに本部へ送られてから急いで灰崎さんに機械を起動してもらう。

 この手の機械は灰崎さんに頼んだ方が確実だしね。


「準備できたぞ」

「了解、材料セット!」


 怪人生成機はカプセルベッドみたいな形状なので寝かせるようにセットする。

 そして蓋を閉じればセット完了。


「起動!」

『詳細設定を入力してください』


 は、何これ?


「オウル、お前設定何もせずに起動したな。それは細かな設定が必要何だよ、急いでたからといって先走るな」

「う、ごめんなさい」


 確かにこちらのミスだ。次から気を付けよう。


「しょうがない、設定操作は俺がする。何か要望はあるか?」

「人格、記憶は生前のまま、後は時間が無いからお任せで!」

「…OK、できたぞ」


 よし、これで後は待つだ…。


『怪人完成まであと十二時間』

「…は?」


 ざっけんな!これじゃ間に合わないでしょ!


「灰崎さん、時間を短縮する方法ない?!」

「あるわけ無いだろ、そんなのあったら使ってるわ!」


 だよね、本当にごもっともすぎる。


「そもそもそいつは誰だ?」

「…同級生の赤川操くん、そして元花の暴走した原因だよ。元花の分身が血まみれ赤川くんを守ろうとしてたから、何かしらの要因で赤川くんが傷ついた事が原因だと思う」

「…ああ!元花が友達出来たと嬉しそうに話してた子か!」


 灰崎さんの言う通り、元花は赤川くんの事をとても嬉しそうに話してた。本人には素っ気ないような態度をとっていたけど内心とても嬉しかったのだろう。

 素っ気ない態度をとる自分に優しくしてくれるような子が目の前で瀕死になれば暴走するのも可笑しな話しじゃない。

 

「それで、怪人生成機で赤川を蘇生させ元花を止めてもらうつもりだったのか?」

「そうだよ、むしろそれしか作戦が残ってない」

「…少し待ってろ、どうにかなるか解析してみる」


 本当にどうしよう、もし止まらなかったら…いや止める方法自体はあるか。観察してわかったけど、再生で本体になるのは脳があった方みたいだから頭持って帰れば最悪それですむ。

 けど、それだと元花の精神面がヤバい事になってるのは変わらないから結局赤川くんを復活させるしかないか。


「オウル、時間を短縮する方法が見つかったぞ!」

「本当!」

「ただ、その方法が所要時間×一年の寿命を捧げる事らしい」

「なんだ、その程度か」


 今回必要となるのは所要時間十二時間×一年で合計十二年だ。けど、この前の戦いで人生十周出来るぐらい寿命が貯まってる。たかだか十二年、どうと言うことはない。

 

「おいマジでやるのか?」

「別にいいよこれくらい。それに、こういう身体に関わるデメリットを受け持つのは、それらを踏み倒せる私の役目でしょ!」


 さあ、とっとと目を覚ませ赤川操!元花には貴方が必要なのよ!




   ◇◇◇




「菫、大丈夫そうか?」

「あ、レイヴンさん。来てくれたんですね」


 オウルを本部へ送った後、俺は菫の方へ合流した。

 白夜の方はタイマン邪魔されるのを嫌がりそうだし、なりより菫には十五人足止めする役割を任せちゃったしな。

 その割にはぴんぴんしてるが。


「割りとまだまだ余裕有りそうだな」

「そうでもないです。今は毒の威力と虚勢で何とかしてますけど結構危なかったんですよ」

「それはすまんかった」


 だとしても凄いな、一対十五だぞ。良く持ちこたえてくれたな。


「それで状況は?」

「結構な時間膠着状態が続いています。それと相手の魔法ですが、水と火が三人、風と土が四人、そして防御系魔法や回復魔法擬きに転用出来る固有魔法が一人です」

「チ、面倒だな」


 四属性魔法とは違い、固有魔法のそのほとんどが個人によって異なる。似たような事象を引き起こせる魔法だとしても、魔法の中身が全く異なる場合が多い。

 魔法ではないけど白夜とビルドがいい例だな。物をくっつけるという結果は同じだが、白夜が摩擦力でくっつけているのに対し、ビルドは溶接みたく物理的にくっつけるといった違いがある。

 なので固有魔法は考察を見誤るとわからん殺しを食らいやすい。下手すればそのまま敗北一直線だ。


「開幕直ぐに数人に毒が掛ったんですけど、見ての通り毒の症状が全然進行してません。それに、次からの攻撃は魔法少女側に一定距離以上進まなくなりました」

「その状態でも向こうからの攻撃は通ると」

「はい、なんとか毒の放出力で拮抗出来たので膠着状態には持ち込めましたがこれが崩れるのも時間の問題です」


 なる程な、けどこの状態を下手に動かしたくないんだよな。


「魔法少女側の行動は?」

「時々魔法を放ってくる程度ですね。恐らく私の魔法による周辺被害を気にして下手に大規模魔法を使えないのだと思います」

「周辺被害?ああ、そういうことか」


 阪神国際空港跡地のある大阪湾はほぼ全域が漁場として使用されている。そのような場所で菫が全力で毒を放出したら大阪湾は数日で汚染され、生息しているほぼ全ての生物がお陀仏になる。

 そうなれば漁業関係の被害総額は計り知れない事になるぞ。


「…そうだ、それを交渉材料にすればいい」

「どういうことですか?」

「こうすんだよ」


 そうして異空間倉庫からメガホンを取り出す。電源はちゃんと入るな。よし。


《big》「聞こえるか魔法少女!今すぐにここから撤退しろ!さもなくば大阪湾に猛毒を放流する!そうなれば数年は大阪湾の漁獲量が零になるだろう!」《/big》

「ちょ、レイヴンさん!何してるんですか!」

「ん?別に本気でやろうとは思ってないぞ、単なる嚇しだ。魔法少女側からしたら菫の魔法を見てるせいで無下には出来ないだろうからな。実際やろうと思えば出来るだろ」

「まあ出来ますけど…」


 …やっぱ菫って魔法の才能的な何かがヤバイな。

 っと、そんなことより魔法少女は撤退…するどころか何か攻撃貯めてね?

 

「レイヴンさん!何かヤバイのが来ます!」

「やっぱりそう見えるよな!ワープゲート!」


 四属性全てが込められたヤバそうな魔法をワープゲートで送り返す。

 しかし、魔法少女の少し前で魔法は推進力を失ったように停止し霧散した。


「あれが菫の言ってた魔法か。とりあえずあのレベルの攻撃は防げることはわかったがどんな魔法なんだ?ま、とにかく交渉は決裂だな。菫、毒を目に見えるようにチャージしてくれ。そしていつでも発射できるようにしとけ」

「わかりました」


 殺りあいたくはなかったが、仕方な…。


『兄さん、赤川くんが復活した!今そっちに転送する!』

「ナイスタイミングだ」

「レイヴンさん、どのような連絡で?」

「元花を止めてくれるかもしれない友人が復活したって連絡だ。さて菫、その友人が元花を止めるまで後少し頑張るぞ」


 本当に頼んだぞ赤川操、お前なら元花を止めれるはずだ。

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