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前歯を落としたネズミくん

 三時になったので、窓口を閉めようとすると、下から声がした。


「ぼくがまだいるよ!」


 驚いて声のした方を覗くと、小さなネズミが仁王立ちで立っていた。


「こ、これは失礼しました。どのようなご用件でしょう」


 立ち上がって対応する。


「ちょっとここでは言いにくいんだけど」


「では、耳元まで来てくださいますか」


 ネズミに窓口まで上がってきてもらい、青子は窓口に耳を近づけた。


「実はね、ゴホン」


 郵便局に緊張が走る。


「夕べ、前歯をなくしたんだ」


「えっ」


 青子はネズミに向き直し、口元を見ると、確かに一本しか前歯が見当たらない。


「それは、お気持ち察します」


 青子は言葉を選びながら慎重に言った。


「そのような用件でしたら、歯医者さんに行かれた方が、お客様のご要望を的確に応えてくださるのではないかと思います」


「ばかたれ!」


 青子の配慮もむなしく、ネズミに一喝された。


「あの前歯は、ぼくの大事な宝物なんだ。差し歯をもらってはい終了とはいかないんだよ」


「ははあ」


 すると、後ろで片付けながら聞いていた先輩の愛子が口を挟んできた。


「お客様、よろしかったらその前歯がお客様にとってどんな存在だったのかをお聞かせ願えますか?」


「いいだろう。ぼくにとって、あれは命同然だ」


「素敵な前歯でいらっしゃいますものね」


 愛子は残った一本の前歯を見て、笑顔で言った。


「小さいころから皆に褒められて、ぼくにとって特別な前歯だったんだ。両親からもらった一番大事なものさ」


「そうなんですか。ご両親譲りの立派な前歯でいらっしゃるんですね。ご両親からは、今回前歯を無くしてしまったことに対して、どのような声をかけられたんですか?」


「ぼくの両親はもうこの世にはいないんだ」


 愛子は黙って二回頷いた。一回目の頷きは、ネズミの言葉に対して、二回目の頷きは、ネズミの真意について答えを見出したようだった。


「私たちにお任せください。お客様の悩みを解決してみせます」


 ネズミが帰った後、青子は愛子に言った。


「あんなこと言って大丈夫なんですか? 私たち、歯医者じゃないから歯も治せないし」


「ばかたれ! って、またあのお客様に怒鳴られるわよ」

 

