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死にたくないので自分達だけの第三勢力作りました。  作者: 鬼獣八紅
第二章 月面世界と機械の天使
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再起動

三人称視点です。

 4人と一機は異空間倉庫へと移動したあと、直ぐにロボットの修理に取りかかった。

 とは言え、実際に作業しているのは灰崎一人だけだが。


「灰崎さん、後どれくらいかかるか?」

「もう少しで修理は終わるよ。といっても、動けるようになるだけで武器などの修理はまだだけどな」


 灰崎の技術力は凄まじく、優真が黒曜団から奪った機械やがらくたからロボットを修理していく。


「ただ、表面の人工皮膚は材料がないから修理できないけどな」


 今のロボットは四肢が全て義手、義足になった人みたいな状態になっている。


「それと、優真には部下として説明しておかないといけないことがある」

「何だ?」

「このロボット、オーパーツの可能性がある」


 灰崎の発言に優真は耳を疑った。


「それは本当か?」

「ああ、このロボット、現代技術より高度な技術で作られている。正確には現代技術でも十分再現可能な所もあるが、一部明らかに再現不可能な箇所がある。それに材料も不思議だ、俺が知っている金属にこんなものはない」

「ただ単に灰崎さんが知らなかっただけでは?」

「これでも工業大学主席で卒業してるぞ」

「あ、はい」


 大学を主席で卒業するくらい頭が良かったのを優真は知らなかったが、それだけ頭が良ければ本当なのだろうと納得する。


「それとプログラムについてだが…」

「まだあるのかよ」


 正直、優真はオーパーツの話で頭がいっぱいなのでこれ以上話をややこしくしてほしくないのだ。

 しかし、組織の長としてしっかりと話は聞く。


「使われていた文字がアルファベットじゃなかった」

「はぁ?!」


 またしても優真は驚く。普通、プログラムで使われている文字はアルファベットが一般的で、他の文字が使われることはあまり無いのだ。


「それも、楔形文字みたいな文字だ。その文字がパソコンに表示された時は驚いたよ」

「それじゃあ直ぐに解析出来なかった理由って…」

「想像通り、文字の解読が出来なかったからさ。さすがに文字については専門外だからね」


 いくら灰崎の頭が良くても、専門知識が必要な分野は一般人と大差ない。


「その後直ぐにハッキングできた理由は?」

「おそらく環が飲み込んだ時にセキュリティの一部が壊れたんだと思う。実際、ロボットの頭が一部壊れてたし」


 灰崎の説明によると、ロボットの楔形文字でプログラムされた箇所は外部から後付けされたものだったらしく、その箇所が故障しプログラムが停止、その隙にハッキングが成功したらしい。

 ちなみに、内部はちゃんとアルファベットでプログラムされていた。

 

「それで、結局そいつは仲間に出来そうか?」

「出来ると思うよ、プログラムを見た感じ楔形文字が難しかっただけで、中はそれほど難しく無かったから書き換えれば良いだけだ。ただ、中に有ったであろう情報が、最低限を残して全て削除された痕跡があった」

「それくらい何も問題無いよ」


 聖魔連合はもともと、聖なる者も魔の者も平和に生きれる世界にする事が目的だ。なので、今さら身元不明のロボットが加入しても何も問題は無い。


「…ん、ここは…」

「あ、起きた、優真~環起きたよ~!」

「う、うるさい…」


 優真と灰崎がロボットについて話していると、疲れのため寝ていた環と、再生のエネルギー不足を補うために寝ていた元花が起きた。


「お、二人とも起きたか。体調は問題無いか?」

「大丈夫だよ」

「問題無いです」


 二人の体調が問題無いことを確認し、優真は本題の話をする。


「起きて直ぐで悪いが、これからロボットについての相談をしたい。仲間にすることは確定だが、今後こいつをどうするかのな」


 優真はロボットに視線を向けてそう言った。


「そもそも今どこまで話したの?」

「ああ、確かに説明してなかったな」


 優真は環と元花に灰崎との会話内容を話した。


「なるほどね…ある程度理解した」

「理解したな。それで、結局こいつどうする?」


 優真の質問に全員で考える。


「…優真がトップだとかいろいろ設定できるけど、そうするか?」

「そう言うことは先に言え!」


 優真は灰崎に文句を言うが、灰崎は無視して設定の準備をする。


「で?何を設定すればいいんだ?」

「無視かよ…取り敢えず俺をトップとするように設定してくれ。他は何が設定できるんだ?」


 灰崎はまだ、何を設定できるのか説明していない。


「設定できるのは、誰の指示を聞くのかとロボットの名前だな。さっきはトップを設定できるって言ったけど、正確には指示を出せる人の設定だね。その他はもともとのプログラムを下手にいじるよりそのまま使った方が良さそうだから設定できるのは2つだけだね」


 そうして灰崎はあらかじめ決まっていた指示を出せる人を優真に設定する。


「さて、次にロボットの名前だが何か案はあるか?」


 次にロボットの名前(名称)を決める。


「…セレネとかどう?」


 環が名前についての案を出した。


「そのロボット月で見つかったでしょ、どこの国の呼び方か忘れたけどセレネって月の神様の名前がいいんじゃないかな?見た目天使っぽいから似合うと思うし」

「いいと思うよ!」

「…私もいいと思います。なんか響きもいいですし」


 環の案にアルと元花が賛成し、多数決によりセレネに決まった。


「それじゃあ起動するよ」

「…環、アル、元花、一応戦闘準備」


 誤作動で攻撃されても対処できるように、灰崎意外の4人はいつでも戦闘できるようにする。

 そして灰崎がロボットを起動し、ロボットが作業台から起き上がる。

 ロボットは辺りを少し見渡した後、作業台から降り、優真の前で片膝をついた。


(わたくし)はセレネ、何なりとお申し付けください優真様」


 ロボットーセレネは優真に向かってそう言った。


「…灰崎さん、この動作は正常なんだよな?」

「正常だよ」


 優真は灰崎に誤作動を起こしていないか確認するが、どうやら正常に作動しているようだ。


「それじゃあセレネ、お前は何ができるんだ?」

「はい、この機体に装備されている機器の出来ることは何でも出来ます」

「じゃあセレネの機体を強化すれば出来ることが増えるのか。灰崎さん、今後ともセレネの強化などよろしく頼むぞ」


 機械関連は灰崎に頼むのがいいので、セレネの強化ならびにメンテナンスは灰崎が担当することになった。


「セレネは強化やメンテナンスの時は灰崎さんの言うことちゃんと聞くように」

「承知いたしました」

「それと、俺の妹である環の指示も聞くように」


 聖魔連合副連合長である環もセレネに指示が出せないと不便なので、環の指示も聞くようにしておく。


「承知いたしました、環様」

「これで取り敢えずはいいかな、その都度指示を増やしていけばいいし。環も指示を出せるようにしたけどいいよな?」

「いいよ、それに私から頼もうと思ってたし」


 一通りの作業が終わり、正式にセレネが聖魔連合に加入した。


「これからよろしくお願いいたします、優真様、環様」

 

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