機械仕掛けの天使
三人称視点です。
『ドゴンッ!』
「な、何だ!」
四人が海へ向かっていると、遠くから轟音が響き渡る。
「何があったの?!」
「おい何か近づいてきてるぞ!」
四人が移動を止めていると、轟音が響いた方向から何か向かってきた。
さらに、その何かが移動した所はほとんどの植物が枯れ果てている。
「環~助けて~!」
「え、アル?!」
近づいて来たのはアルだ。
光線が放たれた直後、アルは【根方移動】でギリギリ回避した後、助けを求めて環達の所へ移動してきた。
【根方移動】のためのエネルギーは根から周囲の植物のエネルギーを吸いとって補っていたため、アルが移動した後の植物は枯れてしまったのだ。
しかし、既に植物は息を吹き替えしている。
「おいアル、何があった?」
「えっと、何か埋まっている物を掘り起こしたら女性で、死んでると思ったらいきなり動き出して光線で攻撃してきた」
「光線…!優真さん環さん!追って来てます!」
元花の視線の先では、女性が飛行して追ってきていた。
ただし見た目はアルが見つけた時と変わっており、金色の長髪に背中から六枚の純白の羽が生えている。
「モンスターを捕捉、魔法発動、聖なる光」
女性がアルを見つけるとすぐさま光線を放つ。
「植物盾!」
しかし今回は環が居たため、光線は防がれる。
「アル、攻撃してきたのってあいつ?」
「そうだよ」
「灰崎さんあいつに心当たりはあるか?」
優真が灰崎に質問する。灰崎なら他の悪の組織の怪人もある程度把握しているかも知れないからだ。
「いいや心当たり無いな。そもそも宇宙進出した組織があるという話は聞いた事がない」
「となるとあの怪人?はフリーか…」
優真は少し考える。今ここであの怪人を仲間に出来れば戦力アップに繋がるが、どう考えても友好的ではない。だからといってこのまま放置するわけにもいかない。
「兄さん!あいつから生態反応がない!」
「なに?」
さらに、環が女性から生態反応を感じないと報告する。
「となるとあいつはロボットか何かか…灰崎さん、あいつを壊した場合、修理って出来るか?」
「え?まあ出来るが…あいつを仲間にするのか?」
「ああ、それとここからは聖魔連合連合長レイヴンとして指示する。オウル!灰崎の護衛と回復役を頼む!俺とアルであいつを一回壊す、灰崎はあのロボットの解析と出来るならハッキングしろ、機材はここに置いておく、キャットガールは撹乱をしろ!」
優真…レイヴンはそれぞれに指示を出す。キャットガールを攻撃に加えなかったのは戦闘が苦手だからという配慮だ。
本当はオウルを攻撃に加えるべきだろうが、現段階でロボットの光線を防げるのがオウルだけなので灰崎の護衛を担当する。
「了解兄さん!自動回復、身体守護、さらに痛覚軽減!」
オウルがレイヴン、アル、キャットガールにバフをかける。かけたバフは怪我をある程度自動で治せる自動回復、防御力を上げる身体守護、痛みで動きが鈍らないようにするための痛覚軽減だ。
「こっちです!」
「推定モンスターを捕捉、排除します」
始めにキャットガールが囮としてロボットの攻撃を引き付ける。ロボットはキャットガールを攻撃するが今はガールモードのためトップスピードである時速200キロメートルを出せるため全て回避する。
森の中では障害物が邪魔してなかなか加速できないが、オウルのバフのお陰である程度は障害物を強行突破出来るため、この程度の攻撃はキャットガールにとって問題無かった。
「今だ!」
そしてロボットがキャットガールを攻撃している間にレイヴンがテレポートで後ろへ移動する。
「時空切削!」
「聖なる剣」
レイヴンがロボットの腕を異空間倉庫へ収納して切断しようとしたが、光でできた剣に防がれ逆に手首を切断される。
「痛ってえが、オウルのお陰で対したこと無いな」
「人間の敵対行動を確認、排除します」
ロボットは立て続けに攻撃してくるが、レイヴンはテレポートを駆使して回避していく。
「そろそろか…アル!準備しろ!」
「りょうか~い!」
「反転!」
そしてレイヴンがロボットの真上に来たところで、2メートルほどになったアルと位置を入れ換える。
「潰れろ~!」
2メートルほどになったアルは大きさも相まって普通に重い。ロボットも抵抗しているが重さに耐えきれず落下していく。
「キャットガール準備!」
「出来てます!」
そして地面に衝突する瞬間、アルがロボットを蔦で地面に叩きつけ、アルをレイヴンがワープゲートで回収。
ロボットが衝撃でスタンしている間にキャットガールが極太ワイヤーで縛り上げて捕獲した。
「時空切削」
さらに、逃走出来ないよう両足と羽、攻撃出来ないよう手首の関節部を破壊する。
これ以上破壊しないのは、どこを破壊してよいのか分からないなからだ。
「…取り敢えずこれで大丈夫か。オウル、回復を頼む」
「はいはい、回復」
墜落地点の近くまで来ていたオウルが、ある程度回復していたレイヴンの手首とアルの光線でできた火傷を治療する。
今回の戦闘で無傷なのはキャットガールだけだった。
ロボットは未だにスタンしており、故障したような音を立てている。
「それじゃあ灰崎、解析頼む」
「了解」
灰崎はパソコンを立ち上げてロボットの解析を始めた。
「オウル、そっちの被害は無かったか?」
「流れ弾は有ったけど全部防げたよ」
オウルの方は被害が無かったようだ。
すると、何かアクシデントがあったのか、灰崎がレイヴンに話しかける。
「レイヴン、少しいいか?」
「何だ?」
「何かのプログラムが起動してるんだが、直ぐに止められないからレイヴンの異空間倉庫に入れといてくれるか?ちゃんとした設備のある所で解析したい」
「ああ、わかった」
灰崎の説明を受け、レイヴンがロボットを異空間倉庫へ入れようとした。
しかし。
「プログラム起動完了。これより第二形態へ移行します」
ロボットが起動したことでそれはかなわなかった。




