全日本魔法少女連盟
環視点です。
「ここか…」
郵便受けの手紙をみた翌日の日曜日、私は東京タワー跡地に来ていた。
東京タワーは2081年10月31日、世界で初めて怪人、そして忌々しい魔法少女が現れた事件、『東京タワー崩壊事件』で倒壊した。
ちょうどハロウィンだったこともあり、万単位の死傷者が出たらしい。
本来は倒壊した時に取り壊す案もあったらしいが、地元民の強い希望により今は慰霊碑となっている。
ここに来た理由は、昨日の手紙の指定先がここだったからだ。ここに隠し通路があるらしい。
昨日手紙が来てその翌日に呼び出しとかふざけんなって話だ。
『環着いた?』
(ん?アル起きたの?今ちょうど着いたよ)
今回、全日本魔法少女連盟に来るに当たってアルに着いてきてもらっている。とはいえ今まで寝ていたみたいだが。
今のアルは私の魔法によって私と一体化している。
これは|悪食の大森龍《グラトニー·フォレスト·バハムート》の応用だ。アルの神経と私の神経を繋げて声を出さずとも会話できるようにし、アルの体も植物判定なので植物操作でアルを私の左手に義手のようにして固定している。とはいえ回りから見たら何かあの人の腕緑っぽいなと感じる程度だが。
(さて、アルよろしく)
『わかった、根張り!』
アルは私の左手から地面に種を落とす。
今回アルを連れてきた理由は、全日本魔法少女連盟の建物の大きさの把握と侵入経路の作成のためだ。
アルが根を張ることで建物全体の大きさを把握、そして張った根をアルと一体化した私が根方移動で侵入することができるようになる。
(アル、根を張ってる間に魔法少女連盟の建物行くよ。それと、根はなるべくゆっくり張ってね)
『わかった』
アルの根をゆっくり張る理由は、魔法少女側に索敵魔法持ちがいる可能性があるからだ。
私が魔法少女になったのは三日前、それに魔法少女として初めて活動したのが二日前、それなのに昨日手紙が届いたということは魔法少女側に私の住所がどういうわけかバレたと言うことだ。
二日前の活動で確かにカメラで撮られたが、本名は言ってないし、すぐに人目の無い山に入った上、髪の色も普段とは違うからネットの特定班でも特定に至るまでの情報は無いはず。
それにぽっと出の魔法少女より人気の魔法少女の特定の方が、特定班にとっても有意義のはずだ。
それなのにバレたと言うことは、魔法少女側に何かしらの索敵方法があるということだ。
ならばこちらも情報をもらうぞとアルに根を張ってもらってるが、魔法少女側に悟られないようにゆっくりと根を張るのだ。
まあ、私の特定に国家権力とか使われてたらこんなこと無意味だが、手紙の宛名が環さんではなくオウルさんとなっていたので国家権力は使われてないと信じたい。
アルの根を張ってる間に、手紙に記されていた建物の隠し通路のある場所へ移動する。
「えっと…このマンホールかな?」
手紙に書かれた位置にあったのはマンホールだ。このマンホールの上で合言葉を言うと、全日本魔法少女連盟への隠し通路が表れるらしい。
「合言葉は…『魔法少女、平和の為にこの身を捧ぐ』」
手紙でも思ったがこの合言葉には反吐がでる。何が平和だよ、お門違いかも知れないが、魔法少女のせいでお父さんとお母さんが死んでんだよ。
『環落ち着いて!』
(!、ごめんアル、取り乱した)
自分で言うのも何だが、やっぱり私の怨みは異常だよな。合言葉程度で我を忘れるのは何とかはしないと。
(空いたみたいだな)
アルと話している間にマンホールが開いたみたいだ。下にあるのは…階段?
『環早く降りよ』
(わかった)
私達は階段で下へと降りていく。
「あれ?行き止まり?」
降りた先は行き止まりになっていた。手紙に書かれてた場所は合っているはずだが…。
『魔法少女かの確認のため、変身してください』
「え!アナウンス?!」
いきなりアナウンスが流れたから驚いた。取り敢えずアナウンスの指示に従うしかなさそうだな。
「変身」
アナウンスの指示に従って変身する。アルと一体化しているからか、左腕がトレントのようになった。
『魔法少女の確認が取れました、この先へお進みください』
変身したら行き止まりの通路の先が開き先へ進めるようになった。
「ここは…駅?」




