あゆコロちゃんとは何なのか
姉ちゃんは小学校三年生になり、いろいろなことを疑うようにもなった。
ヨノナカにはあゆコロちゃんというゆるキャラがいて、その昔、この姉ちゃんはこのあゆコロちゃんをこよなく愛でていたのだが、最近になってこう言い放つようになった。
「あんなの、ただのお人形でしょ?」
その時、ママはこう答えた。
「え? じゃあどうやって動いてるの?」
すると姉ちゃんは言った。
「……自動で」
じ、自動!?自動ってなんだ!?
最近、「生きてるとは何か」っていうテーマの作品をいじってるパパは、
「自動で動いてるってことは、生きてるってことなんじゃないか……?」
パパもママも自動で動いてるだろう!?自動で動けるということは、『生きている』ということではないのか!!
すると姉ちゃん。
「どこかにスイッチがついてるの」
「なにぃ!!」
機械か!!あゆコロちゃんはメカなのか!!
アレほど複雑な動きをするメカはまだこの21世紀初期にはまだ存在しない。
しかしその時、それを否定したのはパパではなかった。「ちがうよ!」
振り返れば妹ちゃん(6)。彼女は毅然とした表情を浮かべている。
主張はこうだ。
「あゆコロちゃんは三人いるんだよ。その中の二人は人間が入っていて、後の一つがホンモノなんだよ!!」
ほんもの!?
ホンモノって何だ!!最後の一つはホンモノか!!
その時パパはこう答えた。
「いや、だから、あゆコロちゃんは生きてるんだって」
「ぬいぐるみでしょ?」
「ぬいぐるみが生きてるんだって」
「だって何もしゃべらないし」
「ブタだからしゃべらない」
「ぶーって言わないし」
「おとなしい犬もいるだろ」
・・・・・・
・・・
あゆコロちゃんだって生きているのだ!(たぶん)
あ、このコーナー、俺のメモ帳なんで・・・




