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死にたくないので自分達だけの第三勢力作りました。  作者: 鬼獣八紅
第十章 魔法少女の最高戦力
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規則

三人称視点です。


 時間は少し遡る。


「こいつらの上にいる人物、そいつを倒さないと魔法少女連盟は終わらない」

「…けどどうするの兄さん、多分トップは魔法少女連盟本部にいるでしょ。場所わかってないのにどうするの?」

「それなんだよな…」


 魔法少女連盟本部、その場所へ行く方法自体はマジックターミナル行きの地下鉄の路線をたどればよい。

 しかしこれではいざ攻めいる時に路線を抑えられるだけで足止めを食らう上、大人数での移動に向かない。


「お前らが連れてきた通波は場所知らねぇのか?」

「えっと白夜さんだっけ?さすがに私でもわからないよ。魔法少女連盟との連絡は神子都を通じて行ってたし、数年前から本部がローカルネットワークになってハッキングによる場所の特定は不可能だよ。少しでも入り込めれば全システムを掌握できる自信あるけど」

「けど入り込むための確実な方法は通波をマジックターミナルへ連れて行くことでしょ。通波って脱獄囚…脱獄囚って言っていいのかな?まあそんな感じじゃん、だから連れて行くの無理だよ」

「そうなんだよねぇ。地下鉄のトンネルと辿ろうともしたけど、不規則に回線が途切れてるせいで絞り込めすらしないよ」


 通波がローカルネットワークの範囲内に入りさえすれば、電磁波魔法によるハッキングが可能だ。しかしそうするためにはマジックターミナルの座標的所在地を割り出すか、地下鉄で向かうしかない。

 そして座標的所在地は分かっておらず、地下鉄で連れて行こうにも通波は魔法少女連盟に追われる立場なためそれも不可能である。

 その上、地下鉄のトンネルは陸地からある程度の距離を離れると回線が途切れる仕組みになっており、その距離は不規則だ。そのためトンネルから辿ることも、ある程度場所を割り出すこともできない。


鴉の手(レイヴン・ハンド)の弾丸をオウルがマジックターミナルに設置するとかで何とかならないのか?」

「無理だよ。仮に設置できたとしても何十人を一斉に転送できるようなワープゲートを展開できるようなスペースなんて無かったし、できたとしても袋叩きにされるのが落ち」


 灰崎の疑問にオウルが答える。

 トイレなどに弾丸を設置したとしても、当然軍隊で攻め入れるほどのワープゲートを展開できるスペースは無い。

 逆に充分なスペースのあるマジックターミナル中央広場に設置し展開したとしても、沢山いるであろう魔法少女に袋叩きにされるのが目に見えている。


「それもだがレイヴン、あの神子都という魔法使いが使用した人形依代代行という技があっただろう。それに代行させた神だが、なぜ彼女が知っていた?」

「シノロだろ。それについては俺が聞きたいよ」


 この世界のティーターン十二神から存在を抹消し、異世界を創り出したとされる神の一柱シノロ。この神についての情報は聖魔連合が独占しているはずだった。

 前日行われた八世通波救出作戦、そこで神田神子都が人形に宿した神がシノロだったのだ。

 シノロは異世界の神である、そのため神子都が知っているはずがない。


「ほんと、どこから知ったんだろうね。通波は何か知らない?」

「私も知らないよ。というか神様の名前なんて把握してるわけないでしょ」

「確かに」


 そもそも神の名前なんてその手の話に興味のない人は知らなくても仕方がない。


「けれど実際問題、どこで知ったのでしょうね」

「考えられるのは神子都の一族が何かしらシノロと関わりがあった可能性かな。巫女なんだしあっても不思議じゃないよね」

「ま、何にせよ魔法少女連盟側に異世界関連の何かがあることは確定だな」


 それが神田神子都なのか別人か、はたまた物なのかはわからない。どちらにせよ、要警戒なのは間違いなかった。


「とりあえずこれでこちらが共有したかった情報は全部だが、何か他にあるか?」

「儂からよろしいか?」


 レイヴンの問に天魔が挙手をする。


「どうした、何かあったのか?」

「レイヴンどのによって我々は月へと移住し、さらに堕天大聖堂の皆様も聖魔連合へ加入した。しかし、環境の変化などによるストレスによってトラブルが増加しておる。その上、現在聖魔連合は組織という構造でありながら全く規則がない。そのためこの機会に規則のしっかり整えてもらいたいのだ」

「あ~、確かにその辺全くしてなかったな。というか伊吹山の面々が使用していた規則を流用できないのか?」

「出来なくは無いですが、儂らは言い方を変えると白夜様による独裁政権だったためそこまで細かく規則を作る必要がなかったのだ。今まではそれで何とかなっておったが、流石にこのままではいずれ大事が起こりうる」


 天魔の言う通り現状聖魔連合にはこれといった規則が無い。

 夏休みに入ってからの約一か月、その間に様々なことが起こったため規則などの細かな部分を決める時間が無かった。


「白夜、実際どの程度伊吹山では規則があったんだ?」

「倫理観適にアカンことは禁止、それ以外の物事はその都度俺か天魔が対処してたな」

「よくそれで今まで回ってたね。民守さんの方はこういう規則どうしてるの?」

「私たちの所も白夜さんの所と似たり寄ったりですね。そもそも力を合わせないと生きていけないような環境なので仲間内で争ってる暇なんて無いんですよ。オウルさんが来るまでは食料だってギリギリでしたし」

