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第六種接近遭遇そのB面-3

気が付いたら朝になっており。

日が高くなり始めて居た。

「眠ってしまった。」

人生一番の悪夢を見たような気がしたが、幾つかの燃え、沈みつつある船体が見える。

後は白波の泡の間の黒い油…。

敵艦隊は撤退したか、逃げる船団を追いかけて…。どちらにしてももう居ない。


海面に仰向けに浮かぶ顔がある…。

救命胴衣を着て居るので未だ浮いているのだ。

ヘルメットには下士官のマークが見える。

「あなた、大丈夫?こっちにきて!!」

叫ぶが反応は無い。

「気絶しているの?」

木箱を押しながら泳ぐ…。

中々前に進まない。

近づいて肩に手を置くと身体を引っ張った。

異常に肌が白い、気が付くと下半身が無かった。

「くっ!サメ…。」

急いで離れる…。

木箱のせいで進むのが遅い…。

死体から離れる事が出来ない。

サメは自分より大きな物を襲わない(注意、当時の常識です。)そう言われている。

私は幸運にも木箱に身を隠した結果、襲われなかったのだ。

見える周囲には漂流物は多い。

人も居るが…。

生きて居るのか解らない…。

「おーい!」

叫ぶがどの頭も反応しない。

クソっ!

今更気が付いたが、木箱には三日月のマーク(糧秣)が在った。

恐らく中身は缶詰のクッキーだ。

幸運だ。

水に沈む事は無い。

しかし呑気に缶を開けて食べる事もできない。

「喉が渇いた…。」

安心すると喉が渇く…。

腰の水筒は半分程度だったハズだ。

周囲に(海水)はあるが飲む事は不可能だ。

腰の水筒を慎重に取り出し、一口含む。

真水は貴重なのだ。

救助は来るのだろうか?

救助中の駆逐艦を沈めた宇宙人(BEM)共は救助なぞしないだろう。

無論工業製品の女達の捕虜に成っても実験動物より哀れな結末が待っている。

「クッ、ドイツ野(女)郎でも助けに来ないか!この際、ジョンブルでも、ジュードでも良いわ。」

だが無神論者(コミュニスト)は簡便な。

助かったならウォルト・ホイットマンにだってキスしてやる。

体力が戻ったので何とか格闘して木箱の上に登った。

立つとひっくり返りそうだ。

寝そべっているだけだが冷たい海水に浸かっているよりはマシだ。

今度は日に焼かれる。

落ち付いて考える。

このまま行けばアメリカ本土に帰れるだろうか…。

一瞬で否定する。

「バカなことは考えないで…。」

疲れた…。

そのまま微睡の中に引き込まれた。


気が付くと大きな音と風の暴力にさらされて目が覚めた。

海面は白く波立ち見上げるほど上空に、中型の輸送機の大きさのオートジャイロが空中停止していた。

あり得ない事なので、思わず何も考えられなく成る。

二つのローターと、機体のミートボールマークで敵だと理解した。

ライフルを構えた兵が乗っている!

急いでハンドガンを構えると。

『武器を捨てなさい。此方は日本海軍、人道的救助を行う。抵抗は無駄。武器を捨てなさい。』

妙な鈍りの在る英語を使っていた。

「クッソ!劣等人種め!」

上半身を起こすと胡坐で座り、ハンドガンをスライドさせ、弾を送ると引き金を引いた。

奴等は宇宙人(BEM)だ。

あの二等兵の持っていた薄い本(コミック)の様に宇宙人(BEM)に卵を産み付けられるなんてまっぴらごめんだ。

マガジンの弾が無くなる前に頭の中にブザーが鳴り始め目の前がチカチカし始めた。

耳が痛い…、ハンドガンを落して思わず耳を塞ぐ、顔や皮膚が痛い…。

頭がくらくらする。

宇宙人(BEM)のオートジャイロの機体側面に黒い板があり操作する兵士が此方を狙って居るのを理解した。

「クソっ!ほんとに宇宙人(BEM)だ、奴等、怪光線銃をもってやがる。」

何か解らないがあの黒い板は何らかの兵器だ。

その兵器(怪光線)で気を失いそうだ。

あいつ等。我々()を捕まえて脳味噌溶かして喰う心算だ…。

(´・ω・`)黒い板、LRAD(長距離音響発生装置。)

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