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それは、ヒステリックにもなるでしょう

 青子は、眠い目をこすりながら毎朝の楽しみの今日の犬のコーナーがあるチャンネルに合わせた。


 今日はマルチーズが散歩している。短い足でちょこまかちょこまか、歩いている。

 画面越しでもこんなに癒されるんだから、間近にいたらどれだけ心躍るだろうか。


 職場の先輩、愛子は、ペットを飼ったらいよいよ結婚できないわよ、と脅してくるが、スマホのアプリの中で育成しているマルチーズに、昼休みになると嬉しそうに餌をやっているのを青子は知っている。


 本物のマルチーズ。会いたい。

 この島に来て、ネズミや人魚と触れ合うことはあっても、マルチーズはない。


 マルちゃん。愛子は、自分のアプリのマルチーズに、そう小声で呼んでいる。

 自分は何て愛称をつけよう。妄想ばかりが先行していく。


 飼い主が用意した餌に、画面越しのマルチーズが、ワンと泣くところで、画面が切り替わった。

 緊急速報のニュース。


 津村山が噴火しました。


 ヘルメットをかぶったアナウンサーの、噴火している山をバックに緊迫感が伝わってくる。


 また、誰かがヒステリーを起こした模様です。


 この山は、誰かがヒステリーを起こすたびに、噴火するのだ。


 町は大変そうだなー。青子は呑気にコーヒーを飲んだ。

 この島では、ヒステリーは起こす人などいない。皆、心に余裕がある。


「この島で、ヒステリーを起こす人はいませんよ」


 思ったことを、郵便局を戸締りしている際、つい取材のカメラの前で答えてしまった。

 しかも、お決まりの自己紹介まで添えて。


「青空郵便局の、水田青子と申します」


 翌朝から、青空郵便局は青空病院に変わった。それほど、ヒステリーを抱えた人が次から次へと来店するのだ。


 それは人だったり、ネズミだったり、妖精だったり。

 その怒りは些細なものから深刻なものまでいろいろだ。


「大食い大会に爆破予告をしたい。この時限爆弾を会場まで届けてくれ」


 眼鏡をかけた野兎が、カウンターによじ登り、ダンボールを渡してきた。


「そんな物騒なもの、先方にお渡しかねます」


 青子は丁重に断った。


「じゃあ、毒ガス工場から毒ガスをもらってくる」


「それも同じです。何の恨みがあるんですか?」


 今日お客に何度もした質問だ。こっちはろくに昼食もとれないことにプチヒステリーを起こす手前だ。


「あんな残酷な大会に参加するやつはろくな奴じゃない! おたくもそう思わんか?」


 腕を組んで足を鳴らす野兎に、同調しかねる青子の態度が不満だったのか、せきを切ったように話し始めた。


「この世界には今日食べるものにも困って腹を空かせとるもんもおるのに、やつらはヒーヒー言いながら無理やり胃の中に食べ物を放り込んどんだぞ!」


「お客様のお気持ちも分かります。ただ、単純にこんなに食べられるんだすごいっていう感動を与えているのでは?」


「わかっとらん! これだから最近の若者は」


 野兎の長い説教が始まった。話をしながらずれ落ちているメガネを直そうともしない。

 青子が見かねて直してあげると、そのときだけトーンをかえて「ありがとう」と言われた。

 まったく調子の狂う野兎だ。


「お客様のお気持ちはよくわかりました。ですが、会場を爆発させるというやり方はいかがなものかと」


「運営にクレームを言ったくらいじゃ何も変わらんよ」


「政治家になって世の中を変えてみるというのは?」


「そんな段階を踏んでる余裕はない!」


 ピシャリと言われた。


「シーッ! ほかのお客様のご迷惑になりますので」


 隣の愛子が声を張り上げる野兎に注意する。


 それが癪にさわったのか、ポケットからスイッチを取り出した。

 スイッチを取り出してからスイッチを押すまでの間、ほんの数秒だった。 


「え?」


 青子も愛子も固まった。花の水やりから戻ってきた萌乃だけが鼻歌を歌っている。


「こんな郵便局、散り散りになってまえ!!」


 フライパンの上で跳ねるポップコーンのように、青子と愛子は慌てた。

 震える手でダンボールを持ち、窓から海の方に放り投げた。その瞬間、爆発音が鳴り響いた。


 ガラスが割れる。青子と愛子、それに状況を把握した呑み込みの早い萌乃も亀のように小さくなったほかのお客様の上に覆いかぶさる。


 ゆっくり起き上がり、お客様の安全を確認した後、割れた窓ガラスをほうきで集め、掃除をする。

