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第三種接近遭遇その1

(´・ω・`)…。(8時投稿の方が都合が良い…。)


日本国の巡洋艦の先導で我々の客船は、狭い東京湾の奥へと進んでいった。

この船は外観は客船だがドイツ帝国海軍の仮装情報収集艦。

軍艦だ、今は武装は収納してある。

「遠くて解かりませんが…。ヨコスカ鎮守府は有る様子ですね…。巨大工場プラント…。桟橋にタンカー。」

今回は随行の情報局、まあ、各組織()の情報屋が多い。

その為制服はバラバラだ、共通するのは全員襟に、国家社会主義女性同盟のバッジを着けて居るコトだ。

「飛行場に、大型機が沢山あります…。輸送機でしょうか?航空軍省の方…。」

「うーん、独り言だが、恐らく旅客機だ、窓が付いている…。荷物を入れるハッチ…。あ。君!あの飛行機!!写真とって!!ハッチ開いて何かを積んでる。」

「はい!!」

望遠レンズにカメラを三脚で固定した海軍の士官が操作を行なっている。

別の士官はビデオカメラも廻している

「二時方向!回転翼機!!」

「なにっ!!」

全ての視線が集まる。

カメラのシャッターが動く音が響く。

双眼鏡の中に銀色の機体に青い帯が見える。

「クソッ!日本語(ヤーパニッシュ)だ!何て書いて有るのか解からない!!」

悪態を付く陸軍士官。

「小型回転翼機だ…。レシプロエンジンではないのか?」

思わず口に出すと。

「やあ、詳しく話してもらっても良いかね?空軍の方。」

海軍の情報士官が遣って来た。

ココは彼女達のテリトリーだ。

滅多なコトは言えない。

「あー、まあ、そうだね…。あの大型機は旅客機だ。飛行機に窓は基本的に構造上、無駄な設備だ。機体に穴を開けて補強をして…。重いガラスをはめるのは無駄だからね。あと、さっきの貨物ハッチが下側なのは上に何かの空間が有ることだ。たぶんキャビンなんだろう。」

「与圧キャビンなのかね?」

「う、恐らく…。そうだな。写真の…。窓を数えれば何人乗れるか解かるハズだ。後は窓の形。」

「解かった、写真を現像したら君に渡そう…。」

「いや、正直…。ネガのコピーが欲しい。」

「レポートは見せて貰えるのかね?」

「ソレは無理だ…。しかし、そうだな。ネガを貰った後なら、一晩奢って貰えれば。口が軽く成るかもしれない。」

「了解、それで良い。何か美味い物を用意しよう。」

「ああ。君と僕の友情だ。それで、あの前を行く敵戦艦に付いて何か言えることを教えてくれ。」

未だ敵ではないが。黄色人種で在るコトは確定している。

大日本帝国(ヤーパニッシュ)の連中は随分と”日本国”に気を使って居る様子だ。

噂では事前交渉で”我が同盟国である日本国に無礼を働くなら即座に宣戦布告する。”と言い切ったらしい。

「そうだね…正直。大きな駆逐艦(Z-ボート)にしか見えない。前方に4インチ又は5インチ単装砲、珍しいのは後部の回転翼機の収納、発着が出来るコトだね…。艦長が男娼宿に行くのは便利だろうが…。」

「どうだい?君達の船と撃ち合って勝てそうかい?」

「ああ、簡単だ、見たところ装甲化されて無い。砲も一門だ。我々の駆逐艦(Z-ボート)でも勝てるだろう。」

「ありがとう。」

なるほど…。暗い海と灰色の陸を見る。

かなりひしめき合った町に見える。

白い、漁船とすれ違う。

乗っているのは全て男だ。

日本国からの事前交渉と大日本帝國駐在新聞記者の情報ではこの日本国は”男の国”らしい。

男の皇帝が支配する。

男の兵士が護る。

男の国…。まあ、女も居るらしいが。


彼らは蛮族なのか。神の使者なのか?

全ては不明だが。

劣等人種の日本人らしい。

我々優良アーリア人種の敵に成ることは間違いない。


我々の目的は友好を結ぶコトだが。

彼らから貰った情報が正しいのか?を確認する事だ。

後は、彼らが隠している事も…。

「前方、巨大つり橋。」

先導の巡洋艦はつり橋に向かっている。

「おい。おい。あの下を潜るのか?」

「塔の頂点120m以上、海面から橋げた50m程度。幅500m以上潜れるハズです。」

観測義を操作している水兵が話す。

「なるほど…。初めから船が潜れる様に作ったのか、ココの男達は大工仕事が大好きらしい。羨ましいコトだ。」

橋の向こう。霞む高層ビル群を示す、陸軍士官。

「巨大都市ですね…。大日本帝国とは大違いだ…。」

「基本的には大日本帝国の地図と変ってない。しかし、かなり埋め立てて…。町を作っている。」

岸に近づいたので…。いや、海が狭くなっている、双眼鏡でも見える。

対岸は岸壁にボート。緑が多い。

恐らく公園だろう。

釣りをしている少年と老人、散歩しているカップル…。クソッ!ベビーカーを引いている!夫婦なのか!!

あの女!相手が居るのか!!

「クソッ!クソッ!」

「何か有るのか?空軍中尉殿。」

海軍士官に咎められる。

「いや、なんでもない。本当に男が居るのだな…。」

「そうだな…。クソッ!」

海軍士官も笑い合う若い夫婦を見つけたらしい。

険しい表情だ。

「平和な…。国だな。戦って勝てそうか?」

「難しいな…。海軍は何とか為るが陸軍はどうかな?この島まで大砲を運ぶのは難しそうだ…。」

「殴り合いに為ったら男には勝てないか…。」

陸軍士官は忌々しそうに気分を吐き出す。

「その前に我々に引き金を引くことが出来るかな…。」

皆、所属が違っても軍人だ、敵なら撃てる。

しかし、男を殺す…。恐ろしい事だ。

恐らく我々には出来ないだろう。

船が進み橋の下を潜る。

巨大な橋を下から覗くのは奇妙な感覚だ。

皆、沈黙して、上を見上げている。

「で?空軍の方はどうだね?」

「さあな、未だこの男達がどんな戦闘機を持って居るかも解からないからね。」

旅客機を思い出す。

主翼吊り下げ式の大型ジェットエンジン二発。

あのエンジンの太さは恐らく遠心ジェットエンジンだ。(間違い)

4発大型機の情報もある。

恐らくMe264程度の…。いや、大日本帝国の連山改級の航続距離1万km爆撃機を持って居るかもしれない。

まあどちらにしても我々の、アラドE.555の敵ではない。

事前の情報では、この日本は西暦2030年のハズだ。

どちらにしても70年前のテクノロジーだ。

我々が遅れを取る事は無いであろう。

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