「あ、だから果物持ってった時にめっちゃ喜ばれたのね」


 堕天大聖堂は地下という立地の関係上、農作物があまり育たない。そのため同士討ちなんてしていたら目的を達成する前に食糧不足で全滅してしまうのだ。

 しかし聖魔連合へ加入したことでオウルから食料が安定して入手できるようになった。堕天大聖堂が加入したことで得た一番のメリットである。


「堕天大聖堂の方も規則が無いに等しいとなると一から規則を作るしかないか。…出来るのか?」

「無理でしょ。というか今の聖魔連合って組織というより国みたくなってきてるよ」


 国として成り立つ条件は領土、国民、主権の三つが揃っていることだ。

 現在聖魔連合は、新たなる(ニュー)素晴らしき世界(ワールド)()(コア)の効果により月にてロシアより少し小さい程度の土地を管理している、この土地は領土と言えなくもない。

 国民はその土地に住む人にことだ、この条件も伊吹山や堕天大聖堂の面々が住んでいるため満たしている。

 主権は現在存在こそしていないが幹部の面々がその役割を担っている。


「そんなに悩むなら憲法でも参考にしたらどうだ?さっきオウルも国みたいって言ってたろ」

「!、ナイスアイディアだ灰崎さん!」


 灰崎の案にレイヴンが賛同する。

 何事も元になるものがあれば取り組みやすいものだ。


「それなら日本国憲法を参考にしてくれ。その方が俺たち伊吹山の面々も馴染みやすい」

「堕天大聖堂の方も賛成ですが作成時は一枚かませてくださいね」 

「当たり前だろ。で、誰が作成するかだが二人は作成時間あるか?ちなみに俺とオウル含め数人はしばらくしたらかなり自由時間が減るから作成にはあまり関われない」

「私も時間取れないですね。まだ堕天大聖堂が連合に加入したことで生じた仕事が残っていますので」

「俺はあるが、二人が時間取れないなら作成には参加しない方がよさそうだな。権力的な意味で」

 

 聖魔連合の権力順はレイヴン、鬼頭白夜、民守祈が同率でトップ、その少し下にオウル、さらにその下に各組織の幹部となっている。

 規則を作成する際に権力トップの三人のうち白夜のみ参加したとなると、今の権力バランスが崩れる可能性があるのだ。


「となると、それぞれのとこから数名集めて規則作成班を構成した方がよさそうだな」

「それなら俺らの所からは天魔とウルフを推薦する。この二人は事務仕事なんかの裏方が得意だからな」

「堕天大聖堂からは茜さんと葵さんを出します。お二人は私の副官なので参加させたいですし」

「こちらからは召とキャットガールを出す。今名前の出た六名が主導で日本国憲法を参考にした聖魔連合の規則を作成してもらいたいが、頼めるか?」

「儂は問題ありません」

「私もです。任せられたからには頑張ります」


 天魔、キャットガールに続いて他四名も規則作成に参加を表明する。


「それじゃあ以上六名はなるべく早めに規則を作成してくれ。さて、まだ他に何かあるか?」

「兄さん、さっき私含め自由時間が減るって言ってたけどなんかあったっけ?」

「いやオウル、もう少しで夏休み終わるだろ」

「…夏休みが、終わる?」


 レイヴンの発言を聞いたオウルの顔が青ざめていく。


「おいおい今日はもう9月1日だぞ。9月9日から学校始ま…、まさかお前!」

「…宿題…まったくやってない!!」

「いきなり大声出すな」


 オウルの叫び声が会議室に響き渡る。

 前述した通り夏休みに入ってから様々なことが起こったため宿題なんてする時間は無かった。


「そういう兄さんはやったの?!」

「配布されたその日の内にやり始めて夏休み開始三日目で終わったぞそんな宿題」


 が、そんなのはただの言い訳でしかない。


「…やべ、そういや俺もやってねぇ!」

「ブラッドもやってないんですか?」

「俺の場合は夏休み半ばでマジックアイテム社に攫われたのが原因だ!」


 ブラッドが宿題をやってない理由は誘拐という不可抗力が原因のため、オウルよりはまだ弁明のしようはある。

 

「キャットガールはやったのか?」

「はい。まあ分裂による数の暴力でですけどね」

「おいずるいだろ数の暴力は!」

「そーだそーだ!」

「私も手伝いますから一緒にやりましょう。どのくらい残ってるんですか?」

「私は全科目二、三ページだけ終わってる」

「俺は全く手を付けてないな。…あれ、俺の宿題ってどこにあったっけ?」

「何言ってんだブラッド、お前の自宅じゃ…、あ」


 レイヴンは思い出した。ブラッドはマジックアイテム社に攫われてから一度も自宅へ戻っていないということに。


「なあブラッド、お前一回帰省しなくていいのか?」

「あ、確かに一度も帰ってないな。午後あたり宿題取ってくるついでに帰っていいか?」

「別に構わない。それとキャットガール、ブラッドの両親へ説明しなきゃならないかもしれないからブラッドの帰省についてってくれ」

「…はい?」


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