 クジャクが自分の羽で掃除を手伝ってくれ、従業員一同、お礼を言った。


 問題を起こした当事者の野兎は、罰として一週間従業員として働くよう命じることで三人の中で話がついた。


「丸焼きにしてお弁当にしよう」


 と愛子は冗談とも本気ともつかない様子で肩を震わせながら主張していたが、それを聞きながら涙をにじませる野兎を哀れに思い、青子が止めてやったのだ。


「まったく腹がたつ! 私のプリンを盗み食いしたのよ、やつは!」


 丸焼きを逃れた野兎は、初日から東京から来た自称プリンセスの接客に苦戦していた。


「何時間かけて一人の客に対応してるのかしらね!」


 後ろでパソコン操作しながらブツブツ文句を言う愛子に、青子は、


「そこまで言うならフォローしてあげてくださいよ」


 と思わず口をついた。


「お節介はあんたの役目でしょ」


 愛子はパソコンに視線を向けたままだ。


 先輩は何かしてやる気はなさそうだ。

 後輩の萌乃はイケメンの愚痴に、オーケストラに聞こえているかのようにウットリ耳を傾けている。


「その、奴呼ばわりしているお方はどなたを指し示すのでしょうか?」


 失礼ですが、と前置きしたうえで、半ば投げやりになってきている野兎の後ろから割って入る。


「一緒に暮らしてるプリンスよ」


 なんだ、のろけか。青子の中で、対応の方向性は決まった。適当にあしらう、だ。


「また買うという手がありますよ」


「分かってないわねぇ。これだから一介の郵便局員は。まだ兎さんの方が話が通じるわ。耳が長い分ね」


「あいにく長い耳は持ってないけど、辛抱強さは持ち合わせています。どんな思い入れのあったプリンなのかしお聞かせください」


 野兎が自慢の脚力で遠くまでジャンプしようとしたので、首根っこ掴んでカウンターに引き戻した。


 自称プリンセスは、鎖骨まである栗色の髪の毛をいじりながら、口をへの字に曲げて話した。


「あのレシピは小さいころに魔界で手に入れたもので、十年冷蔵庫で寝かしていたものなの。作ろうと思って作れるもんじゃないのよ」


 自称プリンセスから自称魔女ですか。ドン引きしたのは青子だけじゃなかったようだ。


「いい病院紹介してやるよ」


「そ、それがお客様に対する態度ですか!?」


 動揺したが、よく言ったという気持ちを隠してピシャリと言えた。


「私の事、頭がおかしい客だと思ってるわね!」


 激昂した自称プリンセスは、カウンターの上に置いてあった金魚の貯金箱を青子に向けて投げつけてきた。


 どうして?


 間一髪で避けた青子は、兎の腹話術で青子がしゃべっているとでも思われているのだろうか、と疑心暗鬼になる。


「私が思い出したら、ここをコンニャク郵便局にしてしまうわよ!」


「やめてください! 何かよくわからないけど、どうか忘れたままで!」


 藁にもすがる思いで両手を合わせる。


「海を見ていたら思い出すかも!」


 自称プリンセスの視線が窓の外に移るので、萌乃にカーテンをひくように指示する。


 普段後輩への指示に慣れていない青子は、カーテンを、キャーテンと言ってしまったが、萌乃は冷静にカーテンをひいていた。


 隣でカンガルーの袋に通帳を入れていた愛子は、カンガルーを見送った後、青子に声をかけた。


「落ち着いて。何の話?」


「この方が、何か思い出してしまったら、ここがコンニャクにされてしまうそうなんです! だから私水田青子、青空郵便局を防衛しております!」


「あのね、落ち着いて? 思い出したらって、何を?」


「それはよくわかりませんが・・・・・・この方がはっきりおっしゃらないもので」


「お客様のせいにするのはよしなさい。ミセスプリンセス、うちの子たちの無礼をお許しください。何を思い出されるおつもり?」


 長いまつ毛をぐわんと上に向けて、元から大きな瞳を見開いて言った。


「呪文よ! 魔法使いの時に使っていた呪文。この私を馬鹿にするやつはみなコンニャクにしてやる!」


「あなた、魔法が使えるの?」


 話を聞いていたのだろう。後ろに並んでいた六十代くらいの婦人が、自称プリンセスに声をかけてきた。


「その昔ね?」


「じゃあ、あなたにお願いしたいことがあるんだけど」


「ここじゃあ、他のお客様の邪魔になりますので、奥でお話をされますか? 兎くん、お茶用意してあげて」


 愛子が二人をスタッフルームへ案内し、野兎にお茶を持っていくよう指示した。


「政府をコンニャクにできないかしら?


