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超絶やさしい魔王とクズの極み勇者  作者: 仙葉康大
第二章 戦争と人間
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依頼掲示板

「ついてきなさい」


 依頼掲示板の前へ案内してもらう。


「依頼を見る前に、最初に一番大事なことを教えておいてあげる。ナコには逆らないこと」

「アンちゃんもさっきナコさんの言うことは聞いてたよね。どうして?」

「この王都で一番怖いのはナコさんだから。絶対怒らせちゃダメ。そのことは、王都中の誰もが知ってるわ。王族でさえ、ナコさんの怒りを買うような真似は避けてるぐらいよ。あと、アンちゃんって呼ぶのやめて」


 クリムとしては、同年代だし、呼び捨てもなんなのでちゃん付けにしたのが、気に入らなかった様子だ。


「じゃあなんて呼べば?」

「勇者様って呼びなさい」


 隣で依頼掲示板を見ていた男性冒険者が吹き出した。


「アンのことを勇者様って呼ぶ奴なんて、このギルドには誰もいないじゃないか。アンちゃんって呼べばいいさ」

「いいの?」

「よくないっ」


 アンが男性冒険者を殴ろうとしたそのとき。


「なあに? 何かもめてるの?」


 受け付けの方からナコの声がした。アンが舌打ちする。ナコの目が届くギルド内では、アンもおとなしくするしかない。


「結局、なんて呼べばいい?」

「好きに呼びなさい」

「じゃあアンちゃんで」


 それから、掲示板に貼ってある依頼書にざっと目を通した。


「犬の散歩からモンスターの討伐までいろいろなのがあるんだね」

「何かやりたいのとかあった?」

「私、この依頼にしようかな」


 クリムが指さした依頼書を見てアンは首を横に振った。


「やめておきなさい。この依頼、報酬がたったの八千リンプじゃない。だいたい、庭に生えた『食人雑草(しょくじんざっそう)』の除去なんて泥臭くてやってられやしないわ」

「じゃあこれとか?」


 呪いの人形千体の処分。


「やめてよ。呪われたらどうするの」


 アンは意外にもホラーが苦手だった。


「これにしなさいよ。報酬一千万リンプよ」


 それはいま掲示板に貼られているもののなかで、一番高額な報酬だった。

 毒の雲の除去。

 依頼主は、北部百村連合の村長たちだ。


 なんでも超巨大な雲が村々に毒を降らせているそうで、困り果てた村長たちは、王都の空軍に雲の除去を頼んだが、その空軍がいまだに成果をあげれていないらしい。


「でも、私にできるかな。私、飛行魔法なんて使えないし」

「また殴り飛ばしてあげるわよ」

「まさか私を殴りたいからこの依頼に?」

「それもあるけど、やっぱり一千万は魅力的だわ。二人で山分けしても五百万だもの。よし。決定。行くわよ」

「嘘。待って。他にもいい依頼あるはず」

「ないわよ、そんなの」


 依頼書をもぎ取ったアンは、悪魔のような笑みを浮かべた。

 目指すは、毒の雨降る北部百村連合である。


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