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武器製作

優真視点です。

「灰崎さん今ちょっといいか?」


 全日本魔法少女連盟から手紙が来た翌日、俺は月に有る本部に来ていた。

 後で本部の名前相談するか。|新たなる素晴らしき世界の種《ニューワールド·コア》はあくまでここを作った時の魔法名だしな。


「ああ、ちょっと待っておくれ」 


 やっぱり灰崎さんは研究室にいた。

 というか目の下に隈が出来ているが寝てないのか?


「…これで良し。それで、何の用だ優真?」

「少し俺達の装備についての相談があるんだ」


 今の装備は俺が拳銃とリボルバー、そしてミニガン、環はそもそも装備すら持っていない。

 まあ、変身する時のブレスレットが装備かも知れないが、青柳さんとかの装備と比べると明らかに心許ない。

 そもそも環の魔法はゲームで言うところのヒーラーだ。戦力的に戦うしかないにしろ、ヒーラーが前線で戦う装備としては今の状態だとまずい。

 環が倒されたらヒーラーがいなくなりこちらが全滅する可能性もあるからだ。

 しかし環の性格上、父さんと母さんを亡くしたトラウマで仲間を見捨てることはしないはず。すると自ずと前線へ行くことになるので、身を守る装備が必要だ。

 それに俺の装備も魔法少女や怪人と戦うには心許ない。


「そういう訳で、俺達の装備を作ろうと思う」

「それは分かったが、何で俺に相談を?」

「これを使いたいからだ」


 今回、武器作成に使うのは黒曜団から奪ってきた怪人生成機だ。

 確かに武器を作るだけならセレネに頼んでも問題は無い。しかし、今回は怪人生成機を使用するので使い方を知っている灰崎さん監修でやった方が安全面的に良いのだ。


「それに使う素材が少々特殊でね、怪人生成機を使わないといけないんだ」

「何を使う気だ?」

「これだよ」

「…おいおいマジかよ」


 俺が異空間倉庫から取り出したのは、昨日セレネによって切断された俺の手首と今朝頼んで採血してもらった環の血液だ。

 

「これらを使って武器を作りたいから灰崎さんに相談したんだ」

「まあ、怪人を作る時にその組織のボスが血液を材料として提供する事はあるが…武器として使用するとは聞いた事無いな」

「それとこれも使う」


 さらに取り出したのは、俺が遠くに飛ばしたセレネの盾と中央のサクラの木の枝だ。

 ちなみに、盾に関してはセレネに使用許可を貰ってるし、枝は祟りなんかが怖いのでセレネに頼んで木霊鎮めをして貰ってから切断した。

 なぜセレネが木霊鎮めが出来たのかは謎だが今は関係ない。


「それに、灰崎さんだって気にならないか?これらを使って作られた武器がどんな武器になるか?」

「確かに魅力的な提案だな、是非とも立ち会わせてくれ」


 よし、灰崎さんの協力も取り付けられた。


「それじゃあまず俺の武器から作るが、機械に材料を入れればいいのか?」

「そうだよ、それからある程度の設定を入力するんだ」


 それじゃあ入れる材料は…ベースとなる材料は拳銃、その他にリボルバー、ミニガン、後は適当にアサルトライフルにサブマシンガン、スナイパーライフル、そして手首だな。

 設定は人格は無し、サイズはリボルバーくらいだな。てかこれくらいしか設定できないのかよ。


「これでよし、スイッチオン!」


 材料を入れて機械を起動すると、機械は音を立てて動き出した。


「これどれくらいで出来るんだ?」

「だいたい人格のある怪人で2~3日だな。ただ今回は怪人じゃなくて武器だからもっと早く『完成しました』…出来たみたいだな」

「それじゃあ取り出すぞ」


 さてさてどんな出来映えかな。


「…なんと言うか、禍々しいな」


 完成した銃は赤黒く、表面は血管がのような模様が浮かび上がっている。

 しかし、質量保存の法則が完全に無視されているがこの機械本当にどういう仕組みだ?

 まあそんなことはどうでもいいが。


「灰崎さん、この銃の機能は?」

「機械によると【能力付与】と【形態変化】だな。【能力付与】は弾丸に魔法を付与して着弾地点に能力を発動できる、【形態変化】は材料とした武器に変化できるみたいだな」


 なるほど、それじゃあ外で試し打ちしますか。



   ◇◇◇



「この辺でいいだろ」


 ワープゲートで移動した場所は本部の目の前だ。

 ここなら誰もいないし十分なスペースがある。

 さらに森に探索に行っている元花とセレネにも試し撃ちするから気を付けろとの連絡もし終わった。


「灰崎さん、記録準備出来てるか?」

「いつでもいいぞ、始めてくれ」


 灰崎さんは発砲した時の記録を頼んでいる。後で問題点が無いかの確認のためだ。


「それじゃあ…発射!」


 銃の引き金を引いた瞬間、銃口から勢い良く弾丸が撃ち出され的にしていた木に命中した。

 

「灰崎さんどんな感じだ?」

「見てた感じ問題無いな。ただ、何か弾丸が赤く見えたな」


 弾丸が赤く?何でだ?


「弾丸を確認してみるか、ワープゲート」


 弾丸をワープゲートで取り寄せる。


「弾丸は…何だこれ?指?」


 俺確かに弾丸を引き寄せたよな?

 まさか発射されたのこの指か?


「おい!こっちに血痕がついてるぞ!」


 灰崎さんが確認したのは発射されたものの着弾地点だ。

 あそこに血痕があったってことは発射されたのはこの指でほぼ確定だな。

 

「灰崎さん、その血痕この指が原因だ。そして恐らく着弾地点に能力を発動させられる理由は使用者の肉片を指の形にして飛ばしてるからだ」


 能力者の能力の発動条件が触れる事なら、確かに指の形の肉片が撃ち込まれるから触れた判定になり、能力の発動条件は満たしている。

 放出系の能力だとしても、撃ち出された指を始点に能力を発動できる。

 …かなりイカれてるなこの武器、俺の能力のデメリットが一つ消えたぞ。


「灰崎さん、形態変化を試すから俺の後ろへ移動してくれ」

「分かった」


 灰崎さんの移動も終わったな。

 それじゃあ…。


「形態変化!ミニガン!」


 俺が宣言すると、銃はみるみる形を変えていく。

 そしてあっという間に拳銃からミニガンの形に変わった。


「発射!」


 ミニガンのトリガーを引くと赤い弾丸が撃ち出され、弾丸をなぎ払うように森へ撃っていく。

 これの一つ一つが指だと思うと少し気持ち悪いな。


「よし、弾丸から半径1メートル内の物体を上空5メートルに転移!」


 すると地面が抉られ、空中に土の塊が出現し落下した。


「これで確定だな、弾丸を接触させることで能力を発動できる」

「優真、後で弾丸を調べていいか?いろいろな研究に使えそうだ」

「ああいいぞ、よろしく頼む」



   ◇◇◇



「環の武器の材料は、ベースの材料にセレネの盾、他に環の血液と桜の枝だな」


 それじゃあスイッチオンっと。


「しばらく待機だ『プルルルル』なんだ?」


 鳴ったのは…元花に持たせた通信機?


「どうした?」

『優真さん、至急こちらに来てもらってもいいですか?』

「分かった直ぐ行く」


 いったいどうしたんだ?



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