「セーフ?」


 自称プリンセスがクリクリの目でお茶をすする。


「失礼ですがお客様、サイフの間違いではないでしょうか?」


 同席した青子が口を挟む。


「いいえ、確かに政府と言いました。私には一人息子がいます。私の命より大事な息子です。ですが、二か月前にがんが判明しました。状態は良くなく、手術もできないほど手遅れの状態でした。ところが、いろいろ調べていくうちに、癌が治る薬があると聞きました。ですが、それは大人の事情で認可は下りていないそうなんです。治る薬があるとなると、薬業界に大きな打撃があるとかなんとか。息子は国に殺されるも同然です。政治家の子供を、コンニャクにするぞと脅しをかけてみたら、世界が変わるかもしれない。あなたの魔法には、世界を変えられる力がある。どうかその力を、私に貸してくれませんか?それで助かる人たちは、大勢います」


「かなり差し迫った状況なのは分かりますが、他に打つ手があるのでは?」


 青子が自称プリンセスの代わりに言った。


「息子には時間がないんです。息子のためだったらいくら積んでも構わない。いくら私がテロリスト呼ばわりされようが、息子が元気に生きてくれればそれでいいんです」


 婦人は語気を強めた。


 この人本気だ。青子は婦人の目を見てなにも言えなくなった。


「人助けなんていつぶりかしら? どうやら一生分の善行をすることになりそうね」


 黙っていた自称プリンセスが、腰を上げた。


「ありがとうございます」


「私もプリンスが病気になったら、同じことするだろうから」


 2人が固い握手をしているのを見て、青子は踵を返した。


 これは、ホウレンソウだ。自分ひとりで何とかできる問題ではない。

 野兎に頼もうかと思ったが、伝書鳩はごめんだと断られてしまった。

 青子はしぶしぶその場を離れ、電話を終えたタイミングを見計らい、愛子に事の全容を伝えた。


「放っておきなさいよ」


「え? どうしてですか?」


「あなたはどうして止めたいの?」


「それは・・・・・・」


 言葉に詰まってしまう。


「もし本当にコンニャクにされたら、大変ですし」


「ならないわよ」


「どうしてそう言い切れるんですか?」


「そんな状況になったら、政府は秘密裏に彼女にだけ秘薬を渡すに決まってるでしょ。彼女、ここで偶然プリンセスに出会えてラッキーだったわね。いらっしゃいませ」


 愛子は、他人事のようにそう言うと、店内に入ってきたお客に、柔らかいまなざしを向け始めた。


「早く戻ってこんか」


 野兎に怒られ、思わず「すいません」と頭を下げてしまった。その姿を客に笑われ、赤っ恥だ。


「調子が狂うじゃないですか」


「つまらんことを言っとる場合か! あいつら、これから図書館にいく気だ! 呪文の文献を探すつもりでおる」


「それならもういいの」


 青子は歩調を緩める。


「あ?」


「本人たちの自由ですから。私が立ち入って良い問題ではありません」


 背中を思い切り蹴られた。


「何するんですか!」


「つい」


「ついって何ですか!」


「おたくがあまりにもらしくないからな! さっきまでの勢いはどうした! 俺にくってかかった時の勢いはどこにいったんだよ」


「あの方のこと、勘違いしてました。ヒステリックを起こした人。冷静さを欠いた、短絡的思考に陥った人だと。でも、その方が置かれている状況を考えると、ただ必死に生きてるだだけなんですね。ぬるま湯の私に止められていい人たちじゃないんです」


 次の瞬間、目の前の景色がさかさまになった。

 自分が一回転したのだと、落下して気づいた。野兎に背負い投げされたのだ。


「お前は本当に馬鹿だ!」


「何でですか?」


「分かったようなこと言って、一歩も動かんやつは本物のバカだ! 間違ってても、自分が思ったように行動するのが生きるってことなんだよ! お前は今、あいつの為に自重すると言っとるが、あいつのためを思うなら、あいつの思いが叶えられるように協力してやれよ! 一度ぐらい泥だらけになってみろ!」


青子は頷き、郵便局を飛び出した。

 目が覚めた。後ろから愛子と萌乃が何か叫んでいたが、振り向くことはしなかった。

 今は前しか向かない。

 

 図書館を見て、青子は息をのんだ。


「ここに間違いないよね?」


 図書館があるはずの場所は、コンニャクに姿を変えていた。

 遠くからサイレンが聞こえてくる。

 間に合わなかった。


 国会議事堂に早く行かなきゃ。

 青子は足がもつれそうになりながらも、必死に手足をもがいた。

 島を出て、飛行機で東京に向かう。


 遅延がこんなにもどかしくなったのは初めてだ。


「機長はいつまで待たせる気ですか?」


 自分がこんなセリフを吐くとは思わなかった。

 貧乏ゆすりで隣の席のおじさんを怯えさせるとは、水田青子らしからぬ振る舞いだ。


 うめき声が聞こえてくる。


 もはやこのおじさん、誘拐犯?


