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死にたくないので自分達だけの第三勢力作りました。  作者: 鬼獣八紅
第十一章 組織拡大と魔法少女の実力
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モンストルオ・サルバドル号

オウル視点です。


「お~い、この荷物どこに積むんだ?」

「それはこっちだ」


 白夜たちがクラーケンを討伐した翌日早朝の日曜日、今日は海中に存在するであろうダンジョンの調査日だ。

 私たちが攻略したドラゴンのダンジョンは洞窟型だったから最下層をライズに調べてもらうだけで速攻で終わったけど、今回のダンジョンの場所は海だからそう簡単にはいかない。

 そのため一般メンバーが船の用意をしてくれているんだけど…。


「すごいねオウル! こういう船ってたしかガレオン船って言うんでしょ?」

「そうだよアル…」


 何で船がガレオン船なのよ!

 というかこんな船聖魔連合で所有してたっけ!?


「よおオウル、どうしたんだぼうっとして?」

「白夜、どうもこうも、何時の間にこのガレオン船準備したの?」

「この船か? たしか河原とアギトを筆頭とした一部メンバーが趣味とロマンで造ったらしい。あ、設計は灰崎、製造はセレネとビルドが時間見つけて監修たらしいから安全面は保証されてる。たしか名前は…モンストルオ・サルバドル号だったか」


 いや名前云々じゃなくてね、この船趣味の範囲を大幅に超えてんのよ。 

 何で趣味で造ったガレオン船に大砲が付いてんのよ、それに帆や旗に髑髏が描かれてるし海賊船のつもり?


「はぁ…、まあこうして海中ダンジョンの調査に使えてるからいいけど。ちなみに試験運航とかしたの?」

「いや、今日が初航海らしいぞ」

「…本当に大丈夫なのこの船?」


 航海中に沈没とかやだよ私は。

 まあ本当に沈没しそうな時に考えよう、今とやかく言っても仕方ないし。


「そういえば今回の探索って誰が行くことになってるの? こちらからは私とアル、ライズが行くけど」


 ちなみになぜブラッドがいないのかというと、流水に触れると力が発揮できないという弱点が発覚したからだ。

 日光は私の魔法で何とかなったけど、それは普通の人間にも日光は有毒な場合があるからできただけ。流水は完全に吸血鬼固有の弱点だから私の魔法でもどうにもできなかったよ。


「こっちからは俺とオロチ、河原、アギト、ミヤ、それにスカイが来ることになった」

「え? 白夜たちは分かるけどミヤとスカイは何で? それに裂は来ないんだ」


 いやミヤは影魔法が有用だからまだ分かるけどスカイの運搬魔法って今回の調査では使わないでしょ、船あるんだし。

 それにスカイはハーピィだから本領は空中戦のはず。

 その上戦闘狂の裂が来ないのは珍しい。


「ミヤは水中戦対策、スカイはモンストルオ・サルバドル号の牽引要因だな。裂は刃物が錆びる可能性があっから今回は来ないってよ」

「牽引?」

「ガレオン船が速度出せるわけないだろ。だからスカイに頼んだんだ」

「それなら初めからガレオン船以外を使ってくださいよ白夜様~」

「あ、スカイ久しぶり」

「お久しぶりですオウル様、オウル様からも白夜様に言ってやってくださいよ」

「いや言ってやってって言われてもどうしろと?」


 白夜の説明からしてモンストルオ・サルバドル号はスクリューなどの動力は搭載されていない帆船、そのためスカイが牽引してくれなかったらかなり移動に時間がかかってしまう。

 ぶっちゃけ私が反対する理由が無い。


「ほら、オウルもそう言ってんだ。諦めな」

「わかりましたよ。けどもう少しここにいm─」

「やっと見つけた!」

「うげっ!」


 いきなり黒い腕が伸びてきてスカイを拘束した。

 この腕って…影?


「まったく、さぼってどこ行ったのかと思えばこんなところで油売ってたの?」

「仕方ないじゃん面倒なんだし」

「面倒ってあんたね、スカイの今回の仕事はモンストルオ・サルバドル号の牽引なんだよ。いつもの運搬業よりはマシでしょ」

「それは運搬が私のワンマンなんだから当然でしょ! それに今日はダンジョン調査が理由で久々の休日だったんですよ!」

  

