表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
死にたくないので自分達だけの第三勢力作りました。  作者: 鬼獣八紅
第二章 月面世界と機械の天使
12/163

アルの危機

三人称視点です。

「おい!海までまだか!」

「もう少しだと思う!」


 二人はアルを追って海へと向かっていた。

 今は走るより速いということで植物操作(リーフコントローラー)で操作した植物に乗って移動している。


「というかアル本人は索敵出来ないの!?」

「やってるが無理だ!正確には索敵できたけどゲームのラグみたいな挙動してて場所の判別が出来ない!」


 二人はおよそ時速100キロメートルで移動している。

 なのにアルの姿は一向に見えてきていない。

 ちなみに二人の体は身体守護(ボディガード)で守られているため、風圧の心配は無い。

 それなのにアルに追い付けないのはアルがおかしな行動を繰り返しているからだ。

 海の方へ移動していたらいきなり後方へ反応が移ったり、急に3キロメートルほと進んだりと行動がめちゃくちゃなのだ。


「アルのやつ、明らかにまだ何かしらの報告してない能力持ってんだろ。環の管轄なんだから後でちゃんと聞いとけよ」

「了解、それと元花ちゃんと灰崎さんを置いてきて良かったの?」


 元花と灰崎は月に開いたワープゲートの場所に置き去りになっている。元花がある程度戦えるとはいえ、さすがに危険だ。


「さすがに一旦連絡を『おい黒榊兄妹!少しは後ろの事を考えろ!』…は?」

「え?何で追い付いて来てんの?」


 後ろを見ると、野生味が増し少し大きくなった元花に灰崎が乗ってこちらにものすごい速度で追いかけて来ていた。


「灰崎さんもう少しで追い付きます」

「ありがとな元花」


 灰崎と元花は普通に会話しているが、その間も元花は走り続けている。

 そしてついに先行していた二人に追い付いた。


「おい黒榊兄妹!移動するなら一言ぐらい言えよ!」

「いやそれより灰崎さん、元花ってそんなに速く走れたのか?」


 灰崎の怒りは最もだが、それより元花の速度が気になって優真と環はそれどころではない。


「言ってませんでしたがこれくらいの速度は普通に出せます」


 質問に答えたのは元花だ。そこにさらに灰崎が補足する。


「さらに言うと、この形態…ビーストモードって言うんだが、ビーストモードでの最高速度は時速150は越えるぞ。ちなみにいつもの形態であるガールモードでは時速200キロメートルを越える。今は俺が速度に耐えられないから時速100キロメートルほどに落としてもらっているがな」


 ちなみに灰崎の格好はゴーグルに酸素マスクというフル装備だ。


「それだけの性能してて、何で毎回魔法少女に倒されてたの?」


 灰崎の説明に環が質問をする。それほどの速度が出せるのなら、魔法少女ぐらい余裕で倒せそうだからだ。


「それについては良く分からないな、確かにコピーだったとはいえそこそこ強いはずだが…」

「あの…恐らく原因知ってます」


 灰崎が悩んでいると、元花が原因を知っていると言い出した。


「記憶共有装置をつけられている時、ある程度こちらから指示を出せたんです。それで必死に手加減するようにと指示をしていたんです」

「なるほどそういう事だったのか」


 灰崎は納得した。悪の組織の研究者時代にコピー元花の性能が可笑しいと散々文句を言われまくったのだ。

 性能が可笑しい理由が自分ではなかったと少し安心した。


「それより兄さん、アルはどうするの?このまま追う?」

「…いや、先に海に先回りしよう」


 このまま追いかけても埒が明かないと、先回りすることにした。


「了解、それじゃあこのまま海へ」



  ◇◇◇



 一方アルはというと。


「あむあむ、ん~おいし~!」


 森のなかで果実を食い漁っていた。

 始めは海へ向かっていたアルだが、途中でみつけたりんごを食べ、そして次の果実を見つけては食べを繰り返して寄り道をしまくっていた。


「ん~次はあっちか~」


 するとアルはものすごい速度で地面に潜り、2キロメートルほど離れた場所に姿を表す。

 この能力こそ、アルがまだ報告していない能力、【根方移動(ねかたいどう)】だ。

 根方移動は地中に張った根の中を高速で移動する能力だ。根の中を移動するためあらかじめ自分の根を伸ばしておかないといけない上、根が枯れてしまうと使用できない、物を運べないなどの制限はあるが、【根方移動】を使った移動速度は光速にも迫る。

 もちろん、それ相応のデメリットはある。光に近い速度を出すために、1キロメートル進むのに体内エネルギーの約30%を消費するためコスパが最悪なのだ。

 しかし。


「あむあむ、どれもおいしいし疲れがなくなって便利だな~」


 何故だか|新たなる素晴らしき世界の種《ニューワールド·コア》内部の果実を食べると、直ぐに体内エネルギーが回復してしまうのだ。

 この為アルは果実を食べたそばから回復してしまっているため、実質デメリット無しで根方移動を繰り返していた。

 さらに取りすぎたエネルギーは根を張る事に使われており、アルの根はすでに新たなる世界の種(ニューワールド·コア)の半分に張り巡らされている上、根は成長する過程でぶつかった物を判別出来るため、果実が生っている木を判別しては移動している。


「次は…ん?何だろう?」


 次の場所へ移動しようとしたアルだが、伸ばしていた根が今までとは違う物にぶつかった事を感知した。

 

「行ってみよ~」


 【根方移動】を数回使用して根がぶつかった所へ移動する。

 場所はだいたい中央の桜の木の近くだ。


「着いた~、ん~この下かな?」


 ぶつかった物は地上に出ていなかったので、アルは根を使って掘り起こす。


「ん?何でここに人が?」


 出てきたのはなんと女性だった。

 しかし体が冷たく脈も無いため既に死亡している。


「取り敢えず環に相談しよ『充電が完了しました』ん?」


 アルが相談しようと移動しようとした時、女性から機械音声のような声が聞こえた。


「あなた生きてたの?」

『モンスターを確認、戦闘プログラム始動…これよりモンスターを排除します」

「え?」


 アルが話しかけたのを無視して、女性はアルに向かって光線を放った。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