「だって、歯の悩みは歯医者さんじゃないですか? 普通」


「あなたもまだまだね」


 この島に配属されて三ヵ月。青子は早くも先行き不安だ。


 翌朝、始業のベルが鳴ると、青子は愛子に出張を命じられた。

 昨日のネズミの件を任されたのだ。


「三日間で片をつけなさい。それまでに戻ってこなかったら、きっとあなたの家は穴だらけでしょうね」


「メロスじゃないんですから、止めてくださいよ! とびきりのチーズを土産に持って帰るんで穴だけは勘弁するように言っておいてくださいよ」


 残った一本の前歯だけで青子のアパートは簡単に穴が開くだろう。大家の怒った顔が目に浮かぶ。


「そんな顔しない! これも修行のうちよ。この島の皆から信頼される郵便局員になるためのね。さあ、いってらっしゃい」


 ドンッと背中を押され、半ば追い出されるように郵便局を後にした。


 参ったな。まずあのネズミについて何も知らないのに。青子は途方に暮れたが、やがて諦めて歩き出した。


 大家さんなら何か知ってるかも、と思い、アパートに帰って大家さんを訪ねてみた。


「あら、どうかしたかい?」


 大家さんは歯に海苔をつけたまま訝しげに青子を見た。


「ちょっとお尋ねしたいことがありまして。最近、前歯を一本無くしたネズミについて知りませんか?」


「それは知らないねえ。でも、ネズミが出て困ってる家なら何軒か知ってるよ」


「本当ですか?」


 青子は大家の情報を素早くリストにまとめ、大家に礼を言ってお暇することにした。


「ところで、水田さんは動物病院にお勤めなの?」


「いいえ、青空郵便局で勤務中です」


 大家の微妙なリアクションを真摯に受け止め、青子の気持ちは切り替わっていた。

 先輩が言うんだもの。郵便局員にとって、大事な仕事なんだわ、きっと。


 まずここから一番近いジョンの家に行くことにした。

 島では珍しい洋風の一軒家だ。

 チャイムを鳴らすと太ったオバサンが出てきた。


「ハーイ」


 英語だ! と心配が的中すると、青子の口からは何も出てこなくなってしまった。 

 な、何か言わなきゃ。


「アナタコノシマデミナイカオネ」


「あ、はい。三か月前にこの島に引っ越してきました、青空郵便局の水田青子です。ナイストゥーミートゥー」


「ワタシハメアリー、ナイストゥーミートゥートゥー! イマアップルパイヤイタカラハヤクタベロ!」


「オー、サンキュー」


 家に入ると香ばしい香りが鼻をくすぐる。テーブルに着くと熱々のアップルパイをメアリーが運んできた。


「アジハドウダ?」


 口に入れた瞬間感想を急かせれ、表情と言葉でハッピーを伝える。

 メアリーは青子を見て満足した顔で、自分もアップルパイを食べ始めた。


「メアリーさん、おうちにネズミが出るって聞いたんですけど」


「ソウヨ、コーンナデッカイネズミデルヨ」


 メアリーは、自分の顔よりも大きなネズミを手で表現した。

 サイズも住人と似るのね、と青子は心の中で思った。


「今、そのネズミと会えますか?」


「アナタ、ネズミニアイニキタノカ! ヤツナラソコノアナノナカニイルネ」


 ソファの裏に、先ほどメアリーが手で表したネズミが通れるくらいの穴があった。


「ちょっと失礼します」


 メアリーに断ってから、穴に近づいた。


 穴を覗くと、横たわっているネズミと目が合い、ドキリとした。


「なんだ、お前」


「ごめんなさい、驚かせちゃって。私、三か月前にこの島に引っ越してきました、青空郵便局の水田青子です、よろしくお願いします」


 メアリーにした挨拶をネズミにもすると、ネズミは細めていた目を見開いた。


「俺に挨拶した人間は、お前が初めてだよ。メアリーは俺を毛嫌いしてるからな」


「それは、家をかじってるからじゃないんですかね? とにかく、それについてはメアリーさんと話をしてみてください。あなたに聞きたいことがあってここに来たんだけど、最近前歯を失くしたネズミさんのこと、何か知りませんか?」


「そんな話は聞いたことないね。俺、そもそも友達いないし」


「そうですか」


 青子は礼を言って、気持ちを切り替えた。

 いったん背を向けたものの、もう一度穴の中を覗き込んだ。


「あの、よかったら、友達になってください。私もこの前この島に来たばかりで、まだ友達がいないので」


 ネズミは、驚いた後、フンッと鼻を鳴らし、小さい声で何か言った。


「え?」


「グレン。俺の名前だ、覚えとけ」


「はい」


 メアリーにも礼を言ってお暇した。


 メアリーの家にチェックをつける。残りのリストも、地図を見ながら訪問し、チェックが増えていく。


「ううん、全然手掛かりが掴めないじゃない」


 リストのチェックをすべてつけて、何の手掛かりも掴めないまま家に帰った。


 このままじゃまずいな。後二日、何をしよう。今日出会ったネズミは皆、うちに来た歯なしのネズミについて知らなかった。


 生息地が違うんだろうか。野生のネズミだったのかな。

 シャワーを浴びながら青子は考えていた。


「ああん、もう! どこの誰かも分かんないネズミが失くした歯を探すなんて、無謀じゃない! だいたいこんなの郵便局員の仕事じゃないわ! 私が先輩なら、警察署に行くことを勧めたわね」


 任せてくださいと胸を張っていた愛子に恨み節が止まらない。


「こんな日の夜はぐいっといかなきゃね!」


 この日の青子の家は、ビールが三本も空いた。


 二日目は、大家さんに野生のネズミがたくさんいる場所を教えてもらった。

 今日はそこで聞き込み調査だ。青子は腕まくりをして気合を入れた。


「こんにちは!」


 ネズミの大行列の上から声をかける。


「うわっびっくらこいた」


「驚かせてごめんなさい。私、三か月前にこの島に来ました、青空郵便局の水田青子です」


「青子さん、割り込みはいただけないよ? 最高級のチーズが欲しけりゃ、最後尾に並ばないと」


 先頭を見ると、チーズを配ってるネズミがいた。サンタクロースのように、大きな袋からチーズを出して必要な数に応じて配っている。


「違うんです。実は、皆さんに聞きたいことがあってきました。前歯を失くしたネズミさんについて、何か知ってることがあれば教えていただきたいんですが」


 ネズミたちは周りの者の顔を見比べる。

 閃く顔はなかった。


 青子は、彼の特徴を思い出してみる。

 そういえば、発音のイントネーションが少し変わっていた気がする。


「じゃあ、話し方に特徴を持ったネズミさんについて知りませんか?」


 我こそが、という立候補制で、何匹か名乗り出たが、皆自前の歯が健在だった。

 念の為に、青子も最後尾に並び、チーズを配っていたネズミにも同じ質問をした。


「知らないねぇ」


 長時間並んで成果が出なかったのは、大分堪えた。立ち尽くしてぼーっとネズミたちが帰っていく後姿を見ていた青子は、ネズミが両親を亡くしているという話を思い出した。自分のことをぼく、と言っていた口ぶりからすると、まだ子供だろう。他の者と暮らしていれば、隠し通せるものでもない。となると、やはり一人で暮らしているに違いない。


