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超絶やさしい魔王とクズの極み勇者  作者: 仙葉康大
第二章 戦争と人間
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陽光

 魔法空軍の飛行士たちが毒に体力を奪われ、次々と墜落していくなか、猛スピードで高度を上げる箒があった。


「何だ、あれは」


 飛行士の誰もが視線を送ったその箒。乗っているのは、魔王と勇者である。


「このまま突っ切る」

「アンちゃん、あれっ」


 息をするのが苦しくなってきた辺りで、暗雲から、人間の頭ぐらいの大きさの、毒の塊が発射された。

 毒の雨ぐらいなら強化魔法で防げても、あんな毒の塊をくらったら、さすがのアンもただではすまないだろう。そう考えたクリムは、座席の交代を提案した。


「しょうがないわね」


 二人は入れ替わり、クリムが前、アンが後ろにまたがった。


「前があんまり見えないんだけど、何が来ようと止まらないわよ」

「いいよ。全部消せるから」


 飛んでくきた毒の塊を消しながら答える。


 雲は狂ったように毒を吐きだしてきた。毒の矢、毒の槍、毒の網。それらをすべてかわすことなく消し去って、二人は雲へ突っ込んだ。


 クリムの体に雲が触れた。

 たちまち雲は消えて空が晴れた。

 陽光が斜めに村々を照らしていく。


「アンちゃん」

「なによ」

「吐きそう」

「わっ、こっち向かないで」


 クリムのゲロはバニラ村のどこかへ落ちて行った。


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