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ツン騎士シリーズ

兄弟姉妹達の密談

作者: たかやす

 こんにちは、僕はテディといいます。クリフ兄さんの弟です。今日は家族会議の日なんだけど、クリフ兄さんが遅れているからみんなで兄さんを待っているんだ。


 僕たち兄弟は一番上がクリフ兄さん、次が双子のダニエル姉さん、ダニエラ姉さん、二番目の兄さんがワイアット、次が僕、そしてメイナード、一番下の可愛いアマンダの七人兄弟になります。お父さんとお母さんは天国に行ってしまったんだ。僕はその時のことはあまり覚えてないんだ。兄さん達は覚えていない方がいいっていってくれているから気にしてないんだけど……。思い出せないし………。始めは何とか思い出そうとも思ったんだけど、なんだかその前後のこともあわせて、ぼんやりともやがかかっているような感じなんだ。姉さん達が魔法を修めているから聞いてみたんだけど、障りかもしれないし無理に思い出さないほうがいいっていう話なんだ。クリフ兄さんも同じ意見だったから、もう思い出さないことにしたんだ。

 

 お父さんとお母さんが天国に行ってしまってから、クリフ兄さんが兵士として働いて僕たちを養ってくれるようになったんだ。すごく強いからか騎士にもなったんだよ!僕たち全員でかかっても全く勝てないんだ。前には竜も倒したくらいなんだよ!自慢の兄さんなんだ!ただすごく忙しくて休みもあまりないし、遊んでくれることも少なくなってしまったんだ……。仕方ないことだとは思うんだけど、少し寂しくなっちゃうんだ。もっと家にいて遊んで欲しいなって思うんだけど、そんなわがままは言ってられないんだ。僕もクリフ兄さんみたいに強くなって皆を守るんだ!……ただ、皆強いから、僕はせめて小さなアマンダくらいは守るんだ。メイナードは僕よりも小さいんだけど、もう一人で獣とか狩れるんだ。狼とか熊とか魔物も狩ったりするんだよ?僕より小さいのにおかしいよね?メイナードがね、言うんだ。僕を守るって。僕の方がお兄さんだから僕が守らないといけないのに……。ワイアット兄さんにも同じこといったみたいなんだけど、ワイアット兄さんは落ち込んでたんだ。ダニエラ姉さんとダニエル姉さん達が慰めて、クリフ兄さんも頭よしよししていたんだ。だから僕もワイアット兄さんの頭は届かないから、背中よしよししたらワイアット兄さんが僕とアマンダを守ってくれるって言ってくれたんだよ。嬉しかったな。クリフ兄さんがね、メイナードはちょっと規格外?だから気にしなくていいって。ワイアット兄さんは気にしていたけど、僕は気にしないようにするんだ。僕には僕のできることがあるからね。


 最近はクリフ兄さんの結婚について話を皆ですることが多いんだ。クリフ兄さんに良い人ができたって、ダニエラ姉さんとダニエル姉さんがクリフ兄さんのお友達から聞いたんだって。姿絵見せてもらったんだ。そしたら、オレンジ色の長いふわふわの髪の毛のお姫様みたいな人だったよ。クリフ兄さんと結婚しないなら僕と結婚して欲しい位綺麗な人だったよ。貴族の人なんだって。ワイアット兄さんが心配していて騙されてないのかっていってたけど、あんなに綺麗な人が騙すことはないって言っておいたんだ。僕はね、実はクリフ兄さんの忘れ物を届けに行くときに見たんだ。綺麗なお姫様が誰かに突き飛ばされたのをクリフ兄さんが助けたところを!たまたまっぽかったんだけどね。突き飛ばされたお姫様を後ろから支えて、後ろに庇ってあげていたんだ。クリフ兄さん、かっこよかったな。お姫様もクリフ兄さんがカッコ良かったみたいでお顔が真っ赤になっていたんだ。仕方ないよね?僕でもかっこよくて見惚れてしまうんだから。そうそう、それでね、僕たちはクリフ兄さんが結婚することは賛成なんだ。難しいことはまだあまりよくわからないんだけど。クリフ兄さんはまだ結婚はしないっていってるんだ。嬉しいけど悲しいな。


 ダニエラ姉さんとダニエル姉さんが、そのお姫様のお屋敷で近いうちに働くようになるんだって。住み込みだから寂しくなるねってみんなで話していたら、休みの時には必ず帰るし、何かのついでには顔を出すからっていってくれたから安心だよ。姉さん達は優しくて強くて料理も美味しいんだ。前なんて、お家にきた暴れ熊をやっつけちゃったし、可愛いアマンダを連れ去ろうとしていた妖精もやっつけて子分にしていたんだ。だからワイアット兄さんが皆を守るんだ!っていってくれてるんだけど、ワイアット兄さんだとちょっと心配だから僕も手伝うんだ。メイナードも手伝ってくれるっていってるから、百人力だよねってクリフ兄さんにも話したらそうだな、っていったくれたんだ。


 だから僕、また森で売れそうな物を沢山採ってくるんだ。前も沢山採ってきて家計の足しにできたんだ。皆喜んでくれて嬉しかった。可愛いアマンダのためにも頑張ろう!

 あ、クリフ兄さんだ。もう皆いるから家族会議始めるよ。早く早く!



***



「あ、またテディが森へ行ったのね!」

「そうなのよ、ダニエラ。一人で行かないように言っているのに困ったわ」

「ダニエルの目を掻い潜るなんて。なんでなのかしらね?」

「もう、それが不思議なのよね。魔術の網を張り巡らせていても何故か引っかからないのよ?どうしたらいいのかしら?何か妙案ある?ダニエラ」

「クリフ兄さんの手も掻い潜るのよ。誰にも捕まらないんじゃないのかしら?」

「だから森に行っても獣や魔物に襲われずに、沢山の木の実や珍しい薬草を採ってこれるのかしら?助かるんだけど」

「そうなのよね。助かるんだけど心配なのよ」

「メイナードと一緒に行ってくれればいいんだけどね」

「そうね、あの二人なら無敵でしょうからね、何があっても生き残るでしょうね」

「そういえば、ワイアットはどこかしら?まだ今日姿を見ていないのよ」

「あ、私もなのよ。ワイアットとアマンダの姿はきちんと見とかないとね。気合が入らないのよ」

「わかるわー。なぜか目を離せないのよね。かわいいからかしら?」

「ダニエル、私もその気持ちよくわかるわ。至急でワイアットを探しましょう。テディは大丈夫よ」

「そうね、ダニエラ。まずはワイアットよ」


長兄クリフ

長女ダニエラ

次女ダニエル

次男ワイアット

三男テディ

四男メイナード

三女アマンダ


7人兄弟

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