演説
レイヴン視点です。
「お~い優真、準備出来たぞ」
「ああ、わかった」
会議が終わった後、白夜に住民を城下町の広場に集めてもらった。
これから行うのはこの同盟に関しての演説だ、失敗は出来ない。けれど仕込みはしてあるから大丈夫だろ、多分。
「仕込みの許可ありがとな」
「いいって、それじゃあ先に俺が挨拶してくる」
そう言って白夜は広場のステージへ登っていった。
「あ、あ~マイクテストマイクテスト、全員、あつまってるか?!これから行う演説は昨日交付した同盟についてだ!この同盟はいずれ世界を変えると思っている!これから同盟相手をここに呼ぶ!聖魔連合連合長、黒榊優真だ!」
白夜の合図で俺はワープゲートを展開してステージへ移動する。普通に登ったりテレポートでもよかったが、雰囲気を出すためにワープゲートにした。
格好はいつもの服にマントだ。無論ペストマスクもつけている。
「この度、白夜さんと同盟を組んだ黒榊優真です。早速ですが、この同盟の目的をお話します」
住民たちが少しざわつく。同盟自体は昨日公表されたが内容までは公表してないからな。
「この同盟の目的は、あらゆる人が平等に平和を謳歌できる世界を創ることです」
「現在、この世界は魔法少女による治安維持活動によって保たれています。しかし、その方法は暴れている怪人を殺すこと、言うなれば殺人ですね、怪人は人間…人ですので」
「しかも、魔法少女は怪人を殺すために周りを巻き込むことを躊躇しませんし、なんならそれで周りに出す被害の方が大きかったりします」
「例えるなら今の世界は、永遠に終わらない魔法少女対怪人の戦争を続けているようなものです」
「このような世界は果たして平和と言えるのか?少なくとも私はそうは思いません。いつ何に巻き込まれて死ぬかもわからないこの世界。あなた達は経験済みのはずです、捕まって怪人に改造され魔法少女に殺されかけた恐怖を」
「ならこの世界をどうするか?魔法少女を全員抹殺してもいい。しかしそれでは復讐の連鎖が続いてしまう。それに魔法少女もこの世界の被害者です、国から怪人は悪だと義務教育で刷り込まれてしまっているのでね」
「ならばどうするか?社会は政府によって管理されている。それならこの腐った政府をぶっ壊しましょう!政府は今まで都合の悪い物に蓋をし続けました、今こそ、その蓋を壊し平和を手に入れましょう!」
「『戦争では、政府が誰が悪者なのかを決める。一方革命では、あなた自身が悪者を決めるのだ』、政治家、ベンジャミン・フランクリンの言葉です。政府は怪人が悪と決めつけている。ならば、こちらは今の政府を悪とし、革命を起こそうではありませんか!」
「そして、その革命の暁には皆さんが何にも怯えず平和を謳歌できる世界を創ることを、鬼頭白夜、並びに幹部の皆さん、そしてこの場に集まった全ての人々立ち会いの下、ここに宣言します!」
住民から歓声が上がる、取り敢えずこれでよかったぽいな。
「しかし!その前に、ここが8月11日に魔法少女に襲撃されることを魔法少女側に潜入している妹が知らせてくれましてね。ここを失くすのは惜しいと思い、白夜さんの許可の下、この地を私達の本拠地へと移動させます!」
そうして演説前に仕掛けておいた物を発動させる。
伊吹城がある地下空間を囲むように鴉の手の弾丸を設置しておいたのだ。
「さあ、本拠地へとご案内いたしましょう」
そう言って地面に手を置き、地中にワープゲートを出現させる。サイズは弾丸が囲ってる範囲全てだ。
「環、もうすぐそちらに着くぞ」
『了解!』
ペストマスク内部に仕込んでおいた通信機で本拠地にいる環へ連絡を取る。
環には伊吹城のテレポート先の準備を頼んでいた。
そうして、伊吹城が本拠地である月に着陸した。
「どうやらうまくやってくれたみたいだな」
テレポート先は月の海上だ。とはいえ陸地とは地続きになっているから浜辺と言った方がよいか。
足場に海水でも問題ないマングローブを使用し、その上にテレポートさせた。
「ここが私達の本拠地です、ここには殺そうとしてくる魔法少女はおりません、この地にいる時は安全を保証しましょう」
◇◇◇
「ふ~やっと終わった」
「お疲れ優真、住民達も喜んでたぞ」
「ならよかった」
こうして人前で話すことなんで今まで無かったからな。やっぱ慣れないことはするもんじゃないな。
それに、ヘイト管理も大変だった。下手に魔法少女を悪と言ってしまうと本当に平和の為に戦ってる魔法少女、最悪環や菫にヘイトが行く可能性があったからな。
取り敢えず政府にヘイト向けたけど、そのうち邪魔になりそうだしこれでいいか。
「後は8月11日の準備だ、よろしく頼むぞ白夜」
「おうよ!」