 あ~、たしかに建築資材なんかの運搬はトラック数十台で行うよりスカイ一人でやった方が早いから必然的にワンマンになっちゃうのか。

 それで今日は幹部がダンジョン調査に向かうから休みだったのに休日出勤喰らったと。


「…白夜、さすがにスカイの休日奪うの忍びないんだけど」

「…そうだな。いやけどそうしたらかなり時間食いそうだしなぁ」

「いいいですよお二人とも。その代わり埋め合せしてくださいね」


 埋め合せか…、まあ当然の要求だよね。


「わかった、今度何かしらで埋め合せするから今日だけお願いしていいか?」

「それなら今度女子幹部メンバーでスイーツバイキング行きたいのでその費用白夜様が出してください」

「ちょ、スカイ!?」

「…いいんだミヤ、痛い出費だが仕方ないか」

「白夜様?!」


 あ、そういうのでいいんだ。


「頭、モンストルオ・サルバドル号の準備が終わりやした!」

「そうかオロチ、それじゃあ行くか!」


 そうこうしているうちに船の準備が終わったのかオロチが呼びに来た。


「ほらスカイ行くよ」

「わかったから引っ張らないでよ~」

「オウル、早く乗ろ!」

「はいはい急がないの」


 そうしてモンストルオ・サルバドル号に乗り込む。

 実際に乗り込んでみるとかなりしっかり造られてるのが分かる。

 

「お、オウルか。遅かったではないか」

「ライズじゃん、もう乗り込んでたの?」


 乗り込んだ私たちを迎えてくれたのはライズだ。


「この世界二つ目のダンジョンかもしれないのだぞ。そりゃ早く調査に行きたくもなる」

「そういうものなの?」

「そういうものだ」


 そういうものなんだ。


「お~い河原、アギト、出航準備できるか?」

「大丈夫です!」

「いつでも行けます!」

「ちょっと、牽引するの私なんだから私に確認してよ!」

「あ、悪い。それでどうだ?」

「いつでも行けるよ」


 そうしてスカイはモンストルオ・サルバドル号の船首に取り付けられている止まり木に着陸した。


「よし、それじゃあモンストルオ・サルバドル号、出航だ!」

「アイアイサー!」


 白夜の号令に合わせスカイが羽ばたく。

 こうしてモンストルオ・サルバドル号の初航海が開始された。


「白夜、調査ポイントまでどれくらいかかるの?」

「そうだな…、今のペースでだいたい十五分くらいだな」

「あれ、わりと近いんだね」

「スカイが速いんだよ。いなかったら単位が分じゃなくて時間になってた」


 まあガレオン船って遅そうだしね。今スカイが出してしる速度と比べれば当たり前だけど。


「じゃあしばらくは海の景色を楽しんでますか」











「スカイ、そろそろ速度落とせ。調査ポイント付近に入った」

「りょ~かい」

「ん? もう着いたの?」


 何か景色見てたらあっという間だったな。

 実際に来たのは初めてだけどやっぱりというか、海上だから何も無い。


「ねえ、ここからどうするの?」

「そういえば調査するってだけで詳細は聞いてなかったね」


 私が付いてきた理由は緊急時の回復要因としてだから調査とは一切関わってない。そのためどう調査するのかは聞いてなかった。


「よし、これから潜水を開始する。オロチは先導の準備。ライズ、始めてくれ」

「わかりやした!」

「そっちも準備しておくんだぞ」

「…ちょっと待って」


 今めっちゃ不穏な言葉聞こえたんだけど。潜水って水に潜ると書く潜水だよね。


「エアロスフィア!」

「空鬼凝固!」


 そんな私の不安をよそに二人作業を開始した。

 ライズがモンストルオ・サルバドル号を囲うように風を発生させ、その風を白夜が固めていく。

 

『スカイ、俺についてこい』

「わかった」


 そして大蛇に変身したオロチに続くようにスカイと浮力を失ったモンストルオ・サルバドル号が降下していった。


「二人とも、このままじゃ沈没するんじゃないの?!」

「問題ない。我と白夜により海水は完全に遮断した」


 いやまあたしかにそうだけどさ。私にも言っといてよ、びっくりするじゃん。


「すごいよオウル、上上!」

「なにアル上って…うわぁ」


 アルに言われて空を見上げると、そこには海が広がっていた。

 各種様々の魚も流れ星の様に優雅に泳いでいる。


「いやぁ初めてだったけど上手くいって良かったな白夜よ」

「そうだなライズ」


 ちょっと待って怖い事言わないでよ!

 もし失敗したら私たち海の藻屑になってたってこと!?


「白夜、目的地ってひょっとしてあそこですか?」


 ん? ひょっとしてもうすぐ着く?


「どれどれ…あそこだな」

「もうすぐか」

「あれは…建物?」


 目線の先にうっすらと見えるのは明らかに人工物の建物だ。


「そうだ、ひと呼んで海底神殿ってところか」

「海底…神殿…」


 いや何でそんなものが新たなる(ニュー)素晴らしき世界(ワールド)()(コア)に存在してるの?



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