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神様サイト  作者: 月野はじめ
第1章 最弱の王都
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第3話 出る杭は打たれる

眩い光に目が反射てきに閉じてしまい、目を隠すように腕を持ってくる。

だんだんと目が慣れて来たところで辺りを見渡す。

俺はそこに広がっていた日本とはかけ離れた世界に、驚きを隠せない。


日本人は比較的黒髪だが、この世界には黒髪の者は一人もいないし、家の大半が石で作られてるものが多い。


そして学校の制服を着替えずに家を出た俺の姿はとても浮いているように見える。辺りの人間達の服装といえば、鎧を着ている兵士もいれば、いかにも一般人らしき服装を着ている者をありさまざまだが、俺みたいにyシャツと、学生ズボンを着用している者などいない。


「どけどけー!危ないぞー!」


背後からのドタドタと鳴り響く足音と、罵声にも聞こえる声に俺は後ろは振り返ると、馬にまたがった商人が後ろから迫ってくる。

俺はとっさの反応で、横に転がり緊急脱出を試みる。見事に受け身をとれたおかげて、擦り傷ですんだ。


馬が通り過ぎ、自分がさっきいた場所が道路の真ん中だったことを知る。

この世界の道路と歩道は実に分かりにくいものだった。

特に境界線も見当たらない、日本みたいに白線もないのでさっきみたいなことが起こらないように、俺は歩道と思わしき、ここの住人が歩いている場所へ小走りで向かう。


ここの街は人が多いのか?かなり賑わっているように見受けられる。

太陽が真上の位置に存在する時間帯から、飲食店から聞こえる喧騒に、馬車もかなり行き交っている。


「とりあえず、この世界についての情報収集だな」


俺は真っ直ぐに歩調を進め、横から聞こえてくる店への呼び込みの声や、昼にもかかわからず鳴り止まない喧騒に俺は疑問を抱く。

たしか、神の話によればここは戦争が絶えない世界のはずだ。なのになぜこんな昼間からにぎやかなのか……


「まあ、今は考えても仕方ないし、まず聞き込みから始めようかな」


角を曲がればすぐそこにある飲食店ぽい看板が立てられている店に入ろうと試みる。


この世界の建物のつくりは、基本的に石でつくられているようだがここの店は木からつくられているように見受けられる。

二階建ての洋風な建物に、外でも聞こえてくる喧騒に中はかなり賑わっているのだと思われる。

俺は入り口に立ち、ドアを開けるとカランカランとベルが鳴り響く。


「いらっしゃいませ、お一人様ですね!こちらへどうぞ!」


美しい空色に染まる髪を頭のてっぺんで結われた女性に案内される。

白いワンピースの上に緑色の前掛けは、店の制服だろうか?他にも同じ服装をしているも者が多い。


俺が案内されたのは椅子が10個くらい並べられてあるのバーカウンターだった。

すでに先客が多く、端しか余っていなかったから俺はそこに腰をかける。


「ご注文がお決まり次第お呼びくださいね」


よく見るとこの女性の顔は整っている。

髪の色や身長などはまばらだが、他の店員を見ても同じように比較的顔が整っているように見受けられる。

この店が男ばかりで賑わっている理由がこれなのかな?と俺は推測するがそれより緊急事態が起きたことに気づく。


俺はここの通貨を知らない。


今ある所持品は学生ズボンの中に入ってる携帯と財布のみなのだが、俺の財布の中にある銭は使えるのか全く分からない。

流石に一文無しであるかないかの状況で注文などしてしまったら犯罪であるが故にどうするか迷う。

入ったにもかかわからず何も注文せずに出ていくなどもってのほかだしな……


俺は右横に掛けられていたメニューらしき物を手にし中を拝見する。その中で一番安かった『バンパの特製煮込みハンバーグ』とやらをすぐ横で客が食べきった皿を返却していた店員に頼む。


俺はここで一つ発見したことある。それはここの世界の文字と共通語が日本語であったことだ。

言葉の壁にぶつかることなくこの世界で暮らせることは大変喜ばしい。


もしかすると通貨も日本と同じなのかと推測したので『バンパの煮込みハンバーグ』を頼んだのだ。


そして俺はこの疑問を解消しようと横にいる大柄な男性に声をかけようと試みる。

そして、財布の中から野口英夫の印刷された紙を取り出し大柄な男性に見せながら質問する。


「あの……ここってこれ使えますかね?」


男はこれを見ながら首を(かし)


「なんだ、そんな紙切れ見たことねぇし、ここでは使えないよ」


見た目の割には優しい口調で返してくれた男の発言にメンタルが折られる。


俺はありがとうと、感謝の言葉を返すと男は店員から受け取ったばかりの食材に手をつけ始める。

やってしまった……と後悔してしまってからでは遅い。

俺は異世界生活が始まって数分で犯罪者の仲間入りだ。

まったく最悪の出だしだ……


後悔してるのも束の間、先程注文した『バンパの煮込みハンバーグ』が俺の机の前に届く。

ここの食事の方法は洋風なのか、フォークとナイフが一緒に届けられ俺は右手にフォーク左手にはナイフを握り『バンパの煮込みハンバーグ』に手をつける。

味は日本で食べていたハンバーグとあまり変わらない。


美味しいことは美味しいが、ほとんど盗んだに近い食品を食べる心のモチベーションや、テンションがだだ下がりだ。


このまま食い逃げをするか、横の男にお金を貸してくれとせがむか……と悩んでいるその時扉がきつく開かれガランガランと鳴り響いた方へ俺は振り返る。


「ここで、さっきゲートが開かれたのだが知っている人はいないか!?」


俺は扉を開けた本人の姿を見て驚嘆する。


それはとても言葉では表せないほど綺麗だった。

紅蓮に染まる髪が腰あたりまでつかり、コバルトブルーのその瞳には目を引き寄せられる。自分の急所を防ぐだけの鉄の軽装に、腰に刺さる短剣見るからに女騎士って感じだ。


そんな彼女は、息を切らしながらここのドアをきつく開け放った。おそらくこの発言を他の所にも言い回っているのいるのではないかと俺は推測する。


でもなぜそんなに急いでいるのか……


そんなことより彼女の口から出たゲートとは俺がここに来るときに通ったブラックホールみたいなものだろうか?

そんな疑問で頭を張り巡らせていると彼女は辺りを見渡したあと、バーカウンターの端にいる俺と目が合う。


「あ……」


と彼女がこぼしたや否や俺に人差し指を指しながらこちらへ向かってくる。


「あなたでしょ!ゲートをくぐったの!」


俺は周囲を確認すると全員が俺たちの方へ注目している。こんな全員が注目している中で話すなど恥ずかしいので彼女に提案する。


「詳しいことは外で話さないか?」


俺は彼女の耳に手を当て耳打ちをする。

彼女は俺の発言で周囲を見渡し全員がここへ注目していることに気づくと顔がだんだん赤く染まっていった。


「そうね……分かったわ」


彼女が了承してくれたところで、俺は彼女に手を掴まれる。


「さあ行くわよ」


俺は彼女に引かれるがままこの場所を退場する。


「お客様!お勘定!」


店員が俺達の様子に、とっさに店の支払いを求める。そして彼女はさっさと払ってきてと言わんばかりに俺の手を離す。


俺は彼女に申し訳そうな、子供が親に物をせがむような物言いで……


「あの……お金貸してもらえませんか?」





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