 これは、無理かも。


 油断すると、弱音が出てくる。


 愛子にエスオーエスを出そう。


 青子は、青空郵便局に電話をかけた。

 電話はすぐに繋がった。


「解決した?」


 愛子の声は、明るかった。


「それが・・・・・・」


 現状を伝えると、愛子が電話の向こうで呆れているのが伝わってくる。そして、一言もらった。


「あんたね、お客様の気持ちになって考えたことある?」


 冷や水を浴びせられて、電話は切れた。


 青子はひとりぼっちになってしまった。


 誰も頼れない。

 自分が頑張るしかない。


 お客様の気持ち。


 前歯を失くして藁をも掴む気持ちで郵便局にやってきたネズミの気持ち。

 歯医者や警察ではなく、郵便局にやってきたネズミの気持ち。


 その時、何かがバンッと額にぶつかり、頭の中に入ってきた。


 青子は、家族分のチーズを抱えて岐路に着こうとする主婦層のネズミを追いかけた。


「すいません、もう一度お話いいですか?」


 収穫があった。

 青子はガッツポーズをむき出しにした。


 家から持ってきた懐中電灯で、洞窟を照らす。


「すいませーん、青空郵便局の水田青子です」


 すると、奥から前歯が一本かけたネズミが出てきた。


「やっと会えた!」


 青子は心の声を出した。


「見つかったの? ぼくの前歯」


「え、いや、それはまだなんですけど」


「なんだ、じゃあ何しにきたの?」


「お話を聞きに来ました。大事な歯を失くされて、すっごく困ってるんですよね? その気持ちを、大事な人たちに伝えようと思いまして」


「この前も言ったけど、ぼくの両親は天国にいるんだ。君は天国の住人にもお便りを届けられるのかい?」


「いえ、それは大変厳しい業務です。ですが、何らかの形で、郵便局員としての仕事を全うしたいと思っています」


「へえ、それは心強いね。ところで、いつまでライトをぼくに向ける気?」


「し、失礼しました」


 慌てて青子は懐中電灯の向きを天井に変える。


「今日はずっと洞窟の中にいたんですか?」


「ここのところずっとさ。こんな歯じゃ人前に出られないでしょう? 歯を見られないようにしようと思ったら笑わないようにしなくちゃいけないけど、他のネズミや人間と会って、不愛想なやつだと思われたくないし」


「どこで落としたか心当たりはないんですか?」


「心当たりがあるところは手あたり次第探したよ。けど見つからないんだ」


 ネズミからは落胆の声色がにじみ出ている。


「両親からもらった大事な歯、とおっしゃっていましたが」


「そうさ。あの人たちからもらった唯一の宝物」


「どんなご両親だったんですか?」


 青子は勇気を出して一歩踏み込んだ質問をした。この時の為にここまでやってきたのだ。


「厳しい親だった。ぼくは親から餌を与えてもらったことがなくて、物心ついた頃からすべて自給自足の生活だった」


「失礼ですが、野生のネズミさんでは当然なのでは?」


「ぼくは野生のネズミなんかじゃない! 匂いで分かるでしょう?」


ネズミは小さい胸を張る。


「ははあ」


「毎朝アップルパイを焼くオバサンの家に住んでた」


「アップルパイ!?」


「うん。それがなに?」


「いえ、何でもないです」


 青子は話の続きを促した。


「褒められたことなんてないし、怒られてばかりだったけど、ちょうどオバサンが飼い始めた猫に、ぼくたち一家が襲われそうになった時、ぼくの前歯で猫の背中を噛んで、間一髪で助かったんだ。その時初めて、親父にでかしたって言われたのが、後にも先にも親から褒められた唯一の言葉だった。小さい頃はこの大きな鋭い歯が嫌いだったけど、そこから一気に好きになった」


