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第二種接近遭遇。その1

母船から離れて12日目だ、昨夜の短波ラジオでは計画進行中の暗号通信が有った。

本国では問題なく進んでいる。

そろそろ時間のハズだ。

副長はしきりに時計を気にしている。

腕時計で確認する。

「さて、淑女のみなさんお仕事の時間です。潜望鏡深度。」

母船から離れてシャワーも浴びれない。

到底淑女と言い難い姿の息を殺した水兵達が動き出す。

嘗ては男の職場であったが海の底まで女の仕事になった。

まあ、昨今の、可愛い坊やが潜水艦(ウンターゼーボート)に乗りたいと言っても恐らく不可能だ。

生命の泉(レーベンズボルン)が許さないだろう。

「メインタンクブロー。」

「圧力正常。水深上昇始めました。」

数有る圧力計を見ながらバルブを細かく操作する先任軍曹。

ハーフパンツ一丁の上半身裸だ、首から下げたタオルで隠れてはいるが…。

彼女は珍しく男の子を生んだので、子供と合うことは出来ない。

”お日さま原児童園”から、送られてくる自慢の息子の写真をよく眺めている。

可愛い坊やに見せられる姿ではない。

暑い艦内では仕方が無いのだが海軍軍人としては些かみっともない。

帰還までには一言いおう。

軍曹の操作で艦の浮き上がりが止まる。

「潜望鏡深度きました。」

「了解。」

帽子を後ろにして潜望鏡を覗き廻す。

「周囲に艦影無し。」

「上げますか?」

「まて副長。アンテナ伸長。受信開始。」

「受信開始します。」

青いランプの中で艦橋内が緊張に包まれる。

放送は本国の短波ラジオだ。

「きました!”ラインの黄金”です。」

(淑女)達の安堵のため息が艦橋を包む。

”集合体10”は無事に動いた様子だ。

なかなか気分屋で我侭娘らしいが、今回は素直なお嬢さんのようだ。

科学者達のご機嫌取りの成果だろう。

「了解。ガイドビーコンの受信作業に入れ。」

後は、フィルムカプセルを回収すればこの任務は終了だ。

母船と合流すればビールもシャワーも浴びれる。

微かにイヤホンから流れる。

”お前の槍に刻まれる契約を示すルーン文字は、お前にとって飾りにすぎないのか?”

本国の科学者達の集大成、”集合体10アグリガット・ツェーン”当に火の神ローゲの化身だ。

”ラインの黄金”から作られる”世界を支配できる指輪”。

愛を捨てた者にしか手に入れられない黄金。

もう帝国、国内で男の姿を見ることは少ない。

国営放送テレビジョンの淡々と話すアナウンサーが皆のアイドルだ。

我々、女は生命の泉(レーベンズボルン)の審査を経て。

男と初めて合い。

運が良ければ…。子が授かる。

更に神に選ばれた者が生まれたばかりの男性を抱くコトができる。

しかし、息子は”児童園”に送られ会う事が出来ない。

大日本帝国(ヤーパニッシュ)は神を恐れず工場で人間を製造していると言う。

我々は飼育場に押し込められ、番号しか知らない男と愛をしなければ成らない。

「我々は愛される者を失った。果たして黄金を手に入れる者は居るのだろうか?」

彼女達(工業製品)我々(家畜)、どちらが神に愛されているのだろうか?

艦長(ムッター)何か?」

「いや、何でもない。偵察衛星のフィルムカプセル回収に掛る!ガイドビーコンの受信開始を合図に追跡にかかれ!!」

「「「Okay Mutter。」」」

(´・ω・`)ムッ夕ー八ムのネオンに当てるとハムが一年分!!(日八ムの選手が当てるとどうなるか?ドキドキした少年時代。)

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