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ナコさんに相談
またたくまにバニラ村をあとにした魔王と勇者だったが、待ち構えていたのは、空軍の兵士三千人である。しかし、いくら魔法を放ってもクリムに無にされてしまうし、接近すれば、アンに殴られる。
二人を止められる者など、いなかった。
「アンちゃん、王都の南の森へ行って」
「なんで?」
「そこで私は降りるよ。もう王都へはいけない」
しばらくアンは黙って飛び続けた。
それからだしぬけに口を開いた。
「王都へ行くわ」
「え?」
「クリム、ギルドの先輩としてあなたに教えておいてあげるわ」
「いきなり何?」
「困ったらまずナコさんに相談するの。そうすればどんなことでもどうにかなるし、そうしなければ」
「しなければ?」
アンの手が震えて、箒の進行方向もぶれた。
「ナコさんが怒るわ」