「そうだったんだ」


「あの歯がないと、ぼくがぼくとして認められることはない」


「そう、難しく考えなくてもよろしいかと」


 慰めのつもりで青子は言うと、ネズミに睨まれた。


「ぼくの気持ちは君に分かるまい」


「でも、それって」


 と青子はいいかけて思いとどまる。私は郵便局員だ。


「ネズミさんのその言葉、お届けに行って参ります!」


 きょとん、とするネズミを置いて、青子は仕事に出かけた。

 洞窟を出た時の眩しさは、今後の展開を予期しているかのようだった。


 待っててね、ネズミさん。

 青子は心の中でつぶやいた。


 ここまで来るのにあんなに長く感じたのに、今度はあっという間にメアリーの家に着いた。


「こんにちは、メアリーさん。青田郵便局の水田青子です」


「オヤ、マタアンタカイ。アップルパイ、モウナイヨ」


「いえ、アップルパイじゃなくて、今日はグレンさんに用があってきました」


「グレン? アタシノダンナハヘレンダヨ」


「いえいえ、旦那さんじゃなくて、ネズミさんです」


 ネズミ、というと、メアリーはあまりいい顔をしない。


「ア、ソウ。アイツ、グレンッテイウノカ」


 と言って、いそいそと台所の方に消えて行った。

 名前も知らないなんて。青子は愕然とした。メアリーに名前を知られてないなんて。改まって名刺交換はしないにしても、何か手を打たないとね、とお節介が顔を覗かせる。


「グレン、こんにちは」


 トントン、と穴の横の壁をノックしてから覗く。


「何のようだ?」


 グレンは新聞に目を通しているところだった。


「前ここに住んでいたネズミさん家族について知らない?」


「さあ、知らないねぇ」


 そう言ったグレンの前歯は、見覚えがあった。


「ねえ、私に何か隠してるでしょう?」


 どうして初めて会った時にすぐ気づかなかったんだろう。


「は? 言いがかりはよせ」


 そう言うグレンのうろたえぶりは、青子の発言が的中していることを表していた。


 青子が問い詰めると、グレンはしぶしぶ彼との関係性について話し始めた。

 グレンと彼は、兄弟だった。

 両親が病気で亡くなった後、彼は出て行ったが、グレンはここに残ったようだ。


 そこまでで十分だった。青子は、グレンに彼の気持ちを伝えた。


「あいつ、そんなことを・・・・・・。初めて知ったよ。意外と兄弟でそういう話しないから。あいつはそういうけど、両親は、俺にはあいつの自慢ばかりしてたんだぜ」


「そうなんですか?」


「お前もあいつのように勇敢な男になるんだぞって。俺の方が兄なのに」


「じゃあ、ご両親は弟さんの前歯じゃなくって、勇敢な心を認めてたのね」


「ふんっ面白くない話だな」


「ヘソを曲げないで、グレン」


「前歯だったら俺の方がいいもん持ってるよ。でもいざその前歯で敵を倒す勇気を持ってるのは弟の方だった。だから、両親は弟の方をめちゃめちゃ厳しく育ててたな。このしつけで本当によかったんだろうかって話し合ってたけどな」


「それ、お手紙に書いてもらえませんかね?」


 グレンは考え込んだ後に、指でお金マークを作ったが、青子は慎重に言葉を選んだ。


「郵便局員からお手紙を出してくださいっていうのはご法度だと承知しております。ただ、弟さんがそのお手紙をもらって心が救われるのならば、着払いでも嫌な気はしないと思います」 


 グレンが筆を走らせるのを、青子はメアリーに淹れてもらったコーヒーを飲みながらじっくり待った。

 書き上げた手紙を受け取ると、青子は手紙の中身を見たい気持ちを必死に押さえて、洞窟に向かった。


 外はもう夜になっていた。

 洞窟に着くと、ネズミはまだ寝ていなかった。


「おまたせしましたっ! 青空郵便局の水田青子です」


 ネズミは青子からグレンからの手紙を受け取ると、目を通した。

 読み終えると、ネズミは青子から背を向けた。


「ふんっこんなのでたらめかもしれないよ」


「そんなことないですよ!」


 青子はネズミの体を揺らした。

 あんなに一生懸命時間をかけて書いてくれた手紙なのに。どうしたらわかってくれるんだろう。


「あんたから脅されて書いたかもしれないし、こうなったら今度直接会いに行くしかないな」


 ネズミは青子の手を払ってそのまま奥に行ってしまった。


 あれ? いちお、解決?


 青子は自信のないまま、翌日青空郵便局に出勤した。


「あら、リミットより一日早いわね」


「愛子さぁぁぁん」


 愛子に洗いざらい聞いてもらうと、愛子はからっと言った。


「まぁ、最初にしちゃあ、よくやった方じゃない? 私たちができることはここまでよ」


「そうなのかなぁ」


「仕事のゴールは自分で設定しなさい。あなたがゴールについてないと思ったらそうなんじゃない?」


「愛子さぁぁぁぁん」


「変な声出さないでよ! それより、あたしのアドバイスは効いた?」


「はい、愛子さんのアドバイスで、ネズミさんに、聞き方を変えたんです。最近前歯を失くしたネズミさん知りませんかって言ってたんですけど、前歯が自慢のネズミさんいませんかって言ったら、すぐに見つかったんです。あれは魔法の電話でした」


「それはよかった。あなたが魔法使いになれるのは何年後かしらね?」


 舌を出す先輩に、青子は三度目の「愛子さぁぁぁん」でカウンターパンチを浴びた。





 

 


 



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