VS白夜
レイヴン視点です。
「白夜様、広場の準備が整いました」
「おう、ありがとな天魔」
牢屋で同盟についての話し合いをし、条件である強さを示すために伊吹城の裏にある広場に来た。そこでは天魔と呼ばれた天狗が神通力らしき力で広場を整えて待っていた。
「レイヴンさ~ん!」
「レイヴン様、無事でしたか」
お、セレネと元花も来てたみたいだな。
「ああ、この通り五体満足だ。そちらは問題無かったか?」
「ええ、牢屋に入れられただけで特にこれといって拷問などはされませんでした」
どうやらちゃんと無事だったらしい。
「白夜様~曇天を持ってきました~」
「ありがとなスカイ、あともう少しシャキッとしろ」
「は~い」
こちらが話している間にスカイと呼ばれたハーピィが白夜の武器を持って来たみたいだ。曇天と呼ばれた白夜の武器は約1メートルほどの棒の両端に鬼の金棒を小さくしたような重りが付いた武器だ。確かモーニングスターって武器だったはず。
「さて、観戦者として俺の幹部がいるがいいか?」
「こっちもセレネと元花がいるからお互い様だろ」
広場の周りには俺たちを囲ってた怪人が戦いを見ようと集まっている。
「天魔、審判よろしく!」
「承知いたしました、この試合において審判を勤めさせていただく天魔と申します、周りの者は自己防衛が出来るため気にせず戦ってください、両者、準備はよろしいでしょうか?」
「ああ」
「出来てる」
「それでは試合…開始!」
《ドンッ》
「よしヒット!」
試合が開始した瞬時に白夜の頭上から丸太数本を異空間倉庫から取り出してぶつける。そこからさらに瓦礫を大量に取り出して白夜を生き埋めに出来るぐらいに上から落とす。
「これでダメージが入れば…な!地面が!」
「よくもいきなり攻撃してくれたな!」
「!?」
どう言うことだ?地面が液状化したらいきなり白夜が後ろに移動している。というかこのままじゃモーニングスターに当たる。
「テレポート!」
何とかテレポートで白夜の攻撃を回避する。というか白夜の能力は何だ、地面に潜って回避したから大地操作系か。
「テレポートか…それにさっきの丸太の召還、お前の能力は少なくとも物体を移動させる系の能力か」
しかも今の攻防で白夜に能力がある程度バレた。けど全容が割れてないだけましか。
「今度はこちらから行くぞ、鬼の礫!」
白夜がそう宣言した瞬間に液状化した地面をモーニングスターで殴って礫を飛ばしてきた。
「異空間倉庫!」
飛んできた礫を異空間倉庫へ格納して防ぐ。ワープゲートは一応まだ隠しておく。
「っ、また姿を消しやがった」
おそらく礫に紛れて地面に潜ったのだろう。
なら…。
「地面をまるごと異空間倉庫にブチ込む!」
範囲は広場全域、深さは約10メートル。
「テレポート!」
指定した範囲の地面を異空間倉庫へ格納する。
「おっと!」
よし白夜が見えた。
「鴉の手、モードミニガン!」
今の白夜は地面がいきなり消え、空中に投げ出されて身動きが取れない、弾丸を当てるなら今だ。
「発射!」
一発でも当たれば異空間倉庫に転送できる。そうすれば俺のか…ち…。
「そんな攻撃効くか!」
嘘だろおい、一発も当たってねぇ!いや当たってるが弾丸が皮膚を滑ってる?
「マジでどういう能力だよ!」
「おいおいもうお手上げか?まだまだ戦いはこれからだろ!」
「っ、まだだ!」
さらにミニガンで弾幕を展開するが白夜には相変わらず滑って当たらない。
「よっと」
そして地面に着地した白夜はその勢いのまま地面を液状化して潜った。
このままじゃジリ貧だな。なら。
「異空間倉庫、足場展開」
近づかれない空中へ逃げる。
異空間倉庫から俺が乗れるサイズの瓦礫を空中に多数展開してそのうちの一つに乗る。
「さあ、何処から来る?」
空中にいれば、少なくともいきなり背後を取られる心配はない。土の塊を飛ばされても足場がコンクリートだからある程度は防げる。
「おいおい、空中に逃げたのかよ」
「白夜が地中へ逃げたからだろ!」
少しして白夜が地中から出てきたので改めて弾幕を張る。
「ち、速くて当たらねぇ」
しかし、白夜が地面を滑るように高速移動を始めたため弾幕が全て躱された。
「空中は面倒だな、鬼脚」
「…は?」
弾幕を躱していた白夜がいきなり空中歩行しだした。
「てめえ空中歩行もできるのかよ!」
「わざわざ教える義理もないからな!」
白夜が曇天を振るってくるがテレポートで回避する。
しかし、ほんとどうするか。今まで確認できた能力を使用したと思われる行動は地中移動、弾丸回避、地面滑走、空中歩行の4つ。嘘の判別は鬼としての能力と言ってたから除外するにしてもマジで能力がわからん。
…これ一瞬の隙をついて早期決着した方がいいな。恐らく体力的にも相手の方が上だし最悪大怪我しても環に治してもらえばいい。
「瓦礫隕石!」
まずは広場の上空から異空間倉庫にある瓦礫の全てをぶちまける。自分に当たりそうなのは異空間倉庫へ再度格納すればいい。
「おいおい攻撃が雑になってるぞ!」
白夜は曇天で瓦礫を弾いているが問題ない。テレポートで白夜の後ろに移動、一瞬で決める!
「時空切削!」
「!」
狙うは腕、触れれば勝利に近づく。
「危ね!」
しかし、白夜に曇天の後ろ突きで触れようとした腕を打たれた。今の攻撃で片腕が消し飛んだし滅茶苦茶痛いけど、白夜が攻撃したこの隙を突く!
「ワープゲート!」
今まで隠していたワープゲートを白夜の脚元に展開し、両足が入るようにスライドする。この間約0.6秒、さすがに躱されないはず。
「解除!」
「!、痛っ!」
ワープゲートが閉じ、白夜の両足が切断される。
そして飛行機能を失った白夜はそのまま地面へと落下した。
「てめえ、さっきの技ずっと隠してたのか?」
「そうだ、そうでもしないと勝てなさそうだったからな」
とはいえ、さっきのワープゲートによる切断はほとんど初見殺だ。それに腕からの大量出血で立っているのがやっとだ。それに比べ、白夜の脚からはほとんど出血していない上、上半身はまだピンピンしている。
「まだ戦うか?」
「…いやいい、俺の敗けだ。またさっきの攻撃されたら躱しきれないからな。天魔!試合の決着の宣言を頼む!」
「…は!しょ、勝者、黒榊優真!」
これで、何とか同盟の条件は達成だ。