 にらみを利かせると、ますますおじさんは縮こまる。


 辺りを警戒すると、青子のリュックが、もぞもぞと動いていた。

 ぎょっとしてリュックの中を開けると、野兎が折りたたんでいた長い耳をピンと張り、ゼーハーゼーハー肩で息をし、開放感を露わにしていた。


「ちょっと、こんなところでなにやってるんですか!」


「ついてきたにきまってるだろう。あんた、おっちょこちょいなんだろうから」


 となりのおじさんの視線を感じ、野兎をリュックにしまう。


「とりあえず、この中にいてぬいぐるみのふりをしていてください」


「もうこりごりだ。こんなか暑いんだよ。頼むから出してくれよ」


「勝手についてきたんですから、黙ってください」


 無理やり野兎をリュックにしまいこみ、ようやく動き出した飛行機の窓から外を眺め、こんなの契約違反

よ、と呟いた。


 羽田空港から国会議事堂までの間、スマホが手放せなかった。

 一足先にコンニャクにされていたらと思うと、気が気でなかった。


「ただ今速報が入ってきました。国会議事堂が、突然変異を見せました。午後二時ごろ、国会議事堂が突如姿を変え、コンニャクになりました」


 交差点にある大画面で、アナウンサーがそう読み上げた。

 このアナウンサーは、原稿を読むときに違和感を覚えなかったのだろうか。自分ならば与えられたこの原稿を半信半疑で読み上げるだろう。


 青子は、歩くスピードを緩めた。

 こうなった今、自分が目的地まで行く意味がない。

 もう、終わってしまった。不思議と頭がクリアになっていく。


「ねえ、何してるの?」


 抱っこしていた野兎が、青子の胸に耳を押し当てている。


「あんたの心の声を聞いてるんだよ」


「何か聞こえた?」


 青子は野兎に余裕を見せる。


「ここまで来たのにそりゃないだろう。放っておけばよかった」


 青子が何も言わずにいると、野兎は、青子のお腹をパンチしてきた。


「てめえの客だろ! てめえが始末しろ」


「一体どこの極道なんですか!」


 目が覚める一発だった。


「けど、目が覚めました」


 タクシーを呼んで現地に向かう。


「今ニュースでやってるところまでお願いします」


 と言うと、好奇心剥き出しの眼差しを向けられたが、うまくかわした。


「たった今、津村山が噴火しました」


 ラジオから噴火のニュースが流れる。


 これはあの婦人の怒りか。それともコンニャク被害を受けた人たちか。もしくは婦人たちに脅されて参っている議員の怒りか。


 国会議事堂に着いたが、物凄い数の野次馬とマスコミで、自称プリンセスと婦人の姿は見つけられなかった。二人はもう、跡形もなく消えていた。


「今度こそ、無理そうですね、野兎さん」


「何のために俺が着いてきたと思ってんの」


 長い耳をピンと伸ばして、野兎は目をつぶった。


「聞こえた」


「え?」


「こっちだ! 着いてこい」


 青子の胸元を飛び出した野兎を追いかける青子。アリスになった気分だ。


 息を切らしながら小道を抜け出て、着いたのは総理官邸だ。


「ここにいるんですか?」


「ああ、間違いない」


「だけど、私たちきっと入れませんよ」


「あんたは手を汚さなくていい」

 

 そう言うと、野兎は中から出てきた関係者の中から、青子と雰囲気の似た議員を誘惑し、いとも簡単に気絶させ、茂みに隠した。


「もう引き返せないですね」


「腹くくれたか?」


 野兎は優しい眼差しを青子に向けた。


 身分証明書を取り、青子の首にぶら下げる。


 野兎は青子の胸元にもぐりこんだ。グラマラスな議員に変身だ。


 エスピーが多い部屋が匂うな。

 青子は野生の勘で、自称プリンセスたちがいそうな部屋を探し当てた。


 扉を開けると、自称プリンセスと、テレビや新聞などでよく見る顔がこちらを見て驚いていた。


「そこまでよ!」


 声を張り上げたのも空しく、二つの顔は終戦を告げていた。


「おい、様子がおかしいぞ」


「分かってますよ」


「もう、手遅れですよ」


 声で、その顔が首相だと分かった。

 自称プリンセスの手には、こんにゃくが一つ。


 青子の手のひらからじんわりと汗がにじみ出てきた。


「どうして? どうしてお客様がこんなことに」


「許して、どうか許して。私のダーリンも、同じ癌なの。新薬は試供品で、まだ一つしかないって言うから」


「ひどい、こんなこと」


 青子は言葉を失った。首相は忙しいのか、目で帰ってくれと言っている。


 だったら、こんにゃくなんかにせず、せめて天国で待ち合わせをさせてあげて。


「話し合って譲り合いなんて、きれいごと、私の置かれてる状況じゃ無理」


 青子の外から、噴火の音が聞こえてきた。

 津村山は、ここから近い。



 










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